《 雅羅・/・〝里緑地の花  '10-7〟❖ ’24-285 ❖ 》

カリガネソウ(雁草) シソ科(... カリガネソウ(雁草) シソ科(Lamiaceae)
学名:Tripora divaricata (Maxim.) P. D. Cantino 
別名:ホカケソウ(帆掛草)
カリガネソウ(雁草); 北海道... カリガネソウ(雁草);
北海道から九州までの低地の薄暗く湿った林縁に稀に見られる多年草。
普通、花は夏に咲くが、場所等で花期は広く10月にも見られる。
茎高1m前後、触れると硫黄臭を発する。青紫花や斑入葉、桃色花もある。
以前はダンギク属(カリガネソウ属)と分類されていたが、
APGⅢでは、カリガネソウ属(トリポラ属)に分類されている。
和名の由来は花の形を雁の飛ぶ姿に見立てたことから。
短い地下茎をもち、多数の茎を直立させる。茎は高さ60~100cm。
茎は四角柱状で深いくぼみがあり、大きくなると木質化する。
葉は無毛で対生、長さ8~13㎝の広卵形、葉質は薄く葉柄は長い。
縁には普通、よく揃ったきれいな鋸歯があり、先が尖る。
花冠は2唇形、長さ8~10㎜の白い筒部があり下唇は3裂、上唇は2裂。
裂片は開口する。下唇の中央裂片は大きく、あごを突き出した形をしている。
雄蕊4個は長く、花柱1個とともに花冠から上へ突き出て、下側へ湾曲する。
茎の上部の葉腋から集散花序を出し、まばらに沢山の花をつける。
その花達が、群生している姿は楚々としている。



《  こんな処に〝帆掛草〟 ❖泉の森・東部❖  》
**神奈川県植物誌** 5.カ... **神奈川県植物誌**
5.カリガネソウ属 Tripora P.D.Cantino(関口克己,『神植誌 01』:城川四郎)
 多年草.葉は対生,鋸歯があるかまたは全縁.
花冠は筒部があり,先は 5 裂して平開か 2 唇形.
雄しべは 4 個で2 強,長くて花外に突き出す.
花柱は長く柱頭は 2 又する.
東アジアに 1 種があり,日本に 1 種,県内にも 1 種がある.
以前はダンギクなどと共に Caryopteris 属とされていたが,
Cantio et al.(1999 Systematic Botany 23: 369-386)により組み替えられた.
(1)カリガネソウ Tripora divaricata (Maxim.) P.D.Cantino
 多年草.茎は 4 角形,上部で分枝し,高さ 1m に達する.強い臭気がある.
花序はまばらに散開し,花冠は 2 唇形で大きく開口する.
北海道,本州,四国,九州;中国,朝鮮半島に分布する.
山麓原野に生える.比較的稀な植物で,県内では三浦半島が唯一の自生地である.
『神 RDB06』では絶滅危惧ⅠA 類にされた.
近年植栽されたものが横浜市などで採集されている.

*       *       *
解説画像は、借り物。 カリガネ... 解説画像は、借り物。
カリガネソウの花の構造。先端が二又に分かれているのが雌しべで、
黄色い花粉をつけた雄しべは4本ある。
青紫色が美しい秋花のカリガネソウだが、その姿は独特。
受精の為に他の花粉を必要とする植物は、花粉の運搬を昆虫等に頼る。
虫媒花、花粉を運ぶ送粉者(ポリネーター)を引き寄せる施策として、
蜜を溜める。訪れた昆虫に効率よく花粉を運搬してもらうための術。
送粉者のために進化し続けたのだろう。
長い雌蕊と雄蕊が、花粉の受け渡しに実に効率良い形態である。

この場(泉の森)に如何なる運搬者が訪れているかは観察できていない。

泉の森、東上部側の住宅隣接地に群生地がある。
カリガネソウ後ろの泉の森は、徐々にマント群落になりつつある。
カリガネソウを初めとする草花は、袖群落を形成しつつある。
こうした場は、下草苅り等人間が手を貸さねばならない。
里山緑地の保存・保全は、自然(植物等)と人間の共存を意味する。
生態系を重んじ、希少・貴重な植物をも大切にする。
この対処が、自然保護の基本であるとおもう。
自然を愛でる、植物を愛でる、人間との共存共栄だ。


「令和陸年(皇紀2684年)10月15日」
#ブログ

People Who Wowed This Post

×
  • If you are a bloguru member, please login.
    Login
  • If you are not a bloguru member, you may request a free account here:
    Request Account