ふと寂れた街を 歩きたくなる時がある 誰もいない 少し寒さが身に染みる 静かすぎて葉っぱの揺れる音と 自分しか感じない場所で 時間を忘れて 疲れているのではない 都会では 自分を感じることを忘れて ひとりの響きを消されてしまう 今週、来週、再来週と 予定は詰まってはいるが 近々、週末に一日でもいいから 誰もいない街を歩こう そして ひとりの自分を感じて 都会へ帰って来よう
それぞれに それぞれの自分を背負い 今を生きている 最初から存在すらしなければ 何も悩みも苦しみも幸せも 無という概念もないのに 僕らは生きている それぞれに それぞれの理由をつけようとして 時にどうしようもなく疲れ 時には生きていて良かったと 僕らはそれぞれに それぞれのどうしてと どうやって生きていこうと 悲しんだり楽しんだり 流されたり努力して 何か得ようとしている
ネット詩誌 MY DEARの公式ツイッターで 「#応援詩」なるものをテーマに詩作品を募っています。 誰かを励まし、励まされ、ファイト! の気持ちを詩にして アップしてもらっています。 ひとそれぞれの応援の仕方や思いがあることに いろいろと気付かせてもらっています! ツイッター 詩の仲間たち⤵️ https://mobile.twitter.com/mydear2000s #応援詩のまとめ⤵️ https://togetter.com/li/1201486
今日も猫ちゃんが 私の布団の上 股の間で眠っている まあ、こちらも癒されるし いいんだけど ちょっと足を動かしたい時 起こさないように気をつかう すると もう一匹の猫ちゃんも お付き合いでやってくる 七キロオーバーの デカ猫ちゃんなので これが足にズシッとくる ああ、好かれているのは 嬉しいがもう限界だ そこでいつもの 一発を発射するわけである ハクション 驚いてスタスタと逃げて行く ごめん、ごめん 明日はヘトヘトになるまで 猫じゃらしで遊んでやるから 許してくださいな それではお休みだにゃーん
僕はまだまだ 偽りの詩を書いている 本心まるだしの 詩を書いてしまったら ひとは気分を悪くするだろう 僕はまだまだ人間として どうかなあ、って感じなんだ まずは人間を磨かないといけない そうしないといつまでも 偽りの詩しか書けやしないから
詩に携わることで 名刺を作らなければならない とある事情で金融機関が 名刺を催促するのだから仕方ない 職場では名刺の要らぬ仕事だから はじめてことであった 正直、めんどくせぇなあ と思っていたが いざ、出来あがってみれば…… ニヤつく自分がいる 金融機関にしか渡さない名刺 一枚は自分の財布に入れておこう たまに覗いてニヤニヤしよう
ふと、思う時がある なぜ詩を書いているのだろう とくに詩でなければいけない そんなわけでもなく 今はなんとなく詩を書いていたい 難しいことでもないみたいだ でも、なんとなく書いている詩も 四十年近くなるのだから 私との相性は悪くないようだ 中学生の頃にグループノートがあり 順番で自由に書いて みんなが回し読みをするという 先生の発案でそんなことをしていた 私はその時に知った 自分が書くことが好きだということ ひとが二、三行を書くのに対し 二ページはいつもダラダラと書いていた そこにあるのは100%の サービス精神であった 自分の失敗談やギャグや素っ頓狂な話し そしてもうひとりの自分 学校や社会への疑問、自己否定に自惚れ そんなものを自分のノートに書いていた 書くことが好きだったのか 考えることが好きだったのか 心のバランスをとっていたのだろうか 今もなにも変わってはいない サービス精神と言いたいことがあり どこかで自分を肯定して欲しいなんて 小さい私は書き続けているのかもしれない
君からきた年賀状に 鶴亀の絵が描かれていた 覚えているだろうか 小学一年生の時 空き地で拾った財布を交番に届けず お金を山わけしたこと 私は覚えている どうしても欲しかった大きな亀を そのお金で買ってしまった うちに帰ると母親に その亀をどうしたの? と、聞かれた 捕まえたと言ったがすぐにバレた おこずかいで買った、また嘘をつく 落ちていた財布の お金を使ったとは言えなかった 亀は元気に歩く 甲羅の端っこにキリで穴をあけ 逃げないように釣り糸を通し縛り 近所を散歩させると 友だちがすげえ、すげえと集まった 拾ったお金で買ったことも忘れ いい気になっていた よくザリガニ釣りをしていた池で 亀を入れて遊ばせようとした 太い釣り糸をつけていたので 引っ張れば亀は戻ってくる、と しかし、小学一年生のやること すぐに釣り糸は引っかかり ぷつんと切れてしまった 呆然と立ちすくみ 一日を振り返っていた 亀がいなくなった残念な気持ちは すぐに打ち消された 悪いことをしてしまった思いが 正気に戻そうとしていたのだろう 自分は良い子だと思っていたけど 初めていけない子になり肩を落とした そして母親に本当のことを告げた それから亀の姿を 見ることは一度もなかった 君はあの時に買った 飛行機のプラモデルを覚えているだろうか
小学一年の時にはもう別格 精密な戦車スーツを着た サラーリーマンをノートに 描いていたのだから みんなが彼の机の周りを囲み すげえ、すげえの大合唱 ただ絵が上手いだけでない 彼の頭の中がいつも愉快で 誰も考えられない場面や状況を 時間があれば描きっ放しなのだから 間違いなく天才だ しかし、彼が学校の先生から 絵を褒められたことはなかった 小学校の六年間で美術展へ 作品が選ばれたことは一度もない 「子どもらしくない絵」 そんな声が大人からは聞こえてきた あれからすでに時は随分と過ぎてしまった 彼はまだ絵を描いているだろうか 才能を認めてくれた大人とは 出会えたのだろうか 絵で世の中を明るくする天才が まだ誰もが知る絵描きに なっていないことが不思議でしかたない 彼の描いた絵より心を揺さぶった 作品に未だ私は出会ったことがない 天才は悲しんではいないはず どうか近い未来に彼がひょっこり 度肝抜く絵をぶら下げて現れ 私たちを楽しませてくれると信じている
冷さの横には僕がいて 奴の力は絶大だ いくら着込んでも 影響して来るんだから たいした奴がいると 体が震えているよ 温かさの君が横に来て 君の存在は絶大だ どんなに冷え込んでも 奴を忘れられるのだから 上には上がいると 顔がほころんでいるよ