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詩は元気です ☆ 齋藤純二

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詩という神さま

thread
愛着があり忘れない詩
すぐにでも忘れたい詩があり

どちらも自分のカタチから
表現されているのに
えこひいきをしてしまう不思議

詩の投稿をしたのなら
伝わって欲しい気持ちがあり
伝わらないで欲しい気持ちも隠れている

詩をいいように扱っているわたし

それでも詩は文句を言うこともなく
表現させてくれるから救われ
惜しみなく与えてくれる愛すら感じて

胃を満たすために食べて
疲れを癒すために睡眠をとり
そして心のバランスを
とるかのように書き続ける詩

一編の詩に満たされることも続かず
次の詩を書き始めている
わたしは自由に歩める言葉の翼を持った

翼は仲間に会わせてくれる
詩が集まる集会所はいつも賑わって
大好きな詩の集まりに刺激と励ましをもらい

そこはいつまでも平和であって欲しいと
みんなが思っているに違いない

わたしは今まで自由に飛びたいと思っていたが
もう飛んでいることに気づいたのだ
詩に甘え成長させてもらっている
この恩返しはいい詩を書くこと以外にない

#詩

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すみません

thread
すみませんと言っては
すみませんと
あまり思っていないのでは

どれだけ自分を誤魔化して
生きて行けるんだ俺は

堂々とすれば良いのに
すみませんと言っている

楽(らく)だから
すみません

相手を傷つけないつもりで
すみません

なるべく何事もなかったように
すみません

自分に自信がないから
すみません

生まれてすみません
と、言っていたひとがいたけど
そこまでは思っていない

とにかく
すいませんを言い過ぎてしまう
狼が来たぞ、現象で
ほんとうにすみませんの時
またすみませんかよ、に

念頭に入れておこう

ああ、それと
ありがとうとすみませんは
使い間違えないように

#詩

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学生アルバイト

thread
彼は高校一年から大学四年まで
アルバイトを続け
親からお小遣いをもらっていなかった
最近、パソコンを購入し
財布の中は小銭だけ

何年ぶりだろう
父親に五千円貸してくれと言うと
返さなくていいぞ、と小遣いをもらう

そんな時に限って
悪いことは起きてしまうのだ

彼がアルバイト先の控え室にカバンを置き
フロアでの仕事をひと段落つけて
コーヒーを買おうとしたら
財布からお札が
抜き取られていることに気づく

うちに帰り浮かない顔の彼
父親がどうしたんだと訊くと
悔しそうにお札が盗まれてたことを伝えた

父親は
今までアルバイトをしてくれてありがとう
と五千円を彼に渡した

結局、彼はその五千円を使わずに
机の引き出しに入れた
そこには亡くなった祖父からもらった
五千円も入っていた

彼はありがたく引き出しを押した

#詩

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詩の推敲

thread
詩の作品を推敲
そんなもん必要ないと
考えていた
誰かに読んでもらうため詩を
書いていなかったからだ

インターネット上で詩をアップする
やはり読めるモノにするため
ある程度は推敲する

推敲した作品と
推敲前の作品を読んでみた

なぜだろう
推敲すればするほど
閃いた光を感じなくなるのは

できたての詩は
言葉足らず、誤字もあり、矛盾もあり
ボロボロなのにエネルギーだけは
溢れているのだから不思議だ

推敲

は、しない方がそりゃいいが
だけど詩にも社会があって
マナーがあって
あまりだらし無い作品は
不真面目の烙印が押される

それを気にするか
しないかくらいの問題だが
迷ってしまうよひとの土俵で
詩を綴る時にはとても

#詩

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朗読会劇場

thread
はい、では次の方どうぞ

私の順番が来た
詩の朗読をするために前へ出る

緊張している
右手と右足、左手と左足が
揃って歩いているようだ

何度も声を出して読んできた
なのに自身(自信)がない
まだ練習が足りなかったのだろうか

お願いします

えーと、えーと
わ、私は、えーと
誰だっけ

みんな笑っている
どうしよう、どうしよう

自分の名前も出ないくらい
緊張しているのか
走って逃げ出そうか
いや、それはできない
五十のオヤジがそんなことできない

しかし、頭の中が白い
どうしよう……

おーい、客はジャガイモだから
気にしないでええよ

なんか言ってくれている
ジャガイモ、えっジャガイモが詩を聞く


えーと、ジャガイモが詩を聞くと
美味しくなるのでしょうか

私はほっこほっこなのがいいなあ

ワインのように良い音楽を聞くと
