ホサナキリスト教会・聖書広場でのノートです。
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「奥義としての王国―その②:御国の5つの側面」
マタイ13章18~23節
~マタイ福音書連続講解説教32~
{メッセージの抜粋}
聖書では「神の国」が5つの様相をなしています。
どれを指しているのかは、その文脈で判断をせなばなりません。
正しい判断ができないと正しい解釈ができずに、聖書が何を伝えんとしているのか分からなくなります。
マタイ福音書では「天の御国」用語が使われていますが、
これは「神の国」と全く同じものです。
マタイはユダヤ人に向けて福音書を書きましたので、「神」という語を意図的に避けたかったのです。
ユダヤ人は、畏怖の念から「神」を筆記も口述もしないのです。
聖書の言う「神の国」は、
我々一般の日本人が抱いてる「神の国」とは根本的に異なるものです。
「死んだら天国に行ける」意味でのそれではありません。
それは現世において体験できるものであり、
かつ力を持って実現しつつあるものであり、
将来に圧倒的な実存的威力で完成されるものです。
それでは、聖書の教える「神の国」の5つの側面とは、
1. 宇宙的・永遠の御国
神が森羅万物の創造者にして、供給者あり、支配者である側面
全宇宙が、そしてあらゆる時代がすでに神の国であるといえます。
なぜなら神が究極的には全てを統べ治めておられるからです。
「この世界とその中にあるすべてのものをお造りになった神は、天地の主ですから、手でこしらえた宮などにはお住みになりません。」 (使徒 17:24)
「主は世々限りなく王である。 国々は、主の地から滅びうせた。」 (詩篇10:16)
2. 霊的な御国
聖霊によって新しく生まれた者たちの心に存在するもので、
アダムから現在まで、信仰によって義とされたものたちがその住人である。
「 だから、神の国とその義とをまず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与えられます。」 (マタイ 6:33 )
ここでの神の国は、信者の心に実現する神の統治を指しているもので、
それは信仰により新生することにより、現在可能のことである。
この御国はアダムから永遠の先までの信者をメンバーとする
3. 神政政治による御国
神政政治国家(イスラエル)を通じての神の間接統治
神様は、イスラエルをご自身が特別に統治する民族・国家として選ばれた。
ゆえにそこに「王国」があった。それは限定期間であり、
大きく二つの時代に分けることができる
モーセによって始めて樹立された王国(神の国)~ 律法が与えられて神政国家の土台が敷かれる
モーセからサムエルまでは、神の召命による仲介者による統治(士師時代)
君主制による世襲統治~サウルからダビデ、デゼキア王による統治
出エジプト19章~Ⅱ歴代36章までがこの御国時代である
神政時代後半は衰退期。
南北分裂とバビロン捕囚によって終焉した王国である
終焉後、現在まで「異邦人の時代」が続いている
預言者による新しい御国形体の預言が衰退期に活発となる
それが、将来に実現されるメシアの御国(千年王国)である
4. メシアの御国(千年王国)
統治者か、統治年数に注目するかで呼び名が変わる
OTのほとんどの御国預言はこの側面である。特に捕囚期以降の預言。
メシアによる直接統治の王国。
エルサレムでダビデの座についての文字通りの地上統治
これはダビデ契約の成就
とこしえの家、王国、王座、子孫を与えるとの約束
Ⅰ歴代17:11~15
B.ヨハネと主イエスが「近づいた」と伝えた御国
当時のユダヤ世代からは取り去られたが、
将来のユダヤ世代(艱難期)に再び提供されるもの
「神の国の実を結ぶ国民」(マタイ21:43)とはユダヤ人のことである。多くの学者が「教会」と解釈しているのは誤り。この国民(単数形)が教会(あらゆる民族から形成されるもの)に取って代わったとする立場が置換神学である。
「異邦人」(口語訳)と訳しているのは置換神学の史観であり、誤訳と言わざるを得ない
人間的な視点からは、千年王国は延期された
神の視点からは想定内のことであった。異邦人に伝道が進むことによる成就が既に旧約聖書に預言されている(イザヤ49:1~3)。
5. 奥義としての御国
12章でのメシア拒絶があって、神の国プログラムは変更された。
突如歴史に介入された神の国である。
イエスは答えて言われた。「あなたがたには、天の御国の奥義を知ることが許されているが、彼らには許されていません。 (マタイ 13:11 )
この奥義を解説しているのが13章である。
それは奥義である
「旧約聖書では啓示されてず、新約時代になって初めて明らかにされた真理」を意味する専門用語である。
OTではこの側面は全く言及されていない
この御国の期間は、メシアの初臨から再臨までの間である
さらに厳密には、ユダヤ人のメシア拒絶(12章)から、将来の艱難期のメシア受容までの間である
「キリスト教界」"Christendom” が最もふさわしい用語であろう
王(メシア)は天におられて、地上には不在状態の御国である
13章のたとえ話は、現在進行中の地上の御国の様子を描写したものである
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