29日、香港の高等法院(高裁)は経営再建中の中国不動産開発大手「中国恒大集団」に対し清算命令を出しました。清算を求めた債権者の訴えを認めていまう。販売低迷や資金繰り難に苦しむ中国不動産業界への悪影響は必至で、停滞する景気の打撃になりそうです。
「恒大集団」は昨年12月に新たな債務再編案を提示し、審理の先送りを要請。同法院はこれを認め、債務再編の条件について関係当局と直接協議するよう命じていました。ただ、この日の審理では、「恒大集団」に債務返済能力がないと判断したもようです。
今後は裁判所が任命した管財人の下で債務整理などの清算手続きに入ります。しかし、実際に清算されるかは「恒大集団」が本社を置く中国本土の裁判所の判断を仰ぐことになるため、手続きが進むかどうかは中国当局の意向次第になります。
「恒大集団」は、中国政府が融資規制を導入した影響で資金繰りに行き詰まり、2021年に実質的なデフォルト(債務不履行)に陥いりました。2023年6月末時点の負債総額は2兆3882億元(約50兆円)で、債務超過額は6442億元に上ります。