《雅羅・/・襍〝備忘録24-32〟❖ ’24-271 ❖》

ノダケ(野竹)     セリ科... ノダケ(野竹)     セリ科( Apiaceae/Unbelliferae)
学名:Angelica decursiva (Miq.) Franch. et Savat.
別名: ゼンコ(前胡)
ノダケは東北以南の湿った草原に... ノダケは東北以南の湿った草原に生育する。
草丈1mを超える大型の多年草。
秋に暗赤紫色の花序をつける。
暗赤紫色花序は、白花が多いセリ科では特異。
ノダケは林縁や湿原の周辺などの湿った草地、
小川のほとりなどに生育することが多い。
香りが強く、民間薬にも利用されている。
花には、昆虫が飛来し、蟻もよく... 花には、昆虫が飛来し、蟻もよく来訪する。
蜜の分泌も盛んなのか。
茎は暗紫色を帯び、縦脈がある。... 茎は暗紫色を帯び、縦脈がある。
葉は3出羽状複葉、小葉基部は翼状で小葉に柄はない。
小葉は長楕円形~長卵形、縁に粗い鋸歯がある。
複散形花序に暗紫色(まれに淡緑色)の花をつける。
花序の柄はほぼ同長で花序が丸くなる。
花序の基部には葉の退化した袋状の葉柄がつき、
蕾のときは帽子をかぶったように見える。
小総苞片は濃紫色、全縁。
果実はやや厚い翼がつき、長さ4~6㎜の扁平な広楕円形。
花弁の白いものはシロバナノダケという。
イワニンジンはノダケより鋸歯がするどく、
ノダケモドキはイワニンジンの1品種である。
シシウド属を詳細に判別するには小総苞片を観察する。
ノダケの小総苞片は紫色、全縁。
イワニンジンの小総苞片は短毛が密生する。
アシタバの小総苞片は全縁又は繊維状に切れ込む。
シシウドは小総苞片が無い。


《 高原の秋花〝野竹〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖  》
**神奈川県植物誌** (5)... **神奈川県植物誌**
(5)ノダケ Angelica decursiva (Miq.) Franch. & Sav. 
ほぼすべての小葉の基部は翼状に流れ,小葉柄はない.
葉の縁はやや透明感のある白(標本では),
花序の直下には葉身の退化した緑色袋状の葉柄がつく.
大散形花序の柄は10数本でほぼ同長(長さ3~5cm),
稜があり,針状毛がある.
多くは花弁,小総苞,小花柄とも濃紫色.
果実は長さ4~6mm,幅3~5mm,
側隆条はやや厚い翼となる.花期は9~10月.
本州(関東地方以西),四国,九州;朝鮮,
中国,東シベリアに分布.
県内では沖積地を除く樹林内や林縁に普通.
花弁の白い品種をシロバナノダケ
form. albiflora (Maxim.) Nakaiといい,
秦野市と二宮町で採集され,
出口(1953 帷子川流域の植物)に横浜市の記録がある.
(6)イワニンジン
Angelica hakonensis Maxim. in Mel. Biol. 9:
257 (1873) の基準産地は箱根

茎や節が竹のように見え、
更に葉の根元のサヤが竹の子の皮のように見える!!
別名のゼンコ(前胡)は漢方の生薬名である由。
古くから薬草として用いられていた。
野草は、観賞用だけではない。
紫を帯びた褐色の花、微笑ましい。


「令和陸年(皇紀2684年)9月27日、記」


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《雅羅・/・襍〝備忘録24-31〟❖ ’24-270 ❖》

サワヒヨドリ(沢鵯) キク科(... サワヒヨドリ(沢鵯) キク科(Asteraceae/Compositae)   
学名:Eupatorium lindleyanum DC. var. lindleyanum
サワヒヨドリは日本全国、東南ア... サワヒヨドリは日本全国、東南アジアに分布。
山間の湿原周辺とかやや湿った草原などに自生。
草茎は直立し、草丈50cm前後になる。
茎の上部の葉は、2枚が対生する事が多いが、
生育の良い個体では1カ所から3枚づつ出て
あわせて6枚の対生とか輪生のように見える。
葉は、長さ6~12㎝、幅1~2㎝の狭長楕円形。
鈍頭、葉の縁に不揃いな低い鋸歯があり、ほぼ無柄。
葉脈は、明瞭で3行脈。葉の両面に曲がった毛が散生。
葉裏には、腺点が密生する。
花は8月から10月にかけて咲く。花色も色々。
淡い紅紫色・色濃いものからぼ白色のものまである。
頭花は5個の小花からなり、密な散房花序となる。
総苞は長さ約5㎜。総苞片は2列。だが変異が多い。
茎などに開出した長毛があるケブカサワヒヨドリ。
毛が多く、葉脈が5行脈であるのは海岸型のハマサワヒヨドリ。
葉の裏の腺点が無いものはホシナシサワヒヨドリ。
葉が3全裂し、6個の輪生様なミツバサワヒヨドリ。
また、ヒヨドリバナとの交雑種は、実に多い。
交雑種はミツバヒヨドリバナと云われている。
ヒヨドリバナに近いもの(ヒヨドリバナのようで3行脈がある。)、
サワヒヨドリに近いもの(サワヒヨドリのようで葉柄が明瞭。)、
ヒヨドリバナに比べて全体に小型で花の色が暗紅紫色を帯びる、
葉形が小型で鋸歯が鈍い点などで区別できるが、
鋸歯が明瞭なものや葉の先端がヒヨドリバナのように尖っている、
中間型も多く、交雑種とされている。
ヒヨドリバナは草丈が高く、ススキ草原に適応した種。
近寄り花を観ると、繊細な踊り姿... 近寄り花を観ると、繊細な踊り姿に見える。
サワヒヨドリは湿原の周辺などに見え草丈は、余り高くならない。
強い日照の下、生育する姿に適応性を観る。



