黒タイ年代記『タイ・プー・サック』
Mar
13
ベトナム社会主義共和国では、54の民族が公定されているようです。
一番多いのがキン族(京族)で86%を占めていて、その他の53少数民族の中では、タイー(Tay)族、ターイ(Thai)族で4%弱占めています。
いずれもタイ語系集団で、東北ベトナムや西北ベトナムに住居しています。
そして文化的相違で、黒タイと白タイに分かれています。
この本は、ラオスとの国境から紅河手前のギアロ、タンウェン付近に住居する黒タイの口頭で伝承されてきた、ラン・チュオン征戦伝承のクアム・トー・ムオンとタイ・プー・サックのうち、タイ・プー・サック(父祖の征戦物語)の年代記を、長年現地の識者から話を聞いてまとめたものです。
少数民族は独自の国家を持たないので、時代とともに色々な影響を受けていますが、東南アジアでよく目にする、モン族やラオ族など少数民族は沢山の国にいて、その国の影響を受けながらも独自の文化を継承しているのは、ものすごい事だと思います。
この本は、2週間前に図書館で借りたのですが、誰も開いたことがない新品の状態でした。
よく行くタイの事を知れたらいいと思いましたが、ベトナムに住むタイ語系少数民族の話でした。
タイの東北にあるチェンライに行った時には、山岳民族博物館があったり、学生が少数民族のために募金を募っていて、少数民族はさすがにケシの栽培はもうやっていませんが、焼畑農業をやめさせたり、経済的問題や教育、紛争、貧困、人身売買などのバックアップを身近なものとして取組んでいるのを見ていますので、そういう意味では、ほとんど資料のない少数民族の歴史の一部を知れただけでも良かったです。
この本は、6200円もしますが、とても購入しては読めないですね。
今日は強風の中、返却をしてきましたが、また新しい本も借りてきました。