死海
「メシアのエルサレム入京」
マタイ21章1~11節
~マタイ福音書連続講解説教58~
聖書本文とメッセージノートはこちらから:
http://wdx.hosannamin.org/whatsnew/view/111-58
この21章から、受難週として主イエスの地上生涯最後の一週間が始まる。
メシア(=主イエス)がエルサレムに入京する記事がその受難週の皮切りであり、
四福音書全てに共通して書かれている記事となっている。
これは歴史的出来事であり、
AD30年、ニサンの月、10日(日曜)であるのが分かっている。
①預言の成就としてのエルサレム入京
1.ゼカリヤ9:9 〜初臨のメシアが平和の王として行進される預言であり、
その日時に成就した。
2.ゼカリヤ14:4、9 〜再臨のメシアが世界を裁く王として行進される預言であり、 今後の将来に成就する。
②エルサレムを見て涙を流された主。ルカ19:41~44.
41 エルサレムに近くなったころ、
都を見られたイエスは、その都のために泣いて、
42 言われた。
「おまえも、もし、この日のうちに、平和のことを知っていたのなら。
しかし今は、そのことがおまえの目から隠されている。
43 やがておまえの敵が、おまえに対して塁を築き、
回りを取り巻き、四方から攻め寄せ、
44 そしておまえとその中の子どもたちを地にたたきつけ、
おまえの中で、一つの石もほかの石の上に積まれたままでは残されない日が、 やって来る。それはおまえが、神の訪れの時を知らなかったからだ。」
(ルカ19:41-45)
1.群集たちの短期的視点
~イエスに即刻、政治的解放者になってもらいたい強烈な願望を抱いていた。
2.主は長期的視点に立つ
〜AD70年のエルサレム崩壊とそこでの悲劇、ユダヤ人の世界離散を見ていた。
③神の時は確実にやってくる
1.私たちは常に神の訪れが遅いと感じるものである。
•物事が進展していないときや、
進展はしていたとしても自らの期待通りではないとき。
人のお心と神の御心の、乖離することの何と多いことか。
だが、人よりもさらに優れた計画を神は持っておられることを知ろう。
•バビロン定住を勧めたエレミヤの手紙:エレミヤ29:4~11.
「夢見る者たち」は愛国心を振りかざして
直ぐにも故国イスラエルに帰れるとしたが、
エレミヤはバビロンでの落ち着いた定住生活をせよと勧めた。
帰還までには70年を要するというのが神の計画であった。
それは当時の人々には、とても悠長に感じたであろう。
•AD30年にメシア王国を樹立させなかったこともしかり。
イスラエル人は身が焦がれる様な思いで期待したのだが、
イエスは十字架で死を遂げてしまい、
失望のどん底へ投げやられたのだ。
以来すでに約2千年も経つが、メシア王国はさらに将来へと伸ばされている。
•日本史上、戦国時代末期のキリスト教禁教とその後の鎖国政策が
現在の日本人の精神性を規定していると言っていい。
キリスト教に対する閉鎖性、拒絶性といった我々の国民性を蒸留したのが、
徳川時代を経ての300年であった。
「もし」織田信長の治世が継続していたら、
解放的で進取性に富んだ日本人気質が
キリスト教受容を容易にしていたであろう。
戦国時代に来日した何れの宣教師も、
日本人のことをどの民族よりも宗教熱心で改心しやすい民族であると認識した。
そのような報告文が随所に資料として保存されてある。
あの本能寺の変で
明智光秀が狂乱しなければ、、、
しかし、ここにも計り知れない神のお考えと計画とがあるはずである。
今の私たちにはそれが見えない。
2. 神の時は遅くなることなく、最善のときにやって来る
・「バビロンに70年の満ちるころ、、あなたがたをこの所に帰らせる」
(エレミヤ29:10)。
かつて、捕囚からの帰還を夢見た人たちに
すぐには実現しないと神は語られている。
しかし、バビロン捕囚からのタイミングは
長期的展望に立てば最善の時であったのだ。
•「異邦人の完成のなるとき」(ローマ11:25)に
世界宣教の終焉とメシア王国の樹立が起こる。
これも2千年前の当時のユダヤ人には待てないことであった。
彼らは即刻、世界の栄光をつかみたかったのだ。
神は今現在も、忍耐されておられる。
それが、全世界にとっては「富」(ローマ11:12)となったのである。
•数奇な日本歴史にはキリスト教禁教の忌まわしい事実が包含されている。
やがて徳川・鎖国政策の300年の呪縛が解ける時が到来して、
本来の日本人特質を回復する季節がやって来るのではないだろうか。
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