美味しくなるように
ジャガイモも
美味しくなるのかもしれない
それなら私が素晴らしい朗読を
しなければいけないってことなのか

おお、なぜにお前はジャガイモ
そして私はなぜに朗読者なのか

それは私が詩に飢えて
ジャガイモたちを食したいからだ
だから緊張なんてしていられない
ジャガイモを食わないと
詩では生きて行けないのだから

ああ、忘れていました
私の名前は杭根芋蔵です

いや待てよ
詩を聞いてもらう方を
ジャガイモだと思うのは
ジャガイモにたいへん失礼だ

人間がジャガイモより偉いなんて
思っちゃいけない
人間は平等で優しくなくては
生きて行く資格などない

ジャガイモたちよ
私の詩を聞いて心が休まるのなら
緊張などしている場合じゃない
大きな声で朗読をしよう

おお、ジャガイモたちよ
ああ、ジャガイモたちよ
よっ、ジャガイモたちよ



おーい、緊張は取れたみたいだけど
変わった詩だな



失礼しました

#詩

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強制教育

thread
げんこつが落ちる
ピンタが飛ぶ
蝉になりミーンミーンと鳴き
校庭を十周はしる
廊下に立つ
馬鹿だと罵られる

これが学校では日常の
先生の体罰や習慣だった
その当時の親は
平気で殴って指導してくれ
というのが当たり前

私たちも当たり前だと思っていた

まだ軍歌を聴きながら
学校へ行っているのか、のように

中学生になると気がつく
これは絶対におかしい、と
だが大人に訴えても跳ね返される
私たちは荒れた、底知れず荒れた

校舎の窓はすべて割れ
バイクで校庭を走る
パトカーが毎日、学校に止まる
先生が叩かれる
暴力行為で連れていかれた者もいた

良い想い出を探っても
まったく浮かび上がって来ない
失われた時間

当時の学校から学んだことは
強引に正そうとして誤ちを犯してはいけない
それだけだった
#詩

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折り合い中にて

thread
最近、詩に関わる環境が変わった

ノートに向かうだけの詩だったけど
詩の掲示板、詩のブログ、詩人会、詩人会の理事、詩の評者と
ここ一、二年で変わってしまった
偶然と自分から変えようとしたからだろう
これは自分のため、誰かのためへ
詩を書くことがプラスに向かっていると思っていた
しかし、自身へ批判的精神がないとブレてしまう
気合いを入れて書いた詩がそうでないということだから
ここは戻るべきだろうか、自分だけの詩なら誰もイライラさせない

どちらでもいい、もうどちらでもいい
答えはたぶんないし、正解も間違いもない
どちらでもいい、もうどちらでも

少し時間が必要みたいだ

今日は頭がフル回転している
眠れそうにないが、古傷も痛むから横になろう
それでも詩が嫌いにならず元気でいようとすることに
何の変わりはしないのだから

#詩 #雑記

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そうだから……

thread
その方がそう思うのだから
そうなんだろう

そこに否定はない
自分が正しいとも思わない


思いと思われが反比例
お互いになのだから
言葉も鋭利になってしまう

刺すつもりはないが
刺さってしまう
軸から解放しなければ
壊れてしまう自分
壊してしまうその方

ここで逃げてしまおう
ノーと言われ
自身にもノーを言いすぎると
自分でなくなってしまう

懸命だった
もうそれだけでいいだろう


その方がそう思うのだから
そうなんだろう

そこに否定はない
自分が正しいとも思わない

#詩

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詩である

thread
詩は難しい
と、初めて思った
今まで鈍感だったのだろう

時間をかけて思い込めたが
しょうもない詩ばかり、と言われた
複数人なので間違いない

しょうもない詩でもう良いでしょう
しょぼくれた感情はもったいない

それなら私の詩への情熱をこれから
どこへ向けて行けば良いのだろう

やはり詩を中学生の頃から書き
ここまでなんとか来たのも
詩があったから
ひとが詩を楽しいと思えるよう
それを軸に詩で関わって行こう

見えて来た
詩を書くばかりが詩ではない

進んで行こう
詩を書くばかりが詩ではない

もろろん
しょうもない詩は
書いてしまうだろうけど……

#詩

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なくなってゆく心地

thread
朝十時
陽はとても柔らかく
冷たい匂いが
僕の中に入ってくる

平日の汚れた
気持ちを洗うように
澄んでゆくこころ

家族も詩も自分も
遠く離れ空に吸い込まれ
生きている身体だけが
ここに突っ立って

複雑がぼろぼろと
落ちてしまえば
あとはもう消える夢

何もない時間
何もない世界へ

#詩

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