タデ科(Polygonaceae) 多分、タデ科の植物だろうと推察するが??? 花・実もさることながら、茎・葉を間近で観察できなかった。 来年までおあずけの小さな植物。 「しっかりと見ないから・・・!」って、 画像の中から笑われているように映る。 11月22日誌「伊豆城ヶ崎海岸2014・11・09」
ハゼノキ(櫨の木) ウルシ科(Anacardiaceae) 学名:Rhus succedanea L;Toxicodendron succedaneum 別名: リュウキュウハゼ、ハゼ、ロウノキ、トウハゼ 緑と赤がまざりあうハゼノキの紅葉。 ウルシ科の仲間、紅葉の鮮やかさ・かぶれることが先ず話題にされる。 夏にかわいい花をさかせるが、意外と見た記憶のある人は少ない。 ハゼノキの実から木蝋(もくろう)を取り、和蝋燭が作られる。 琉球櫨の名前は、蝋燭作り技術が室町時代に中国から琉球を経て伝わったを意味する。 葉の形や紅葉もヤマハゼやナナカマドと酷似している。 だが、ハゼの仲間はウルシ科、さわるとかぶれる恐れもある。 木々の紅葉の中で最も早く紅葉し人目を引く木だ。 核果からロウを採る和蝋燭の油、それ故、栽培され拡がったらしい。 樹皮は滑らかで灰褐色、小さな皮目が多い。 万葉集や古事記では「はじゆみ」と呼ばれ、この材で弓を作った由。 また真言密教では、春の甲子の日にこの木を切って護摩を焚く木にした。 心材は深黄色で美しいため装飾材や寄せ木細工に使われる。 黄櫨染などに使われた黄櫨はヤマハゼと言われている。 葉は奇数羽状複葉で互生、小葉は4~6対で披針形。 両面ともに無毛で、裏面は緑白色。縁は全縁。 ヤマハゼと見分けが難しい。が、ヤマハゼは両面に短毛がある。 核果は扁球形で無毛、光沢がある。晩秋に枝先の円錐花序に沢山の実が成る。 * * * * * * * 画像は、お気に入りの“Petit Hotel Grandvert”2階よりの眺め。 * * * * * * * 11月21日誌「伊豆・大室山麓2014・11・10」
イソギク(磯菊) キク科(Asteraceae/Compositae) 学名:Chrysanthemum pacificum Nakai 城ケ崎海岸、黒潮からの風にもめげず健気な姿を魅せる「イソギク」。 同様な海岸に育つハマギクやアシズリノジギクが普通の花弁なのに対し、 イソギクは、非常に小さい花弁である。 房総半島~伊豆半島以西の太平洋岸に自生している。 近寄って見ると小さな5枚の花びらのような管状花の集まりに見える。 茎は斜上し上部まで密に葉をつけ厚く倒披針形、裏面に銀白色の毛が密生する。 また、管状花の周囲に舌状花を持つものをハナイソギクという由。 「研究者ノート」(筑波大学・遊川知久) キク属は、染色体の数を大きく変化させながら進化したことがよく知られていますが、 イソギクは90本と、日本産のキク属でもっとも多くの染色体を持ちます。 近縁のシオギク、キイシオギクは72本の染色体を持ち、 四国東部から紀伊半島の太平洋沿いに分布します。 この仲間が、日本列島の太平洋岸を西から東に向かって、染色体の数を増やしながら、 進化したことがうかがえます。 * * * * * * * 観賞用に多く栽培されているが、自生地で見る磯菊は、より逞しくも楚々としている。 和名由来の通り磯菊は、海辺の磯近く、崖上に生えてる。野生は、ヤッパリ良い。 * * * * * * * 11月20日誌「伊豆・城ヶ崎海岸2014・11・09」
ゲンノショウコ(現の証拠) フウロソウ科(Geraniaceae) 学名:Geranium thunbergii Sieb. & Zucc. 別名:ミコシグサ(御輿草),フウロソウ 冬に近づくにつれ庭に花を見なくなる。 いま見れるのは、マーガレットと浮釣木、位だ。 野放図の花壇、野草の枯れ茎等が目立ってきた。 そんな中に小さく細い2茎に種子が付いている!?! どう見てもゲンノショウコ(現の証拠)の果実?? ここにゲンノショウコの花を見た記憶がない。単に見過ごしただけか! 作百合や台湾杜鵑草に気が取られ見過ごしてしまったか、謎である?? 見つけたのが11月初め、時折、觀察していた。 