《 高原の秋花〝沢鵯〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖  》
**神奈川県植物誌** (1a... **神奈川県植物誌**
(1a)サワヒヨドリ Eupatorium lindleyanum DC. var. lindleyanum
 高さ 40~80cm.茎は直立し,上部にちじれた毛が多い.
葉は対生,ときに 3 輪生で,披針形,長さ 6~12cm,幅1~2cm,
鈍頭でやや無柄,下面に腺点があり,両面に縮れた毛が多く,
縁にはふぞろいな低い鋸歯がある.
総苞は長さ 4~5mm で小花は 5 個.総苞片は 2 列.痩果は長さ 2.5mm.
北海道,本州,四国,九州;朝鮮,中国,アムール,
ウスリー,フィリッピンに分布.湿った明るい草原にはえる.
ススキ群綱の標微種.
本変種内に次のような品種が区別されているが,
これらが意味のある区別なのか今後の研究課題である.
a.葉の下面に腺点がある
b.葉は分裂しない
c.開出した長毛はない
サワヒヨドリ form. lindleyanum
c.茎などに開出した白い長毛がある
ケブカサワヒヨドリ form. villosissimum Honda, nom. nud.
b.葉は 3 全裂する
ミツバサワヒヨドリ form. trisectifolium (Makino) Hiyama
a.葉の下面に腺点がない
ホシナシサワヒヨドリ form. eglandulosum (Kitam.) Murata & H.Koyama 
葉形をしっかりと覚えないと判別... 葉形をしっかりと覚えないと判別できない。

身近な所では、未だ見つけていない草本。
非公開な場所に自生しているかもしれない!?!


「令和陸年(皇紀2684年)9月26日、記」
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《雅羅・/・襍〝備忘録24-30〟❖ ’24-269 ❖》

タカクマヒキオコシ(高隈引起し... タカクマヒキオコシ(高隈引起し) シソ科 (Lamiaceae /Labiatae)   
学名:Rabdosia shikokiana (Makino) H.Hara var. intermedia (Kudo) H.Hara
タカクマヒキオコシ(高隈引起し... タカクマヒキオコシ(高隈引起し);多年草
山地の林内、林縁、在来種(日本固有種)本州(福島県以西の太平洋)、四国、九州で自生。
低地~山地の木陰や林縁などに生える茎高40~80cmの多年草。
葉は長さ5~13cmの広披針形~長卵形で先は尖り鋸歯がある。
9~10月、上部に総状花序を出し、淡青紫色の小さな花を多数つける。
イヌヤマハッカと酷似しているが、葉裏の中脈は無毛。
花柄や萼に微細な腺毛があり、萼歯の先端が細長くなる。
イヌヤマハッカは箱根二子山(標高1,091m)の山頂付近が基準産地。
ブナ帯の林内、林縁に生え太平洋岸では標高1000m付近以上に分布する。
葉の主脈上には微細な白毛がありイヌヤマハッカに見えるが、
花柄の微細な毛が腺毛であることでタカクマヒキオコシと識別する。
葉表の脈には開出毛があり、採取して時間が経つと曲がる。
葉裏の中脈上には微細な屈毛がある。
屈毛はルーペではほとんどわからず、無毛に見える。
毛の量は変化があり、非常に少ないものもある。
花柄や萼に長さ0.03~0.08㎜の腺毛が密生し、花冠にも腺毛がある。
萼歯の先端は細長い。花冠は最も長いものが9.5㎜である。
茎は4稜形、下向きの毛がある。葉は対生し、葉柄は長さ0.5~3㎝。
葉身は長さ3~10㎝、幅1~3㎝、披針形~広披針形、時に長卵形~卵形。
先は尖り基部は楔形、翼状になり葉柄へと続く。
葉表は無毛~有毛があり、葉裏の中脈は無毛、腺点は不明瞭。
花は茎頂の総状花序に多数つく。
花柄や小花柄には微細な腺毛が密生。苞は長楕円形~広披針形。
萼は微細な腺毛があり、2唇形、萼歯の先端が細長い。
上側の3裂する萼歯の方が下側の萼歯より短い。
花冠は長さ8~10㎜、腺毛があり、青紫色、上唇は浅く4裂し、
班紋はなく、下唇の縁が内巻きになって舟形に突き出す。
雄蕊、雌蕊とも花冠より短くて突き出ない。果実は4分果。
イヌヤマハッカ(Isodon umbrosus)は、
花色は紫、葉は広卵形で先が尖り、上の花びらには縞模様がない。
ヤマハッカは低地の普通種、葉の幅が広く基部は急に細くなり花冠に濃紫色の班点がある。
コウシンヤマハッカはイヌハッカの変種、
カメバヒキオコシのように葉の先が3裂せず、
カメバヒキオコシと同じように葉幅が広く、4㎝以上ある。


