我が身のグレーは 取り憑かれた層を重ね塊となり 転がり亀裂だらけで終着に何を望む 誰が空を信じようか 誰が海を信じようか 誰が誰を信じようか 我が身のグレーは 取り憑かれた層を重ね塊となり 転がり亀裂だらけで終着に何を望む 誰が流されるものか 誰が心地よくなるものか 誰が信じる処へ行くものか
気持ちの明暗を 電車に揺られ確認している 大丈夫、大丈夫でない 大丈夫、大丈夫でない と いけそうか、いけないか 今度は身体に確認している 痺れはどうだ、痛みはどうだ と 怖いことは先が見えない 現状が見えない 今週の検査で先が見える 結果に慄き また先を見ようとする 自分であるに違いないが……
玄関を開け 疎らに落ちる冬の雨を 感じて行くよ 明日を忘れようとして 明日は浮かんでくるけれど 変えられそうもない色を 上塗りする納得を探し 答えは拾えそうで拾えない 答えは拾えないようで拾えそう 公園の雨やどり 屋根のあるベンチ 左手はぶら下がったまま iPadは膝の上 右手は軽やかなリズム 詩を書く最小最大の存在 落ちるほど上塗りされる明日
僕は未だ言葉を 土に埋め続けています 最初は言いたいことを 埋め込んでいました だけど 自分の言葉にも酔えなくなって 寂しいだの虚しいだの 辛い時期もありましたが 言葉を土には埋め続けました 花咲かせ空を見ようと 頑張った時期もありましたが 気が付いたのです 僕はもう咲くことに 興味がなくなっていました 僕は未だ言葉を 土に埋め続けています 手は泥だらけになって それが可笑しくて 楽しくて止めれないのです
生きている限り 負けてはいない人生 生きていることは それだけで すでに負けていない そして 勝ちのない人生を 当たり前のように生きる 苦しいと叫ぶのは 恥ずかしいことではないし 負けているわけでもないし 迷惑をかけているなんて 思わなくてもいい まずは生きていることだ 生きていれば負けていない それがとても自然な生き方で 負けない人生だ
新年早々 腕に痛み痺れが走る 今年は闘う一年になるだろう 四年前と同じ症状 違うのは右手が左手になった また頸の神経が潰れている 去年は駆け抜けた 誰かが手を抜いたと言っても 俺のベストは尽くしたんだ もう結果ではない世界で生きよう 捨てなくてはいけない 日常があっても怯まずに 進まなくていけない生活がある 這いつくばっても進んで行こう 誰しも同じこと 諦めれば終わるだけの話だ 涙など流す時間などない 腕をさすりながらでも 今年は闘って行くと決めた元日
歯がカツカツ鳴って 自転車を漕ぐガイコツ ネイビーな夢に映えながら イエッエーイエッエー ねえ私の部屋まで迎えに イカレポンチを歌うから 荷台に乗せて欲しいの ポロリンポロリン 響くでしょ骨しかないから きっとゴキゲンなパッピー 凍えた朝を越えたら ケラケラと笑い出して フォッケラーフォッケラー ねえ連れて行ってよ チェンジしたワールドへ
北の方から 低気圧オヤジはやって来る ギャグ風(ふう)に乗って 平気な顔をして 冷たい風をひとにあてる 寒すぎて今朝もヒエッー山 なんなんだ あの言い切った感ある微笑みは ああ寒い とっても寒い ほんとにほんとに寒い 上司の寒いギャグに 今朝もフリーズ気味だ
愛着があり忘れない詩 すぐにでも忘れたい詩があり どちらも自分のカタチから 表現されているのに えこひいきをしてしまう不思議 詩の投稿をしたのなら 伝わって欲しい気持ちがあり 伝わらないで欲しい気持ちも隠れている 詩をいいように扱っているわたし それでも詩は文句を言うこともなく 表現させてくれるから救われ 惜しみなく与えてくれる愛すら感じて 胃を満たすために食べて 疲れを癒すために睡眠をとり そして心のバランスを とるかのように書き続ける詩 一編の詩に満たされることも続かず 次の詩を書き始めている わたしは自由に歩める言葉の翼を持った 翼は仲間に会わせてくれる 詩が集まる集会所はいつも賑わって 大好きな詩の集まりに刺激と励ましをもらい そこはいつまでも平和であって欲しいと みんなが思っているに違いない わたしは今まで自由に飛びたいと思っていたが もう飛んでいることに気づいたのだ 詩に甘え成長させてもらっている この恩返しはいい詩を書くこと以外にない