別名のようにまさに神輿型に(11/19)なった。後は紅葉を待つばかりだ。 * * * * * * * 首都圏で見るゲンノショウコは白色が殆どだが、紅紫色もある。 来年は、花を確認したい。何色が咲くか!?!種子も飛んだことだし、、、。 漢方薬の中で日本古来の民間薬の代表が、「ゲンノショウコ」だ。 乾燥した葉を煎じて飲むと20~30分で効き目が現れる!! 「現に良く効く証」。。。で名前が付けられた由。 * * * * * * * 茎はやや地を這い毛が多い。葉は柄を持ち掌状(五角状扁円形)に3~5裂する。 花は直径1.5㎝前後、花弁5個、長柄先に1~2個つき、白色~紅紫色(中間色もある)。 萼片5個、萼片の先に短い棒状の芒がある。 萼片や花柄に腺毛があり、腺毛の量には変化がある。 雄しべ10個、葯は青紫色。雌しべ1個、花柱は5裂する。 果実は分果が5個の蒴果、果体の上に長い嘴があり熟すと5個の分果が巻き上がる。 種子は長さ1.7~2.2㎜と小さい。 類似のミツバフウロ、コフウロに生える毛は腺毛ではない。 愛知県絶滅危惧ⅠB類のミツバフウロは葉も似ており混同しやすい。 コフウロは葉が3全裂することで見分けやすい。 フウロソウ科の草、アケボノフウロやアサマフウロ等も鮮やかに色づく。 種を包んでいる皮がコイル状に巻き上がって種を飛ばす。 別名のミコシグサ(御輿草)、姿を御輿の屋根としたは、言い得て妙。 * * * * * * * 11月19日誌「居所・庭2014・11・19」
リンドウ(竜胆) リンドウ科(Gentianaceae) 学名:Gentiana scabra Bunge var. buergeri (Miq.) Maxim. ex Franch. et Sav. Gentiana scabra Bunge var. orientalis H.Hara 別名:ササリンドウ(笹竜胆) 秋を代表する花リンドウ(竜胆)は、根や茎が非常に苦く、 熊の胆より苦いというので竜の胆嚢という意味の「竜胆」が変化した名前に由。 リンドウの仲間は エゾリンドウ、フデリンドウ、オヤマリンドウ、タテヤマリンドウ、 トウヤクリンドウ、ツルリンドウ、ミヤマリンドウ、シロバナエゾリンドウ、 アサマリンドウ、ハルリンドウ、ホソバリンドウ等々、色々ある。 園芸種の多くは、「いわて乙女」と言われてるもの。 解説書に、 茎は直立又は横倒しになっていることもよくある。 葉は対生し、長さ3~8cm、柄がなく、茎を抱く。根生葉はない。 茎の頂部に、筒状鐘形の花を固まって数個、上向きに付ける。 花冠は長さ3.5~4.5cm、先が5裂する。 裂片の間の副片は小さく、裂片の先は尖る。柱頭は2裂し、雄しべは5個。 萼は裂片が線状披針形で、筒部より長い。 湿地に生える葉が細いものは、ホソバリンドウ。。。とある。 基準変種のvar. scabraは朝鮮、中国、ロシアに分布し、萼裂片が線形、 長さ8~10cm、萼筒の長さ10~12cmより短い。中国名は龙胆(long dan )という。 単にリンドウと見分けているが、視認でリンドウとホソバリンドウは、極めて区別が難しい。 どなたか識別方法を教えて頂きたい。 ホソバリンドウ(細葉竜胆) 学名;Gentiana scabra Bunge var. buergeri (Miq.) Maxim. form. stenophylla (Hara) Ohwi 11月18日誌「伊豆高原沼池2014・11・09」
サラシナショウマ(晒菜升麻) キンポウゲ科(Ranunculaceae) 学名:Cimicifuga simplex Wormsk. 北アルプスの麓(高原)では晩夏に白い穂状の花を咲かせる。この後、秋が駆け足でやってくる。 温暖地の伊豆高原、散策した「沼池」若い種子を見かけた。 サラシナショウマは、雌雄の蕊を持つ両性花と、雄しべだけの雄花をつける株がある。 種子は、なんとも!?! 立派^^)。 サラシナとは、若葉を茹で、アク抜きのため水にさらし(晒し)てから食べることからきた名前!! 落葉広葉樹林の中に生えていた。 花茎の出ていない若葉を2日間ほど小川でさらしてアク抜きをしておひたしにしたことがあった。 根茎は漢方薬に使われるが、副作用があるので注意が必要、と親爺から聞いている。 11月17日誌「伊豆高原沼池2014・11・09」
