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薫風の空に泳ぐ鯉のぼり

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風薫る5月の空に泳ぐ鯉 風薫る5月の空に泳ぐ鯉 裏庭ではりんごの木にスラスラと... 裏庭ではりんごの木にスラスラと登りきった長女。
竜でなく猿か?
日本の両親から贈られた兜の前で... 日本の両親から贈られた兜の前で。 薫風の空に泳ぐ鯉のぼり

今年も5月5日が巡ってきました。(数日前のことですが)

3日頃までは肌寒かったシアトルですが、
週末になってからスッカリ青空が晴れ渡り、気温もグングンとアップ。

我が家では庭先に鯉のぼりもアップ。

日本にいる両親が送ってくれたもので、
兜の飾りとともに、この時期の我が家の定番イベント。

鯉のぼりの起源や理由について、
子供たちには言い聞かせてきましたので、

彼らもそれを見ながら、
両親や祖父母たちの期待や願いを感じ取ってくれているようです。

近所に住む米国人には、
なじみのない大型魚が空を泳いでいる、
としか見られていないようですが。

この5月5日が、
日本ではこどもの日として祝われていることを知っている人はわずかです。

メキシコの「シンコ・デ・マヨ」という祝日を知っている人のほうが圧倒的です。

日本にいると意識しないで伝統を鵜呑みにしていることが多いのですが、
ご近所さんに尋ねられることもあったりするため、基本だけでも調べてみました。

この端午の節句のときに鯉のぼりが揚げられるようになったのは、
江戸時代からだそうです。

武家が家紋入りの旗指物や幟を門口に立てるようになったのを、
町人たちがまねて鯉の幟を立てるようになったのが始まりだとか。

百瀬の滝を登りきった鯉は、
たちまちにして竜に変身したという中国の故事にあやかってのことです。

子供たちの立身出世を願うところから広められた日本の風習。

戦乱の世から遠い太平の江戸時代では、
武士たちは武功を立てることはもはや有り得ないのですが、
それでも学問や武芸に秀でていたら割り当ての禄高も上げる事が出来ました。

これが「立身」です。

町人たちは、商いや技術の家業に精を出すことで、財産を増やしました。

これが「出世」。

鯉のぼりを立てた日、
長女は教会のミュージカル・South Pacific に5回目の出演をしました。

家にいながらもソロのパートを歌うなどの準備に余念なく、
「静かにしてくれ」なんて家人に言われてます。

長男はサッカーのトライアウト。

選抜チームにスカウトされるかどうか、
2時間ほどのゲームをしながら判定テストを受けました。


ところで、子供たちが選抜・抜擢されてもされなくとも、
私にとっては大したことではありません。

子供にもそのように考えてほしいと思ってます。

たとい滝を登り切れなかったとしても、
れは百瀬(ももせ)あるうちの一つに過ぎない。

登れずに滝つぼに叩きつけられたら、
別のルートを探せばよいだけのことです。
 
あるいは同じ滝でも、登るルートを変更するとかして再挑戦すればよい。

彼らにとっての勝負の滝がどこにあるのかは、
今の段階では親子ともども分かりません。

それは神が、彼らそれぞれに備えておられる領域。
Callの(召している)場所。

早い段階から簡単にその場を見つける人もいるでしょうし、
紆余曲折を経てから晩年になって見出す人もいるでしょう。

幼少期にむしろ急流を登りきれないで叩きのめされる経験のほうが
大切のような気がします。

再挑戦のための方策や気力を養う方が、
すんなりと登るよりも得るものが大きいのではないでしょうか。

とすると、、、

日本での小学校運動会で、
順位を決定せずに皆で横並びでゴールさせるだなんてところもあるようですが、
それは貴重な敗北体験を子供から奪っている愚の骨頂に思えてなりません。

どの子にもチャンスは広く平等に与える。
そして、一つの分野に秀でていたら、惜しみなく認めて賛辞を贈る。

それは百のうちの一つだと知れば、慢心することもないと思うのですが。

たとい1位になれなくとも、99のほかの滝があるのだから卑屈になることもない。

つまり、隣の鯉の泳ぎに翻弄される必要はないわけで、
己が竜になるための滝を探せば良いのではないでしょうか。


今後も滝登りのチャレンジを繰り返してほしい。

そんな願いを持ちながら風になびく鯉を見つめました。
#暮らし #生活

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