《 高原の秋花〝高隈引起し〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖  》
**神奈川県植物誌** (4)... **神奈川県植物誌**
(4)タカクマヒキオコシ Isodon shikokianus (Makino) H.Hara var. intermedius (Kudô) Murata
多年草.茎は高さ 50~80cm.葉柄は長さ 0.5~3cm,葉身は披針形または広披針形,長さ 3~10cm,幅 1~3cm,
下面の中肋は無毛.花は 8~10 月.花冠は長さ 8~10mm で青紫色.
花柄や萼筒部基部付近に微細な腺毛がある.
本州(福島県以西の太平洋側),四国,九州に分布する.
県内では箱根仙石原の湿った樹林内や林縁に生える.
基準変種のミヤマヒキオコシ var. shikokianus は四国の山地に分布する.『神 RDB06』では絶滅危惧Ⅱ類にされた.
(5a)イヌヤマハッカ Isodon umbrosus (Maxim.) H.Hara var. umbrosus; Plectranthus inflexus (Thunb.) Vahl ex Benth. var.
umbrosus Maxim. in Bull. Acad. Imp. Sci. St.Petersb. 20(3): 453 (1875) の基準産地は箱根。
多年草.茎は高さ 60~80cm.葉柄は長さ 0.5~2cm.葉身は長楕円形または披針形,長さ 3~10cm,幅 1~3cm.
上面に軟毛が生え,葉面中肋に曲がった毛が生える.花は 9~10 月.
花柄に開出する毛が密生し,萼筒には微細な短毛とまれに腺毛がある.
花冠は長さ 8~9mm で青紫色.
本州(関東地方西南部~中部地方東南部)に分布する.
県内では箱根,丹沢,小仏山地に分布し,ブナ帯の樹林内や林縁に生える.
白花品はシロバナノイヌヤマハッカform. albiflorus Tuyama in J. Jpn. Bot. 27(11): 340 (1952) といい,
箱根二子山山頂付近が基準産地である.秦野市や山北町で採集されている.
淡紅色品はウスイロイヌヤマハッカ form. lilacinus Asai in J. Jpn. Bot. 42: 201 (1967) といい,
箱根神山付近が基準産地.
葉の形等、よくよく観察しないと... 葉の形等、よくよく観察しないと。慎重にじっくりと観察あるのみ。


「令和陸年(皇紀2684年)9月25日、記」
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《雅羅・/・襍〝備忘録24-29〟❖ ’24-268 ❖》

ツクバトリカブト(筑波鳥兜) ... ツクバトリカブト(筑波鳥兜) キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Aconitum japonicum Thunb. subsp. maritimum
(Tamura et Namba) Kadota var. maritimum 
(A. momosei, A. rectissimum, A. tsukubense)  
ツクバトリカブト(筑波鳥兜);... ツクバトリカブト(筑波鳥兜);
東北地方~関東地方の太平洋側、長野県に自生地がある。
鳥兜の名は、花の形が舞楽用鳳凰の頭を形どった冠に似ており、
筑波山で発見されたのでツクバの名を冠した。
トリカブト類は言わずと知れた全草が猛毒な植物。
特に塊根の毒性が強く、古くは毒矢の材料として利用された。
一方では薬用としても用いられてきた。
変異が大きく、また交雑しやすいので分類が難しい。
関東地方の低地~丘陵地では主に本種が見られる。
北限は青森県南部。
塊根は円錐形~紡錘状円錐形。
栄養繁殖体(子根)を残すが母根は1年で枯れて消失する。
そのことで、擬似1年草といわれている。
茎は草原では直立、林縁では斜上... 茎は草原では直立、林縁では斜上または先端部が曲がり高さ0.6-1.5mになる。
茎は下部を除いて屈毛がある。
葉は互生、中部の茎葉はやや厚く、長さ幅とも9-20cmで3全~深裂。
側裂片はさらに2中裂するがしばしば2深裂する。
それ故、初めから5裂しているように見えるものもある。
各裂片には浅裂状の粗い鋸歯があり、
鋸歯は長楕円状卵形で鋭頭またはやや鈍頭。
両面と葉柄に屈毛がある。
花序は散房状で花柄に屈毛があり、花は上から咲いていく。
花は青紫色、長さ3-4cmで外面に屈毛がある。
萼片は5個あって花弁状。頂萼片は僧帽形で嘴はやや短い。
2個の側萼片はほぼ円形~倒卵形、2個の下萼片は楕円形~長楕円形。
花弁は2個で頂萼片の内側に隠れ、身部の中程で長い柄につきイの字形になる。
柄の付着点より先は距となって蜜を出す。距は短く太い。
雄蕊は開出毛があって多数。雌蕊は5-4個で無毛。
果実は袋果で花柱は果時にも残る。
種子は多数で鱗片状の横ひだがある。花期:8-10月


《 里緑地(里山)の秋花〝筑波鳥兜〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖  》
**神奈川県植物誌** (3b... **神奈川県植物誌**
(3b)ツクバトリカブト Aconitum japonicum Thunb. subsp. maritimum (Tamura & Namba) Kadota
茎は直立または斜上する.葉は輪郭が 5 角形,3 全裂~3 深裂し,
左右裂片の欠刻が深いため葉身が 5 裂したかのように見えるものもある.
葉形の変異の幅は広いが,ヤマトリカブトと比較すると,
鋸歯は粗く,鋸歯先端の突出が顕著な傾向にある.
花柄には全面に粗面屈毛が生える.
花冠のかぶとは僧帽形,嘴が長い.
雌しべは無毛,稀に粗面屈毛が背軸側にまばらに生える.
雄しべはふつう粗面開出毛が密生するが,ときに無毛となる.
本州(関東地方~中部地方)に分布.
県内では主として東部の海寄りの丘陵地に分布する.
神奈川県が分布の南限にあたる.

里山緑地や山間林縁の明るい草地に生える多年草で日本固有種。
トリカブトと言うのはトリカブト属の総称。
名の由来の鳥兜とは、
神社祭礼にあるサルタヒコノミコト(猿田彦命)が被っている頭巾。
又、全草猛毒と言えば、食中毒。
植物での食中毒、危険度ではイヌサフラン(コルチカム)が一番。
スイセン(水仙)も毒性が強い。
横須賀市追浜の鷹取山は、ツクバ... 横須賀市追浜の鷹取山は、ツクバトリカブトの観察場所。
思い出すと親たちとニリンソウを食材として摘みに行った。
そんなおりトリカブトの若葉との見分け方を教わった。
ニリンソウは白い花を付ける。白い花を確認して摘む、と。


「令和陸年(皇紀2684年)9月24日、記」
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《雅羅・/・襍〝備忘録24-28〟❖ ’24-267 ❖》

フクオウソウ(福王草) キク科... フクオウソウ(福王草) キク科(Asteraceae)    
学名:Nabalus acerifolius Maxim. 

