『霧の中の少女』@<ドナート・カリシ>監督
Jan
26
物語の舞台は、クリスマスシーズンに妖しい霧が立ちこめる田舎町アヴェショー。ある日、地元の純真な少女「アンナ・ルー」が自宅から教会に向かう途中で、こつ然と姿を消してしまいます。都会からやってきた「ヴォーゲル」警部は、目撃情報も物証も一切ない失踪を誘拐事件だと断定。メディアを操りセンセーションを巻き起こしながら、犯罪者をあぶり出すという独特の捜査を展開します。やがて「ヴォーゲル」は捜査線上に浮かび上がった「マルティーニ」教授を容疑者として追いつめますが、正体不明の連続誘拐魔「霧の男」に関する情報が新たにもたらされ、「ヴォーゲル」の完璧な捜査は根底から覆されていきます。
『グレート・ビューティー 追憶のローマ』(2013年) ・ 『LORO 欲望のイタリア』 (2019年)など名匠<パオロ・ソレンティーノ>とのタッグ作で知られ、「イタリアの至宝」とも呼ばれる<トニ・セルビッロ>が演じるのは、カリスマ性と威厳を兼ね備えた型破りな捜査官「ヴォーゲル」。『レオン(1994)』 ・ 『ダ・ヴィンチ・コード』(2006年)で知られるフランスの名優<ジャン・レノ>、『カラヴァッジョ 天才画家の光と影』(2007年)の<アレッシオ・ボーニ>が共演しています。
本作で映画監督デビューを果たし、<ダスティン・ホフマン>と<トニ・セルビッロ>の共演作『Into the Labyrinth』が待機する<ドナート・カリシ>監督は、犯罪学と行動科学を研究し、大学で連続殺人犯をテーマに卒業論文を執筆した経歴を持ちます。スリラーに不可欠な要素を「数多くのどんでん返しと謎、独特の感情、サスペンス」だと明かし、謎が張りめぐらされた巧妙なストーリーにのせ、ごく普通の人間の心の巣食う「平凡な悪」という主題を探求しています。