阪神・淡路大震災後に進めた復興市街地再開発事業の最後となる教育複合ビル「(仮称)新長田キャンパスプラザ」(神戸市長田区腕塚町5)の起工式が7日に行われています。資材不足の影響で予定より約1年遅れ、2024年6月に完成予定となっています。
震災から30年を前に、兵庫県内全ての再開発事業が完了します。 震災2カ月後に都市計画決定しましたが、県内の同事業は六甲道駅南(神戸市灘区)、西宮北口駅北東(兵庫県西宮市)、宝塚市の3カ所の計5地区で完了しています。最後に残った新長田駅南地区(約20ヘクタール)は元々、神戸市が震災2カ月後の1995年3月に都市計画を決め、「西の副都心」として再開発ビル全44棟を建設し、商業床の売却などで事業費を賄う予定でした。
神戸市は2003年に事業完了を見込みましたが、土地の買収や床の売却が難航。多額の負債を抱え、2008年度以降はビル建設を民間事業者に委ねています。これまでに42棟が完成し、今月中に43棟目が完工します。市が建てたビル25棟は約5割の商業床が売却できていません。
新たな教育施設は鉄骨造り9階建て。総事業費は約64億円。1~4階に医療・介護の専門学校「県立総合衛生学院」、5階に「兵庫県立大学」、6~8階に「兵庫教育大学」が入り、9階は大講堂兼体育館となります。交流人口は1日千人程度が増えると見込まれています。