本州~九州に自生。山地の薄暗い林内に生える。
和名は三重県の福王山で発見された事に由来。
茎や萼、全体に腺毛がある。葉は互生、翼があり長い柄につく。
葉は長さ幅とも6~10㎝、掌状に3~7裂し、基部は心形。
細長い花序の花柄の先にまばらに頭花を下向きにつける。
頭花は長さ約2㎝、幅1~1.5㎝、9~13個の舌状花が集まる。
舌状花は紫白色、灰色の縦線模様がある。
総苞は長さ約10㎜の細い筒形。痩果は無毛。
冠毛は鈍い白色~褐色を帯びる。
晩夏の頃から初秋に、山地の林下... 晩夏の頃から初秋に、山地の林下で時々出会う花。
花が目を引くので根元にある葉に目が行かないが、
大きく切れ込んだ形、葉も中々にみごたえがある。
花弁の倍近い長く伸びた雄蕊は特... 花弁の倍近い長く伸びた雄蕊は特徴的である。



《 里緑地(里山)の秋花〝福王草〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖  》
**神奈川県植物誌** 24.... **神奈川県植物誌**
24.フクオウソウ属 Nabalus Cass.
(支倉千賀子,『神植誌 01』:浜口哲一,図:浜口哲一)
 多年草.葉は柄があって互生し,しばしば柄に翼をもつ.
直立した茎の先に円錐形の花序をつけ,
横向きか下向きに多数の頭花をつける.
痩果はやや偏平な円柱形で,先は狭まらず切形に終わる.
染色体基本数 x=8.東アジアと北アメリカに約 15 種,
日本には 2 種が分布し,ともに県内に産する.
従来はフクオウソウ属 Prenanthes L. とされてきたが,
近年の分子系統学的な研究により複数の属に分離され,
日本産の 2 種はフクオウソウ属 Nabalus とされた.
A.葉は茎の下部に集まってつき,掌状に 5~7 裂する.頭花は紫白色
(1)フクオウソウ
A.葉は花時には茎の中上部につき,切れ込みのある 3 角形.
頭花は淡黄色.
(2)オオニガナ
(1)フクオウソウ Nabalus acerifolius Maxim.; Prenanthes acerifolia (Maxim.) Matsum.
 多年草.下部につく大型の葉には翼のある柄があり,走出枝を出す.
茎や総苞には,ふつう開出する腺毛が生える.
8~9 月に径 1.5cm の頭花を多数,円錐花序につけ,頭花はやや下垂する.
痩果は円柱形で長さ約 5mm.本州,四国,九州に分布する.
山地の林内に生える.
県内では丹沢,箱根,小仏山地のおもにブナ帯に分布し,普通に見られ
る.
諏訪編(1983 座間市の植物 : 87)に座間村産の標本写真(1934.8.24 金井茂)が掲載されており,
平地の記録としては特記すべきものであろう.
茎と総苞に腺毛を欠くものはフクオウニガナ P. acerifolia form. nipponica (Franch. & Sav.)
Matsum. & Koidz. といい.その基礎異名の N. nipponicus Franch. & Sav., Enum. Pl. Jap., 2(2):
420 (1878) の基準産地の 1 つは箱根街道沿い.
県内ではこの型は稀で『神植誌 88』以降の調査では採集されていない.葉が分裂しないものはマル
バフクオウソウ P. acerifolia form. heterophylla Matsum. & Koidz. というが,
本調査では記録されなかった.
(2)オオニガナ Nabalus tanakae Franch. & Sav. ex Y.Tanaka & Ono;
Prenanthes tanakae (Franch. & Sav. ex Y.T
*      *      *
東日本大震災の被災地を訪ねたおり、北茨木市郊外で出会った野草。
人知れず楚々と咲いていた姿に寂しさを感じたが、これが自然。


「令和陸年(皇紀2684年)9月23日、記」


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《雅羅・/・襍〝備忘録24-27〟❖ ’24-266 ❖》

オクモミジハグマ(奥紅葉白熊)... オクモミジハグマ(奥紅葉白熊) キク科(Asteraceae)
学名:Ainsliaea acerifolia Sch. Bip. var. subapoda Nakai
オクモミジハグマ(奥紅葉白熊)... オクモミジハグマ(奥紅葉白熊);モミジハグマ属
本州、九州(北部)の山地~深山の林床・林縁などに生える。
茎高40~80cmの多年草。茎には、長毛がまばらに生える。
葉は4〜7個が茎の中部にやや輪生状につき、腎心形または円心形。
長さ5〜13cmの長い柄があり、掌状に浅裂する。
縁には鋸歯があり両面にまばらに軟毛をつける。
茎は枝分かれせず、先に穂状に頭花をつける。
葉は茎の中央部に集まって互生する。
下の葉ほど葉柄は長く、葉柄の基部は赤味を帯びる。
葉は、4枚前後が茎の中部にやや輪生状につき、
軟毛のある長さ5〜13cmの長い柄があり、
腎心形または円心形で長さ6〜12cm、幅6〜18cm、
掌状に浅裂し、質は薄く、縁には鋸歯があり、
両面にまばらに軟毛をつける。楕円形の大きな蕾。
総苞片が鱗状に重なり合っていて目立つ。
花は他のキク科の多くの花と同様に、
初めは雄性期で後に雌性期になる。
開花直後、雌蕊は、筒状の雄蕊の中に隠れている。
突き出た雄蕊だけが見えている花が雄性期で、
雄蕊の先から2つに裂けた柱頭が見えている花が雌性期。
花の構造は木本のコウヤボウキに似る。
頭花は多数が穂状につき、花時には横向きとなり、
花柄は長さ2mmほど、小さい苞がある。
小花は3個あり、花冠は白色でふつう5裂し、左右相称。
総苞は筒形で長さ1.2〜1.5cm、総苞片は多列に並び、乾いた膜質。
外片は広卵形でごく短く、内片は長楕円形で長く幅2〜3mm。
花期は8〜10月。 モミジハグ... 花期は8〜10月。
モミジハグマは近畿地方以西に分布、葉が掌状に深く5~7裂する。
テイショウソウは、本州(千葉県以西~近畿地方)四国に分布する。
葉は長さ10~15㎝、長楕円形~鉾形、心脚、
表面に淡色の班紋が入り、波状の鋸歯縁。葉柄は短い。




