九十九里浜に2月28日に大量に打ち上げられたイルカ。 懸命に助けている人には悪いけど、海に戻してもまた打ちあがる。 「リーダーが方向を間違った」だって? ふざけちゃいけない。 みんな耳をやられているんだよ。 近年使われるようになった、潜水艦の低周波ソナーに撃たれたんだよ。 耳の中で爆竹を破裂させられた。 その後の行動だとしたら、みんな説明がつくだろう? 彼らはのた打ち回っているんだよ。
午前9時15分入港。 高級そうなヨットの間を抜け、一番奥のバースへ着岸する。 冬の寒い海を夜間航行で渡ってくる物好きは少ない。 30年を経過したおんぼろヨットが、誇らしげな表情に見えた。 この後、青木ヨットの吉村教官と改善ポイントの打ち合わせを行い、今回のミッションを完了した。 数週間後、REBECCAはさらにver.upすることだろう。 もちろん、次の航海の為に・・・。
朝日を浴びながら、バウ(船首)での作業。 関西空港島が遠くに見え始める。 目的地付近のゲートタワーが、かすかに見え始めた。 この時間帯ではまだ、気温の上昇を感じることは出来ない。 風が弱く、エンジンを使い続けることになる。
予定の灯台の確認に手間取ったが、すべては順調。 しかし、寒い。 カイロも効いている感覚がない。 仲間が持ち込んだストーブでお茶を入れる。 暖かい一杯のお茶が、身体を温めてくれる。 暖かい飲み物が、これほどありがたいものだったとは・・・。 難所の海峡、しかも逆潮の中を、REBECCAは快調に進む。
昼間にすべての出航準備を整えていたので、手際よく離岸することが出来た。 午前2時25分、闇夜に向けて出航。 可能な限り、暖かい装備を心掛けたので、寒さはさほど感じない。 しかし、ヨットのコックピットは常に風を受ける場所。運動量も少ない。 時間とともに身体から熱を奪われる。
未明の出航に向けての準備作業。 先週までの改善部分を確認した。 (停泊中にエンジンを引き上げるための特殊加工と、エンジンの上にデッキを新設など) 改善したジブセールにハンクス金具を取り付けた。 そのほか、キャビン内にフックや小物入れの取り付け加工をした。もちろん、セールのセッティングも完了している。 ライフジャケットや、セーフティライン等の装備も分かりやすく配置した。 暗闇であたふたしないためだ。今夜も寒そうだ。 深夜2時出航を目指す。
仲間が注文してくれたパーツが全て届いた。 明日の午前中から出港の準備を始める。 明日の深夜=明後日の未明の出港だ。 海南方面の天候は、晴時々曇。 最低気温は1度の予報だ。 洋上は風が強い。 夜間航海であるので、もちろん太陽の恩恵も無い。 厳寒の海でも、体を冷やさない服装を考えなくては・・・。 海峡を通過する予定時刻の潮流は? 遅れが出た場合の許容時間は?航海計画の作成と状況に合わせた装備の準備。 航海の楽しさはもう始まっている。
洞窟を出るのは未明になるだろう。 その日の早朝からは、クジラを見に行こうと考えている。徹夜だ。 この時期、慶良間諸島にはザトウクジラが子育てのために集まっているのだ。 僕達は、エンジン船でクジラを追うことを好まない。 カヤックで偶然出会うクジラに期待するのだ。 子育て中の母クジラは神経質で、エンジン船を嫌う。 ある時、座間味島にフェリーが入港し、その音から遠ざかろうとした母子クジラが、僕達のカヤックの目の前でブローした。 「海が盛り上がる」とでも言うのだろうか、突然海面が持ち上がり、続いてしぶきが舞った。 一度潜行した子クジラは、カヤックの真横にもう一度現れた。 僕達のカヤックを見て「何かな?これがイルカなのかな?」と、興味を示したに違いない。その後、座間味村の「ホエールウォッチング・フェスティバル」に足を踏み入れて唖然とした。 クジラを守るとか、どうしたらたくさんのクジラが集まるか等を話し合うはずのこの会合は、「いかに村に観光客を集めるか」「特産品を作ればいい」「いや、豆腐を売ればいい」と訳の分からぬ会合だった。 彼ら(行政)にとっては、冬の時期にダイビング船を有効利用し、村が豊かになること意外は興味がないらしい。だが、人のことはどうでもいい。 僕達は、僕達の信じている方法でクジラ達と出会いたい。 今年もクジラ達は、僕たちのカヤックを見に来てくれるだろうか?役所の発表とは裏腹に、慶良間諸島を訪れるクジラは、年々減ってきているように感じている。
今週末はREBECCAで冬の夜間航行。 青木ヨット に改良をお願いしに行くのだ。 パーツの一部は、仲間が手配してくれたものもある。 本日、ウインチが到着。 これは、セールを引き込む時に使用するもの。 風の力は強力だ。とても腕力だけでは対応できない。 ヨットはアイディアのかたまり。 考え抜かれたパーツの宝庫だ。