ヒカゲイノコヅチ(日陰猪の子槌);
ヒナタイノコヅチ に対し、こちらは名前のように日陰に育つ野草。
実際に姿は、か細く日陰っぽい。普通イノコズチと言うと、ヒカゲイノコヅチを指す。
茎は四角形で、節がふくらむ。葉は対生し、長楕円形で薄く、先はとがる。
茎先や枝先に細長い花序を穂状にだし下向きにぴったり圧着、緑色の小花を疎らにつける。
花は緑色、花弁は5枚、花の基部に小型の苞1個と2個の針状にとがった小苞がある。
小苞基部の付属片は長さ約0.3mmと小さく目立たない。雄蕊は5個。
雄蕊と雄蕊の間に膜質の小さな付属片を仮雄ずい(pseudostaminode)という。
雌蕊1個。針状小苞が動物の体などにくっつく。俗に言ってるくっつき虫!!
小苞の基部にある仮雄ずい(半透明で白い)は、ヒナタイノコヅチより大きい。
ヒナタイノコズチ(Achyranthes fauriei) は、名前通り日向に生える。
葉が捩れる様に波打ち葉の裏に白毛が密生、小苞付属体も小さく薄い膜状の仮雄ずいがある。
ヤナギイノコズチ( Achyranthes longifolia)は日陰に生え、葉が細い。小苞の付属体が小さい。
よく似たものが他にもあるが、花の粗密や葉の厚さ等は、環境変化にもより区別が難しい。
識別点要領は;
ヒカゲイノコズチ:
日陰、葉が薄い、毛が少ない、花がまばら、葉先が徐々にとがる、小苞の間の白い付属体が大きい。
ヒナタイノコズチ:
日向、葉が厚い、毛が多い(葉裏が白っぽい)、花が密につく、葉先が急にとがる、小苞の間の白い付属体が小さい。
マルバイノコズチ:日向、葉が厚い、毛が多い(葉裏が白っぽい)、花が密につく、葉先が丸い。
令和参年(皇紀2681年)9月14日、記」