この日は家族総出のサッカー観戦日。
長女の女子サッカーチームの監督をしている家内は朝から気合が入っている。
そのゲームを見ながら、娘に言いたかったことをここで放言します。
我が娘よ。
センター・フオアードを毎回任せられるだけあって、
瞬時の状況判断力、躊躇ないシュートへの決断力は大したものだ。
自陣ゴール前から奪ったボールを一人でドリブルして
そのままシュートへ繋げた時は、マラドーナを彷彿とさせた。
相手プレーヤーを何人もごぼう抜きした見せ場では、
ついにオヤジも大きな歓声を挙げてしまった。
貴方がそのあとに見せた私へのしかめっ面はいただけない。
せっかく応援に来ているんだ。
我が子が活躍すれば親として喜ぶのは当然ではないか。
その辺りの十代の子供としての複雑な心境は、
オヤジには分からない。
いや、分からない訳でもない。
オヤジの日本語アクセントが奇妙に聞こえ、
友人たちの手前恥ずかしいのであろう。
年頃の君には無理もない。
だが、オヤジは何時もお前の背中を見守っているのを知っていて欲しい。
広い芝生の上で、安心してサッカーの試合を毎週できるなんて、
どれほど望んでも夢のまた夢でしかない現実が世界のほとんどであり、
貴方に与えられた環境は傑出したものであるのを知っておいてもらいたい。
その貴重な時間を、ボールを追うことだけに集中して欲しい。
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