《 里緑地(里山)の秋花〝深山鶉〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖  》
**神奈川県植物誌** 4.モ... **神奈川県植物誌**
4.モミジハグマ属 Ainsliaea DC.
(佐々木あや子,『神植誌 01』:大場達之,図:佐々木あや子)
多年草.
葉は根生してロゼット状または,茎の下部から中部に輪生状につき.長い柄がある.
頭花は総状,穂状,円錐状につく.頭花は3個の筒状花から成り,ときに閉鎖花になる.
総苞は細い筒状で,総苞片は多列.花冠は5裂して,裂片は反り返る.
痩果は縦肋があり,1 列の羽毛状の冠毛がある.
東アジアと東南アジアに約 50 種があり,日本に約 8 種,県内に 3 種がある.
A.葉柄は葉身より長い
B.茎は高さ 40~80cm.葉は腎形で掌状に浅く裂け,長さ 6~12cm
(1)オクモミジハグマ
B.茎は高さ 10~25cm.葉は 5 角形で長さ 1~3cm
(2)キッコウハグマ
A.葉柄は葉身より短い.葉は長楕円形で心脚
(3)テイショウソウ
(1)オクモミジハグマ Ainsliaea acerifolia Sch.Bip. var. subapoda Nakai
 頭花は穂状につき,短い柄があって,横向に咲く.
痩果は長さ 9.5mm,冠毛は長さ 10mm.
本州,九州(北部);朝鮮,中国に分布.
ブナ帯下部~ブナ帯の夏緑林の林床に生え,稀にシイ・カシ帯に見られる.

オクモミジハグマは,西日本に見えるモミジハグマが基本種と云われるが、
二種間をはっきりと識別できないでいる。
身近(平地)で見れないだけに最近は、自生地を訪れていない。
県内自生地が保存されていることを祈りたい。


「令和陸年(皇紀2684年)9月22日、記」


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《雅羅・/・襍〝備忘録24-26〟❖ ’24-265 ❖》

ミヤマウズラ(深山鶉) ラン科... ミヤマウズラ(深山鶉) ラン科(Orchidaceae)
学名:Goodyera schlechtendaliana Reichb. fil.
ミヤマウズラ(深山鶉); 北海... ミヤマウズラ(深山鶉);
北海道(中部)、本州、四国、九州、屋久島に分布。
谷沿い、丘陵地~山地の林床などに生える。
草丈20cm程の常緑多年草の在来種。
茎は地を這い節ごとに根を出し途中から立ち上がる。
地面近くに常緑の葉を約5枚つける。
葉は互生。長さ3~5cmの先の尖った卵形。
葉脈に沿って白色の斑が入るが、模様は色々。
葉裏は模様が目立たない淡緑色。
花茎の上部に穂状に5~10個、片側に向いて咲く。
薄い淡紅色を帯びた1cm程の花。
花柄には細かい毛が密生している。
名前の由来は、深山にありそうなので「ミヤマ」。
「ウズラ」は、葉がウズラ斑紋に似ている事から。
葉に白班がないものをフナシミヤマウズラという。
同属のシュスランは葉の表面がビロード状で光沢があり、
主脈に沿う1本の白線の帯が目立つ。

