「メシアの再臨と統治」
Nov
21
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「メシアの再臨と統治」
ゼカリヤ9章10~17節
~ゼカリヤ書連続講解説教 13~
9章は、世界を征服する二人の王について預言されています。
一人は、アレクサンダーで、1~8節。
もう一人がメシア(キリスト)で、9節にあります。
①気づかずに読み過ごしてしまいます。
9章に歴史を二分する重大事件、
世界の王の進軍が預言されていると気づく方はまれでしょう。
何が書いてあるか分からないまま、
わたし達は多くの場合、読み過ごしてしまいます。
そして何となくわかるような気のする1節を取り上げて、
そこに自分なりの意味付けをして「恵まれた」とする読み方に終始してしまいます。
私が長い間そうでしたし、
今でもその癖から抜けてないかもしれません。
注意深く、BC520年ころのユダヤ的視座からテキストを読解する努力をするならば宝のような預言が隠されているのを発見します。
心は神の預言の確かさに喜び、
この世界が神の統治のもとにあることを再確認するのです。
②正確な預言に驚くばかりです。
アレクサンダー大王のパレスチナ侵攻はBC332年です。
ゼカリヤはそのはるか以前、180年ほど前に預言しています。
その征服者は北から南に下り、シリア、フェニキア、
ペリシテの町々を蹂躙して進み、人々を震え上がらせる預言です。
その一つにツロの町があります。
それはアッシリアやバビロンの包囲にもかかわらず落とされることのなかった
難攻不落の町ですが、その高慢さが神のさばきを受けるとあり、その通りに実現してしまうのです。
沖合の孤島に城壁を構えている町をどのように攻め落とすか、
その攻城方法と直接崩壊となった要因まで預言の通りであったことが考古学的発見から裏付けられています。
さらにメシアであるイエスのエルサレム入城は降ること、
5百年ほどになります。
入城方法とその際の人々の歓迎ぶりまで、
預言はことごとく成就してしまいました。
あまりの正確な的中に、聖書の霊感を信じない学者は
ゼカリヤ執筆年代を後代に想定しようと無理をします。
しかし、執筆年代を変更させる合理的・論理的根拠に欠けるし、
主イエスの時の預言成就以降にまで引っ張る学者はいないのです。
③二人には対象となる点があります。
アレクサンダー大王と主イエスとを比べると類似点と相違点があるのに気づきます。
アレクサンダー、当時知られている古代世界の大半を席巻し、征服した王です。
そして彼のギリシア文化を世界中に広め、世界を一つにまとめ上げてしまいました。
わずか10数年間の間に。比類ない大王です。
その統治拡大方法は殺戮と隷従であり、人々を恐怖のどん底に陥れました。
イスラエルの人々の祈りに答えた神は、彼がエルサレムを攻略することを赦さず、
ギリシア軍は素通りしてエジプトへと降って行くのです。
一方、主イエスもまたある意味で世界を征服した王です。
キリストを王とあがめ、信じる人々は世界中に広がって
20億人とも30億人とも言われています。
彼の教えに信奉する指導者らによって、この世界は改良、改善されて来ました。
人権思想や平和や平等という民主主義の国々を生み出したのこととキリスト教が深い関連にあることを認めない学者はいないでしょう。
そのイエスが、先ずユダヤ人の王としてエルサレムに進軍した時のことです。
人々は大喜びで迎え入れ、子供たちまでもが賛美して踊りながら歓迎したと
新約聖書は記録しています。
人々を恐れさせ、殺し、圧政を敷いたアレクサンダーに対して、
人々を愛し、赦し、自らは十字架で死を遂げられた主イエス。
あなたにとってのヒーローは
どちらの王でしょうか。
さらに紀元30年、今から約2000年ほど前に
エルサレムに入城された主イエスは、
再びこの地上においでになられます。
その預言が10節以降のものです。
その時には戦乱の中で天から降臨され、
信仰のイスラエル人を守り、救います。
そして不信仰の世界帝国の軍隊を打ち破って後に、
エルサレムにて王座に坐されます。
そこから世界中を統治されるのです。
初めて世界には恒久的で完全な平和と繁栄が訪れるようになります。
この話は貴方にとって夢物語に聞こえますか?
ゼカリヤがBC520年ころにこの書を書き記したとき、
人々はツロをはじめ世界中を席巻する王の登場について疑ったでしょうね。
エルサレム入城の王が、正しい方、柔和で、救いを賜る方であり、
人々が喜び叫んで歓迎するとはいつのことかさっぱりわからなかったでしょうね。
現在の段階で、9節までは実現しているのです。
10節以降も実現すると考えるのは理屈に合いませんか?
神の言葉はその時が来れば、必ず実現します。