「1ドル=143円50銭」
Oct
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1日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反発し、前日比5銭円高・ドル安の「1ドル=143円50〜60銭」で取引を終えています。円の高値は「1ドル=142円96銭」、安値は「1ドル=144円07銭」でした。
中東の地政学的な緊張感が高まっており、相対的に安全通貨とされる円に買いがあつまりました。日米金利差の縮小も円相場の支えとなっています。
中東ではイスラエルがレバノンへの地上侵攻を開始、1日にはイランがイスラエルに向けてミサイルを発射しています。大半は迎撃されたとみられますが、イスラエル軍報道官は反撃を示唆しており、中東の緊迫度合いの高まりからリスク回避目的の円買い・ドル売りが入っています。
米株式市場ではダウ工業株30種平均が380ドル安となる場面があり、債券市場では長期金利が下落。日米金利差の縮小による円買い・ドル売りもありました。
1日に米サプライマネジメント協会(ISM)が発表しました9月の製造業景況感指数は(47.2)と、市場予想(47.5)をやや下回り、好不況の境目とされる(50)以下でした。個別項目では「雇用」の鈍化が目立っています。8月の米建設支出は前月比で(0.1%減)と、横ばいを見込んでいた市場予想に届きませんでした。米景気の減速も円相場を支えています。
一方、円は下げる場面もありました。日本の<石破茂首相>は日本時間1日夜の記者会見で「金融緩和の基本的な基調は維持される」と述べ、<赤沢亮正経済財政・再生相>も同日、日銀の金融政策について慎重な判断を求める考えを示しました。日銀が追加利上げの判断をしにくくなるとの見方が円相場の重荷となりました。