花構造。 ** 以上の画像は借... 花構造。
** 以上の画像は借り物 **



《 里緑地(里山)の秋花〝深山鶉〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖  》
**神奈川県植物誌** シュス... **神奈川県植物誌**
シュスラン属 Goodyera R.Br.(三樹和博,『神植誌 01』:秋山守・佐宗盈,図:秋山守)
地上生,稀に着生.茎は通常基部が長くはって,各節から 1 本の根を出す.
葉は卵形~披針形で柄があり互生する.
花はやや小型で総状につき,花柄と子房に毛がある.
苞は花被片より短い.
萼片は同形で,背萼片は直立し,側花弁とともにかぶと状になる.
唇弁は全縁で先は尖り基部内面に多くは毛がある.
柱頭は短く,小嘴体は直立し付属体がない.
花粉塊は 2 個.ヨーロッパ,アジア,北アメリカに約 100 種が知られ,
日本には 14 種が分布し,県内には 6 種が自生する.
A.花は密に多数(15~50 個)つき,
  萼片は長さ 3~4mm,唇弁の内面は平滑
B.樹幹や岩に着生し,茎は下垂する
(1)ツリシュスラン
B.地生し,茎は直立する
(2)ハチジョウシュスラン
A.花はまばらに少数(1~12 個)つき,萼片は長さ 4~30mm,
唇弁の内面は有毛.地上生で茎の基部は地表をはう
B.花序の柄は短いか,または無柄
C.花は筒状で 1~3 個,長さ 20mm 以上.
葉は広卵形で,主脈を中心に白斑がある
(3)ベニシュスラン
C.花は鐘状で 3~7 個,長さ 15mm 以下.
葉は卵形で,主脈は,はっきりしているが白斑はない
(4)アケボノシュスラン
B.花序の柄は長い
C.花は白色または淡紅色,長さ 10~12mm,
葉の上面は青緑色で,しばしば網目状の白斑があり,下面は淡緑色
(5)ミヤマウズラ Goodyera schlechtendaliana Rchb.f.
 常緑性.茎は高さ 10~25cm.
葉は広卵形~披針形で茎の基部に数枚集まり,やや肉質.
花期は 8~9 月.花は花序柄の上半部に偏側的に 7~12 個つけ,
苞は膜質で披針形.花序柄,花序,子房,萼片には縮毛がある.
萼片は狭卵形.側花弁は広倒披針形,
背萼片の内側に接し先端内側に黄褐色の斑点がある.
唇弁は卵形で基部が膨らみ,内面に毛がある.
小嘴体は細長く 2 裂する.蒴果は楕円形.
北海道(中部以南),本州,四国,九州;朝鮮,中国に分布する.
おもに常緑樹林の林床に生える.
県内では丹沢,小仏山地,三浦半島などの地域に点在し,生育適用範囲は広く普通.
葉に白斑のないものをフナシミヤマウズラ
form. similis (Blume) Makino といい秦野市蓑毛で記録された. 
(6)シュスラン Goodyera velutina Maxim.
 常緑性.茎は赤味をおび高さ 10~15cm.葉は長卵形で先は尖り 4~5 枚つける.
花期は 8~10 月.花は花序柄の上部にやや偏側的に 4~15 個をつけ半開性.
苞は線状披針形.花序軸,子房に白短毛がある.
萼片は狭卵形.側花弁は広披針形で背萼片と合着する.
唇弁は卵形で基部は膨らみ,内面に毛がある.
ずい柱は短く,小嘴体は細長く2 裂する.蒴果は卵形.
本州(千葉県以西),四国,九州,琉球;朝鮮(南部),中国,台湾に分布する.
常緑広葉樹林の林床に生える.
県内では箱根山麓,三浦半島のシイ,タブノキ,マテバシイなどの樹林内に生えるが稀.
『神RDB06』では絶滅危惧ⅠA 類とされた.
ヒメミヤマウズラ Goodyera repens (L.) R.Br.
『神植目 33,神植誌 58』に箱根を記録しているが,標本は確認していない.
『神 RDB95』では絶滅とされたが,『神RDB06』では消息不明種とされた.
雑種
1)ミヤマウズラ×シュスラン Goodyera ×tamnaensis N.S.Lee, K.S.Lee, S.H.Yeau & C.S.Lee
ミヤマウズラとシュスランの交雑種と推定される.
ミヤマウズラに比べ大型で葉の白斑は見られない.
花も大きくやや離れてつき平開することはない.
花期はミヤマウズラに比して半月以上遅い.
2010 年に韓国済州島産のものをタイプに記載された.
また,未記載だが関東南部~三重県に点在するとされているオオミヤマウズラ Goodyerasp.
(愛知県環境調査センター編 2009 レッドデータブックあいち 植物編 ;
愛知県 2015 レッドリストあいち 2015)や,園芸的に栽培されるガクナン(俗称)などが
これに類似または同一の可能性があるが標本は未確認.
相模原市緑区城山で採集された(秋山 2010 FK (71): 862-863).
標本:相模原市緑区 2010.10.23 永井充 SCM044376.
文献: Lee, C.S., S.H. Yeau, K.S. Lee and N.S. Lee, 2010. A New Taxon of Goodyera (Orchidaceae): G. ×tamnaensis.
Korean Journal of Plant Taxonomy, 40(4): 251-254. 
*      *      *
ミヤマウズラ(深山鶉);
“北海道中部~九州のやや湿った林床の緩傾斜地などに生育する。”
図鑑等の解説文だが、様々な環境に自生してるのを観てきた。
「深山」と名付いているが、むしろ標高の低い場所でよく見られる。

「令和陸年(皇紀2684年)9月21日、記」
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《雅羅・/・襍〝備忘録24-25〟❖ ’24-264 ❖》

タチフウロ(立風露)   フウ... タチフウロ(立風露)   フウロソウ科(Geraniaceae)
学名:Geranium krameri Franch. et Savat.
タチフウロ(立風露); タチフ... タチフウロ(立風露);
タチフウロは、山地の草地・林縁に生える多年草。
中部地方~東北地方、四国、九州に分布。茎高30~70cm。
茎や葉柄に下向きの毛がある。根茎は垂直、直径5~12mm。
疣状(イボ)突起はない(節から根を出さない)。
長く肥厚した根が束生する。後ろ向きの伏毛か開出毛がある。
根生葉は花時にも少し残り、長い葉柄がある。
茎生葉には葉柄はほとんどない。
葉は対生し掌状に5~7裂、 裂片は更に細裂し、
表面や裏面脈状に粗毛がある。
 茎の上部や枝先から長い花序柄を立ち上げ、
先端に2個の5弁花を咲かせる。
花弁は淡紅紫色で濃紅紫色の脈が入り基部には白毛がある。
雌蕊の先は5裂する。雄蕊は10個。
タチフウロの花を観察してると、
雌蕊の先が閉じ柱頭先の花粉が付く面を見せていない状態で
雄蕊が先に成熟している雄花状態のもの。
雌蕊柱頭が5裂し花粉を受ける面を開き雄蕊が落ちた雌花状態。
色々な状態のものがあり、しっかりと観察しないといけない。
同属の似た種類も覚えていないといけないだろう。
* アサマフウロは花が大きく、花弁の色が濃い。
* ハクサンフウロは花弁の幅がやや狭いことが多く、
  脈の色がやや薄い。
*イブキフウロはエゾフウロの変種であり、
 花弁の先が3浅裂する。
タチフロウの葉、見ごたえある。... タチフロウの葉、見ごたえある。

