ちょびㅤちょび句ㅤ風 (ちょびく→少したなびく句、造語) 来るㅤ来ない ㅤ来た 雨ㅤ濡れてㅤ沁み なんでだろう、出来そうなんだけれど。 あれっ、って感じになってしまうちょび句。 修行だ、修行をしなければ
夏の仲間は何処にもいない 蚊はふらふらと飛んでいる そのカラダでは刺すこともできず 寄航先もわからず羽は静かにもがく 生まれた孤独すら知らない 私に哀れを感じさせる刹那の意味は いったい何であろうか ああ せめてこのまま手を出さぬよう そこにある自由を見守って 夏の残り香にふらつき 私の悲しみの中を蚊が飛んでいる
心地よい風 コスモスはゆらゆら揺れ 僕は何かを成し遂げたかのように 満足気な微笑みをこぼしているのかな ひと夏の苦労を労い Tシャツの袖から新たな風が抜け 焦がした日々を想い出が冷やして 繋がれた先の季節に立ち 新たな風の香りに幸せをのせ 言わせてもらうよ ありがとう ありがとうにありがとうを重ね また僕はここに立っているんだね
詩を書き続けるために 視力が失ったら 手があるじゃないか 手を失ったら 口があるじゃないか そんなに弱くない もし喋ることも聞くことも 失ってしまっても 足があるじゃないか もし表現するための 手段をすべて失っても 生き方がある 詩は言葉だけじゃない 俺という詩の生き方がある
ひとの幸せ ひとがあって自分の幸せ 自分があってひとの幸せ 自分の幸せ 自然からの幸せ 自然あっての幸せ 生かされている幸せ 生きて行こうとする幸せ 捨てることの幸せ 拾うことの幸せ 生きる幸せ 生きた幸せ
脳も 心臓も 肺もない カラダのほとんどが水分 動き続けなればガス交換も体内循環も出来やしない それでいて遊泳能力もなくどこへ行くかは水流まかせで生きる 脳も 心臓も 肺もある カラダは進化していった 考え続けなければいとも容易く壊れてしまう生態 それでいて幸せへの道を間違って進んで生きてしまう不思議
さあ行きますか、ちょび句。 んだㅤんだにゃㅤうめっ 田ㅤ田でㅤ田 (でん でんで でん。一面、田んぼ) きりㅤもがみㅤたつ (最上川に立つ霧は龍のように。龍は下界に桐の花を食べに来るという。霧と桐、立つと龍を掛けて) 靄ㅤ月山ㅤ奇異 稲ㅤ垂れしㅤ身の ん〜、手強いなちょび句よ! やはり、むずい。。。
もう誰もいないその家には 遺品になってしまったモノたちが おかえりも言えず静かに佇んで 主を失った家は時間の止まった箱 咳ばらいがひとつ聞こえそうで 聞こえない空しさが回っている 積み重ねられたノートに 今年もツバメが来ましたと書かれ ツバメの親子が並んでいる絵 歌いだしそうに描かれていた 若き日 絵を描くことに憧れ 山形から東京へ旅立った 現実はやはり厳しくて 絵の世界では生きてゆくことは出来ず 寮のあるパン工場に勤め四十年 結婚することもなく 派手に遊ぶこともなく だけど絵を描くことはやめなかった やめれなかったのだろう 大学ノートにはツバメの親子ばかり 誰に見せるわけでもないのに そこには叔父の控えめさはなく 賑やかな世界が広がって そしてノートの最後には じゅんㅤありがとう がんばれよ そう書かれていた 私がこのノートを見ることを 知っていたかのように 私も一生ㅤ詩を書いてゆこう 叔父のように貫く人生の意志を継いで なるべく純粋に無垢に進んでゆこう ありがとうㅤ叔父さん そう呟いて私はノートを閉じた
短歌は5・7・5・7・7 俳句は5・7・5 ん〜、もっと短く表現する『ちょび句』なんていうものを考えてみた。 2・3・2ではどうだろうか。 例えば、季語を夏で。。。 雲ㅤ歌うㅤ夏 雲ㅤ夏のㅤ傘 1ㅤ2でㅤくうっ〜 (昼ね・季語) 夏ㅤ伸びるㅤ折 (おり・頃) 君ㅤ恋しㅤ朱夏 キーンㅤ夏のㅤ山 (カキ氷) 汗ㅤ止まぬㅤ道ㅤㅤㅤㅤ 君ㅤ百合のㅤ艶 (えん) こりゃ、むずい、修行が…… ぜんぜん雰囲気が出せない。 これ、表現力がつくかもしれない。