ガクアジサイ(額紫陽花) アジサイ科(Hydrangeaceae) 学名:Hydrangea macrophylla (Thunb.) Ser. var. macrophylla f. normalis (Wilson) H. Hara 春にも見たガクアジサイ。落葉するが、半常緑もある。 一般的には低木だが、ここのは高さ2-3m位ある(野生自生種)。 野生自生種の額紫陽花は、房総・三浦半島、伊豆半島、伊豆諸島・小笠原に自生している。 日本固有種。伊豆半島は、自生紫陽花の宝庫だ。 春に訪ねた時、感動したが今なお枯れた萼が残っていた。 なんとも風情豊かな花だ。近くには、手毬額紫陽花も見られる。 来春の開花!!が待ち遠しい。 観光客でごったがえす観光的各庭園・寺院とは趣を異にする。 お気に入りの場所の一つに加わった。 来春の再会をねがって“来年も宜しく”って語りかけた^^)。 11月16日誌「伊豆汐吹埼2014・11・09」
フジ(藤) マメ科(Fabaceae/Leguminosae) 学名:Wisteria floribunda (Willd.) DC. 別名: ノダフジ(野田藤) フジは園芸種のように思っていたが、ヤマフジと同じ日本原産の野生種。 画像の場所は明らかに人工的な場所で、園芸種と思える。 華麗な藤の花を想像できないほとの豆果(さや)。 30~40cmと長いさやがぶる下がっている樣は、豪快だが少々グロテスク。 「研究者ノート」(筑波大学・加藤雅啓) 蔓性の落葉木本。蔓は上方向に左から右へ巻き初めは褐色短毛を密生し、後に無毛となる。 葉は長さ20-30cmで、11-19枚の長さ4-10cmの小葉がついている。葉質は薄く全縁。 花序は頂生し、下垂して長く伸び、時に100cmに達する。 藤色・紫色または淡紅色の花をつけ、花序の軸には小花柄とともに白色の短毛が密生する。 豆果は狭倒卵形で扁平、ビロード状に短毛を密生させ果皮は厚く、熟して木質となる。 冬季に乾燥すると2片に裂けながらねじれて扁平で円形、褐色で光沢のある種子を飛び散らせる。 低山地や平地の林縁・崖・林中に分布。 『フジの葉は、どれが1枚の葉だろうか、思案することもあるでしょう。 そんな時は葉あるいは柄の付け根(葉腋)に芽があるかどうかを調べるのがよいでしょう。 もしあれば、そこから先全部が1枚の葉であり、細かく切れていても1枚1枚は葉片ということになります。 フジはそんな例です。それに対し、ツツジやサクラなど多くの植物では1枚の葉の付け根に芽があります。 このように、葉の根元にはふつう腋芽ができるという規則性があるので、 そのあるなしで葉が複葉か単葉か区別できるのです。』 11月14日誌「伊豆汐吹埼2014・11・09」
ノブドウ(野葡萄) ブドウ科(Vitaceae) 学名:Ampelopsis brevipedunculata (Maxim.) Trautv. * * * * * 自信を持って断言できないが、“野葡萄の実”らしき植物を見た。 汐吹埼海岸の岩の間に!?! 実は、淡緑色から淡紫色を帯び、碧色になる。こんな事を思って?? 液果は、径8mm位だった。 11月13日誌「伊豆汐吹埼2014・11・09」
汐吹埼の高台から相模灘を見ていて海底の神秘を思った。 近くに手石島があり其の後ろに初島が見える(画像上)。 其の後ろ側は、相模湾だ。 この相模湾から相模灘周辺は、世界的に貴重な深海生物の宝庫と言われる由。 そして、相模湾の一角にサンゴ礁の北限もある。 四季折々、其のサンゴ礁に潜ると、季節感を実感できる。 サンゴ礁に回遊してくる魚の種類で季節を思えるのだ。 今立っている汐吹埼の高台から連なる海岸線(画像下)。 川奈崎、其の向こうに城ヶ崎と続く海岸線。 この海岸線は、野生種(自生)植物の絶好な觀察場所。 観光資源的に紹介されていない。 それ故、のびのびと優美に植物は迎えてくれる。 自生植物本来の姿が見れる。この上ない幸せな瞬間。 今回も癒やされた、夢中に觀察できる場を持てた。 11月12日誌「伊豆汐吹埼2014・11・09」