* 以上の画像は、借り物 *


《 里緑地(里山)の秋花〝立風露〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖  》
**神奈川県植物誌** タチフ... **神奈川県植物誌**
タチフウロ Geranium krameri Franch. & Sav.;
G. japonicum Franch. & Sav., Enum. Pl. 2: 305 (1878) の基準産地は箱根
多年草.茎はほかの植物によりかかるように立ち上がり
高さ 70~80cm に達する.葉は対生しふつう 5~7 深裂するが,
上部の葉はしばしば 3 裂.
8~9 月に紅紫色の径 3cm 弱の大型の花をつける.
本州,四国,九州;朝鮮,中国東北部にかけて分布する.
丘陵地から山地の草地に生える.
県内では箱根や丹沢などの山麓部,
多摩丘陵の一部などに局地的に分布するが少ない.
『神 RDB06』では絶滅危惧ⅠB 類とされた.

若い頃、霧ヶ峰や車山高原で観た花。
この花が見え始め、暫くすると秋風が吹き始める。

「令和陸年(皇紀2684年)9月20日、記」


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《雅羅・/・襍〝里緑地の花Ⅶ〟❖ ’24-263 ❖》

シロバナサクラタデ(白花桜蓼)... シロバナサクラタデ(白花桜蓼)タデ科(Polygonaceae)
学名:Persicaria japonica (Meisn.) Nakai
synonym Persicaria sterilis (Nakai) Nakai et Ohki
別名:コサクラタデ、ヒメサクラタデ
花はサクラタデPersicar... 花はサクラタデPersicaria odorata (Lour.) Sojak subsp. conspicuaに良く似ているが、
小さく真っ白で、桜蓼より花序枝が多く先が垂れ下がる事が多い。
花序の節当りの花数が2~3個なら桜蓼、4~6個なら白花桜蓼。
白花桜蓼は、痩果に光沢がある。
多年草、根茎が水平。茎は直立、茎高50~100㎝になり無毛。
時にまばらに小剛毛があり茎は高く枝分かれ節が膨らむものがある。
葉柄は短いか又は無柄に近い。葉身は披針形で長さ7~15㎝×幅1~2㎝。
葉は、薄革質で先は尖鋭形、基部は楔形。
葉縁付近や脈上に伏毛があり毛長は0.7㎜以下、下面に腺点がある。
托葉鞘は、筒形で濃褐色。長さ10~18㎜で膜質。
伏せ剛毛があり先は切形、縁毛は長さ1~1.2㎝。
花序は1~5本に分枝し細長く先が垂れ下がることが多い。
花序柄が長く、小苞の先に毛がある。
花被は長さ3~4㎜、白色、5裂まれに4裂し、腺点がある。
花は雌雄異株ではなく、異形花柱性(平塚・中尾 1996)、
短花柱花と長花柱花の2形がある。
短花柱花は雌蕊の長さ約2.4㎜、雄蕊の長さ4.3㎜、雄蕊が花被より突き出る。
長花柱花は雌蕊の長さ約4.3㎜、雄蕊の長さ約2.4㎜、雌蕊が花被から突き出る。
雄蕊は6個まれに7~8個。花柱は2、稀に3分岐する。
痩果は長さ約2.5㎜、レンズ形が多く、3稜形が混じり、黒色、光沢がある。
サクラタデは花被が長さ5~6㎜と大きく、淡紅色、花被が深裂する。
又、痩果は3稜形のみで光沢が少ない。ボントクタデは花が小さく花序も細い。
シロバナサクラタデと花や托葉鞘がほとんど同じであり葉が被針形でない。
花はサクラタデPersicaria odorata (Lour.) Sojak subsp. conspicuaに良く似ているが、
小さく真っ白で、桜蓼より花序枝が多く先が垂れ下がる事が多い。
花序の節当りの花数が2~3個なら桜蓼、4~6個なら白花桜蓼。
白花桜蓼は、痩果に光沢がある。
多年草、根茎が水平。茎は直立、茎高50~100㎝になり無毛。
時にまばらに小剛毛があり茎は高く枝分かれ節が膨らむものがある。
葉柄は短いか又は無柄に近い。葉身は披針形で長さ7~15㎝×幅1~2㎝。
葉は、薄革質で先は尖鋭形、基部は楔形。
葉縁付近や脈上に伏毛があり毛長は0.7㎜以下、下面に腺点がある。
托葉鞘は、筒形で濃褐色。長さ10~18㎜で膜質。
伏せ剛毛があり先は切形、縁毛は長さ1~1.2㎝。
花序は1~5本に分枝し細長く先が垂れ下がることが多い。
花序柄が長く、小苞の先に毛がある。
花被は長さ3~4㎜、白色、5裂まれに4裂し、腺点がある。
花は雌雄異株ではなく、異形花柱性(平塚・中尾 1996)、
短花柱花と長花柱花の2形がある。
短花柱花は雌蕊の長さ約2.4㎜、雄蕊の長さ4.3㎜、雄蕊が花被より突き出る。
長花柱花は雌蕊の長さ約4.3㎜、雄蕊の長さ約2.4㎜、雌蕊が花被から突き出る。
雄蕊は6個まれに7~8個。花柱は2、稀に3分岐する。
痩果は長さ約2.5㎜、レンズ形が多く、3稜形が混じり、黒色、光沢がある。
サクラタデは花被が長さ5~6㎜と大きく、淡紅色、花被が深裂する。
又、痩果は3稜形のみで光沢が少ない。ボントクタデは花が小さく花序も細い。
シロバナサクラタデと花や托葉鞘がほとんど同じであり葉が被針形でない。


