関東大震災直後の東京を記録した映像と、それを撮影した男たちのドキュメンタリー『キャメラを持った男たち 関東大震災を撮る』が、2023年8月26日より公開されます。
1923年9月1日、関東大震災が起こりました。激震によって建物は次々と倒壊、火災により街は焦土と化し、10万人を超える死者が出ました。
後世、この大災害を記録した当時のフィルムが全国各地で見つかっていますが、混乱を極めた東京を、誰が撮影したのか。その謎をたどった本作では、岩岡商会の<岩岡巽>、日活向島撮影所の<高坂利光>、東京シネマ商会の<白井茂>という3人のカメラマンの存在にたどりつきます。
彼らは誰に命令されたわけでもなく、夢中でカメラをまわしました。それは、後の世に災害の記録を残さねばという使命感による行動でしたが、非常時にカメラを回す彼らは時に避難者から罵倒を浴び、暴力にもあいました。
3人のカメラマンは被災地をさまよいながら何を見たのか。そして残されたフィルムから何を知ることができるのか。音もないモノクロームのフィルムを通して、記録することの意味を問いかる<井上実>の監督作品です。