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- 『Calamity(カラミティ)』@<レミ・シャイエ>監督
今年で60周年を迎えた『アヌシー国際アニメーション映画祭』。カンヌ国際映画祭から1960年に独立し、アニメーション映画祭としては世界最大にして最も歴史の古い同映画祭で、フランス南東部のアヌシーで開催されてきましたが、今年は新型コロナウイルスの影響によりオンライン開催となりました。そんな中、現地時間20日に各賞が発表され、長編アニメーション部門 グランプリにあたるクリスタル賞を <レミ・シャイエ>監督の新作『Calamity(カラミティ)』 が受賞しています。
『カラミティ(仮題)』は、前作 『ロング・ウェイ・ノース』 と同じ制作スタジオで、主要メンバーも再集結され、今年春に完成したばかりの新作で、アニメーションの最高峰の映画祭であるアヌシー国際映画祭にてコンペティション作品(10作品)に選定。「あたかも美しい絵画をみているようだ」と高く評価されているその手法は、本作でさらに磨きがかけられ、栄えあるクリスタル賞受賞となっています。アヌシーがワールド・プレミア上映の場となり、本国フランスで年内公開を予定。各国映画祭を巡回し、日本でも2021年に公開予定となっています(日本語吹き替え版も制作される予定です)。
内容は、西部開拓史上、初の女性ガンマンと知られる「マーサ・ジェーン・キャナリー」の子ども時代(12歳)を描いたもの。「マーサ」は家族とともに大規模なコンボイ(旅団)で西に向けて旅を続けていますが、旅の途中、父親が暴れ馬で負傷し、「マーサ」が家長として幼い兄弟を含め、家族を守らなければならない立場になってしまいます。
普通の少女であった「マーサ」は、乗馬も、馬車の運転も経験なし。そんな「マーサ」は、少女であることの制約に苛立ち、家族の世話をする義務をよりよく果たすために少年として服を着ることを決心します。女性は女性らしくという時代にあって、「マーサ」の生き方は、古い慣習を大事にする旅団の面々と軋轢を生み、さらに盗みの疑いまでかけられて、旅団から追放されてしまいます。
北極への旅に出て船が行方不明になった祖父を見つけるために乗り出す14歳のロシア人の少女が主人公だった『ロング・ウェイ・ノース』と同様に、『カラミティ(仮題)』も大胆かつ勇気のある女性ヒーローの成長譚です。主人公の少女は周りの大人たちに影響を与え、その大人たちもいつしか少女とともに成長する、老若男女あらゆる世代にアピールする物語となっています。
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