*神奈川県植物誌* サクラタデ... *神奈川県植物誌*

サクラタデ Persicaria odorata (Lour.) Soják subsp. conspicua (Nakai) Yonek.;
P. conspicua (Nakai) Nakai ex Ohki
多年草.根茎は長く地中をはい節から根をだす.茎は高さ 50~100cm になり,
葉は披針形で,長さ 5~12cm,幅 1~2cm,先は鋭尖形,
基部はくさび形になり,両面の中脈と葉縁にやや硬い毛がある.
茎は節がふくらみ,托葉鞘は褐色で,長さ 7~15mm,縁毛は長さ 4~7mm.
花期は 8~10 月.花序枝は 1~3 本で 2 本のものが多い.
花被は淡紅色で深く 5 裂,長さ 5~6mm で,腺点がある.
シロバナサクラタデとともに,雌雄異株とされていたが,
異型花柱性で長花柱花をつける株と短花柱花をつける株があり,
両者が混生しないと結実しない(平塚・中尾 1996 植研 71: 98-104).
花柱は 3 裂.果実は 3 稜形で長さ約 3mm,黒色で先端が尖る.
本州(関東地方以西),四国,九州,琉球;朝鮮に分布.
湿地や小川沿いに生える.
白花品をシロバナハナサクラタデ form. albiflora (Hiyama) Yonek. といい,
P. conspicua form.albiflora Hiyama in J. Jpn. Bot.,
37: 29 (1962) の基準産地は横須賀市浦賀付近(1936 牧野富太郎).
『神植誌 88』では,花の長さ 3~4mm,果実の長さ 2~2.5mm と,
サクラタデより小さいものを,ヒメサクラタデ
P. japonica (Meisen) H.Gross var. micranthum (Nakai) Sugim.
としたが,花の大きさには中間を含めて変異があり,区別できない.
(19)シロバナサクラタデ Persicaria japonica (Meisn.) Nakai ex Ohki
 多年草.茎は 60~100cm になり節はふくれる.葉は披針形で鋭尖頭,
基部はくさび形となり,長さ 7~16cm,幅 1~2cm,脈上や葉縁に伏毛がある.
托葉鞘は長さ 10~18mm,縁毛は約 10mm.花期 8~10 月.
花は白色で総状花序につき,
花序枝は 1~5 本で,4 本のものが多く.サクラタデの花序より多い.
花被は 5 裂して長さ 3~4mm,腺点がある.
異型花柱性で,長花柱花では雌しべが雄しべより長く,短花柱花では逆になる.
花柱は 2~3 裂するものがあって,
果実はレンズ形と 3 稜形があり,黒色で,サクラタデより光沢が強い.
短花柱花をつける株の方が多く見られる.
北海道,本州,四国,九州,琉球に分布.
県内では沖積地から丘陵地にかけて,湿地や休耕田で見られる.
神奈川県内に自生しているシロバ... 神奈川県内に自生しているシロバナサクラタデの場所。
未だに自生しているところは、多い。但し、2018年前のこと。
現在(2014年)はどうだろう・・・自生地??



《 泉の森・こもれび広場〝白花桜蓼〟 ❖ 2024/9月上旬 ❖ 》
泉の森にある水車小屋。その脇に... 泉の森にある水車小屋。その脇にある湿地にシロバナサクラタデが静かに自生している。
結構群生かしているが、ボランテイアの人々が管理努力されている。
植物と人間の共生、そのあり方を見せてくれてる。
少し離れたところからでないと見... 少し離れたところからでないと見れないが、可愛い花だ。
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《雅羅・/・襍〝里緑地の花Ⅵ〟❖ ’24-262 ❖》

イボクサ(疣草) ツユクサ科(... イボクサ(疣草) ツユクサ科(Commelinaceae)
学名:Murdannia keisak (Hassk.) Hand.-Mazz.
Aneilema keisak (Hassk.) Hand.-Mazz
イボクサ(疣草); 水田でよく... イボクサ(疣草);
水田でよく見られる野草。在来種 本州、四国、九州、沖縄に分布。
和名の由来は葉の汁をつけるとイボがとれることから。
茎は赤味を帯び片側に毛条があり... 茎は赤味を帯び片側に毛条があり、よく分枝し下部は地を這い上部が斜上する。
葉は長さ3~7㎝幅5~10㎜の狭披針形で、ツユクサより狭く葉の数も少ない。
葉の基部は鞘状になる。
花は直径約13㎜、茎頂に1個ず... 花は直径約13㎜、茎頂に1個ずつつく。
内花被片(花弁)は3個長さ5~8㎜の白色で先が淡紅色。
外花被片(萼片)も3個、長さ5~6㎜で緑色、
周囲が上へ曲がり内側が窪み外面の先に毛がある。


《 畦地の秋花〝疣草〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖  》
雄蕊6個、うち紫色の3個は仮雄ずい。葯は青色。
花は1日でしぼみ、花後に外花被が大きくなって蒴果を包む。
蒴果は長さ8~10㎜の楕円形、3室に分かれ、熟すと裂開する。
種子は長さ2~3㎜、各室1~2個。
*     *     *
イボクサ(疣草)、稲刈り間近の水を抜かれた田圃によく出てくる。
水稲(すいとう)農家から見ると邪魔もので駆除対象。
稲刈り前に駆除作業が行われるので、余り目にすることはない。
田圃や農業用水路にイボクサ(疣草)を以前見た事がある。
野草としてみると可愛いものである。一日花!!らしい。
観察するのは昼間。休耕田に見ることができる。

「令和陸年(皇紀2684年)9月18日、記」
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