今年の読書(55)『反=恋愛映画論』佐々木敦・児玉美月
Sep
10
映画、音楽、文学、美術、演劇などジャンルを超え、執筆を続けてきた批評家の<佐々木敦>と、LGBTQ映画を中心とした批評で注目を集める映画執筆家の<児玉美月>の「恋愛映画に距離を感じている」というふたりが新旧の恋愛映画を語り合っています。
全8章で構成されており、第1章「リアリティと作為性――2010年代の日本映画」では、『花束みたいな恋をした』・『寝ても覚めても』・『愛がなんだ』など、第2章「多様化する恋愛像――2010年代の外国映画」では『はちどり』・『テイク・ディス・ワルツ』・『ロブスター』・『お嬢さん』など、第3章「恋愛映画の巨匠?――ホン・サンス」では、<ホン・サンス>(61)が手がけた『逃げた女』・『それから』・『川沿いのホテル』・『カンウォンドのチカラ』などが取り上げられています。
第4章 「クリシェとそれを超えるもの――キラキラ青春映画」では、『君の膵臓をたべたい』・『殺さない彼と死なない彼女』・『私がモテてどうすんだ』 、第5章「 肉体と精神/リアルとフィクションードロドロ性愛映画」では、『愛のコリーダ』・『火口のふたり』・『愛の渦』・『ニンフォマニアック』・『倦怠』 など、第6章 「恋愛/映画」に惹かれるものーオールタイム・ベスト恋愛映画・日本編」として、『あなたがすきです、だいすきです』・『unloved』・『ともしび』・『渚のシンドバット』 など、第7章 「恋愛/映画」に惹かれるもの――オールタイム・ベスト恋愛映画・海外編」では、『カルメンという名の女』・『牯嶺街少年殺人事件』・『ポンヌフの恋人』・『燃ゆる女の肖像』など、第8章 「恋愛映画の現在――2022年公開の新作では、『アネット』・『チェリまほ THE MOVIE 30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』・『TITANE チタン』・『リコリス・ピザ 』などが取り上げられています。
映画ファン必読の(2640円)の一冊です。