隠れ家にM6がやってきた。 僕はかつて、様々なマシンのステアリングを握ってきた。 しかし、これほどに完全な車を見たことはない。 V10エンジンが始動すると、周囲の空気が緊張感に包まれる。 その瞬間に、このマシンが、乗り手の腕をしっかりと吟味する種類のものであることは理解した。 通常はハイ・パフォーマンスでラグジュアリーなスポーツカーであるが、Mボタンに触れることにより、リアル・レーシングマシンへと変貌する。 エンジンパワー、旋回性能、ブレーキ性能。 技術者が求める完璧な姿がここにある。僕はこのマシンを足車として使用することに決めた。 いまどき、暖機運転や慣らし運転が必要な車も珍しいが、いかに高精度なエンジンであっても、いかに優秀なコンピュータシステムで制御されていようとも、現代の限界性能を追求したとき、それはスパルタンな一面を持たざるを得ない。今日は雨。 僕はこの車をしまっておくつもりはない。 「雨、上等!」 足車は、全ての条件下で稼動しなくてはならない。 そして、M6はそれが可能なように作られている。
Posted at 2006-10-01 17:02
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Posted at 2006-10-02 04:40
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