本日は<ファズラー・ラーマン・カーン>生誕90周年
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彼は、イギリス領時代のダッカ(現在のバングラデシュの首都)に生まれます。ダッカ大学で土木工学を学び、奨学金を得て、1952年に渡米。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校で3年間、構造工学を学び、1955年より建築技術者としてのキャリアをスタートさせます。
シカゴに本社を置く、アメリカの大手建築事務所「スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル(SOM)」に入社し、様々な高層ビルを手がけて行きます。
1969年に完成したシカゴの「ジョン・ハンコック・センター」の設計、1973年に完成した「シアーズ・タワー(現 ウィリス・タワー)」の設計で世界的にも有名になりました。
「ジョン・ハンコック・センター(最頂部:457.2m)」は完成時、アメリカで2番目の高さ、「シアーズ・タワー(最頂部:527.3m)」は完成時、アメリカで1番高いビルでした。
「シアーズ・タワー」は現在でも「1(ワン)ワールドトレードセンター(最頂部:541.3m)」(2014年11月3日開業)に続くアメリカで2番目の高さのビルです。
彼は、高層ビルの設計・建設には、強度のある「剛」の構造だけではなく、地震や風に対応する「柔」の構造も必要だとして、「チューブ構造」の建築技術を生み出しました。
チューブ構造とは、ビルの外側にフレームで筒状の構造体をつくり、全体をつるして支える仕組みです。建物を支える構造体を隠さずそのままデザインに取り込んだことでも、注目を集め、チューブ構造は、現在も高層ビルの建築に欠かせない技術となっています。
ちなみに「1ワールドトレードセンター」の設計は、彼の所属した「スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル(SOM)」が手がけています。
その他、日本の「東京ミッドタウン」(2007年3月30日開業)や、アラブ首長国連邦ドバイにある世界一高いビル「ブルジュ・ハリファ(最頂部:828.9m)」(2010年1月4日開業)もSOMの設計です。