<その手は桑名の焼蛤り>
Oct
4
著 者~ 半藤 一利 (はんどう かずとし) さん・・ 作家~元文藝春秋社・専務取締役
発行所~ ポプラ社
半藤さんは1930年東京下町の生まれです。
時々TVでお目にかかり・・<物凄い博識>で、風刺のきいた独特な語り口・・半藤先輩は、<何者だろう>と興味がありました。
小学校時代の得意技の筆頭は、女子生徒のスカートまくりだったが、五番目くらいに漫画描きあった。
雑誌の編集あ者という職業についたせいもあって、手当たり次第に本を読んで・・乱読のおかげで<物書き>になった。
<バカをやる奴奴がいなければ、この世はさぞ退屈だろう>という名言がある。
多少は読者の退屈の虫を駆除する役に立つであろうと思い、八十五歳の
大たわけ、なお健在なり、と自ら鼓舞しつつこの原稿を書く・・
<土俵入り>相撲が大好きです・・
<砂漠の詩>
<芥川龍之介>
<夏目漱石>
博識ぶりに・・読書している小生が前後左右に振り回される・・
老齢になるということが、つくづく情けなく思えてならないことがある。
突然将棋が弱くなった。
かつてはお茶の子さいさいであった青年を相手に、つい最近は、哀れなる哉、一敗地に塗れ続けた。
ある日、その昔、縁台将棋で大人たちが駒を動かしながら、激しくやり合っていた乱戦の、気の利いた洒落や地口が次から次へと思い出されてきたのである。
<その手は桑名の焼蛤だ・・>
<さあさあ、王手だ・・ 王手うれしや別れの辛さ・・だ?>
<本能寺端の歩をつくひまはなし、ッてところだな>
<ハハ、下手くそめ、その手は、ただ取り山のホトトギス>
<飛車角のみんな成りこむ一の谷とくらあ・・ざまあみやがれ>
<飛車びきのご入来>
<角みちの説法、屁一つ>
<ぴたりと金をうちまた膏薬>}
次から次と言葉が飛んでくる・・半藤先輩は凄い人です・・
改めて敬服しました・・