《 雅羅・/・〝里緑地の実〟❖ ’24-295 ❖ 》

ジュズダマ(数珠玉) イネ科(... ジュズダマ(数珠玉) イネ科(Poaceae)
学名:Coix lacryma-jobi L.
別名:トウムギ(唐麦)
ジュズダマ(数珠玉);多年草 ... ジュズダマ(数珠玉);多年草
熱帯アジア原産で古く有史以前に日本に入ってきた由。
本州〜沖縄の水辺や畑地などに極普通に生育し、群生。
湿地や田圃(休耕田)周辺を好んで生えている様だ。
昭和30年頃では、何処にでも見え雑草とも云われ。。!
機械によって刈り払われる様は、寂しくおもったりしたものだ。
子供時代、練兵場と呼ばれた周辺に数珠玉が沢山見れた。
今や住宅地と化した。又、農耕地周辺でもあまり見られない。
ましてや雑草と呼ぶ人々の話を聞くと、ため息がでる。
茎は直立・叢生。茎の高さ80〜... 茎は直立・叢生。茎の高さ80〜150cm。葉は大きく披針形。
の長さ30〜60cm、幅2〜4cm。
花序は散房状、茎の上部の葉腋から出る。
雌性小穂は葉腋の基部につき、
葉鞘の変化した堅い総苞葉に包まれ、内に1小花(第2小花)を含む。
雄性小穂は総苞葉をつらぬき、短い柄の先に単生し総状になる。
果実はほぼ円形、灰白色、長さ6mm。
花期は8〜9月。(日本イネ科植物図譜)
小穂は単性、雌小穂は硬質壺形の苞鞘内にあり、
1小花があり、両側に退化小穂がある。(原色日本植物図鑑) 
雄小穂と雌小穂があり、苞葉が変形した「つぼ」に納まった雌小穂群
と「つぼ」から突き出した雄小穂群で1つの花序ができている。
雌小穂3個のうち、1個だけがブラシ状の花柱を出す。
柱頭がしおれてから、雄花序の包穎が開いて葯がぶら下がる。
「つぼ」の横断面と中身。果実を含んだ雌小穂(稔実小穂)と
含まない雌小穂(不稔小穂―2つの細長い小穂)が組み合わさっている。
苞葉鞘の中には1個の雌小穂のほかに2つの棒状のものが含まれ、
苞葉鞘の口からはそれら2つが頭を覗かせている。
これらは退化して花をつけなくなった小穂である。
したがって、包葉鞘の中には、花をつける小穂(登実小穂)1つと、
その両側にある不実の小穂2つが包まれていることになる。(Wikipedia)
植物図鑑的には書くと堅苦しいが、ジュズダマの花は複雑。
同じ株に雄花と雌花があり、実のように見える苞鞘(ほうしょう)
から出ている糸のような白い花が雌花で、
その先に伸びている黄色の花が雄花。
玉の様な硬い袋玉は苞鞘(ほうしょう)と呼ぶ。
花はその先端から蕊だけが出ている。花弁はない。
こんな生育経緯を雌性先熟(しせいせんじゅく)と言う。
蕊が出て来ていたらそれが雌蕊(雌花)の柱頭。
雌蕊が終わる頃に穂のように垂れて来るのが雄花。
実ははじめ緑色で秋には黒く色を変える。
ジュズダマの実は、昔は実際に数珠(念珠)に使われた。
苞鞘は熟すにつれて硬くなり、白色~灰褐色~黒色などに変色。
つやが出てくると、中々の風合いである。
中心に穴があいている事で古くは、数珠に利用された。
我が子供の頃には、お手玉(玩具)に詰めたり、
女児が宝石と称してネックレス等にして遊んでいた。
今やこうした遊びは、姿をけしてしまったようだ。

《 余り見向きもされない〝数珠玉〟 ❖泉の森湿生花園❖  》
**  神奈川県植物誌  **... **  神奈川県植物誌  **
→88.ジュズダマ属 Coix L.(木場英久)
1 年草または多年草.稈にはスポンジ状の髄がある.
小穂に雌雄の 2 型があり,雌性小穂は葉鞘の変化した総苞
葉に包まれ,総苞葉の中から柄を伸ばし,
雄性小穂からなる総が垂れる.
アジアの熱帯に約 5 種があり,
日本にはジュズダマ 1 種が分布する.
(1)ジュズダマ Coix lacryma-jobi L.
1 年草.高さ 2m になる.葉の幅は 4cm に達する.
上方の数節の葉腋に花序をつける.
総苞葉の葉鞘の変形した,
いわゆる数珠玉は平滑で,光沢がある.
この数珠玉に短い葉身がつくことが稀にある.
花期は 8~10 月.熱帯アジア原産の帰化植物.
日本各地に帰化する.
県内では全域に普通.川岸など水辺に生える.
『神植誌 58』に「特に果実大形で琺瑯質の厚いものは
var. maxima Makino(オオジュズダマ)で
大山町で採集の記録がある」とある.
栽培されるハトムギ var. ma-yuen (Roman.) Stapf には,
数珠玉に縦溝があり,花序が垂れる.
ややっこしい構造。でも見ごたえ... ややっこしい構造。でも見ごたえがある。

未だ日差しが強い、秋には似合わ... 未だ日差しが強い、秋には似合わない里山緑地の一隅。
少し湿り気の在る所に数珠玉が、静かに実をつけている。
暑さ故か、子供達は、昆虫採集に夢中。それを見守っている。
過剰な手入れの無い所に魅せる野草に惹かれる。自然はいい。

「令和陸年(皇紀2684年)10月21日」
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《 雅羅・/・〝里緑地の羊歯〟❖ ’24-294 ❖ 》

フユノハナワラビ(冬の花蕨) ... フユノハナワラビ(冬の花蕨) ハナヤスリ科(Ophioglossaceae)
学名:Sceptridium ternatum (Thunb. ex Murray) Lyon
フユノハナワラビ(冬の花蕨);... フユノハナワラビ(冬の花蕨);冬緑性シダ植物
本州〜九州の日向の山野に生える。
栄養葉の柄は長く、基部近くで胞子葉を分岐する。
栄養葉は葉軸が三岐する。
小羽片は広卵形で鈍頭、辺縁は鈍鋸歯。
葉柄や羽軸は無毛。
胞子葉は栄養葉より長く、上部につく胞子嚢穂は2回〜3回羽状に分岐し、
円錐状に丸い胞子嚢をつけ、秋に熟した後に枯れる。
似たものにオオハナワラビやアカハナワラビがある。
3つの違いは栄養葉の様子により、
葉の先(鋸葉)が尖っている オオハナワラビ、アカハナワラビ
茎に毛がなければアカハナワラビ、オオハナワラビは茎、葉柄、葉軸に毛がある。
葉の先(鋸葉)が鈍頭 フユノハナワラビ(松江の花図鑑)。
**上の2画像は、借り物。**


《 人知れず姿を見せてた羊歯植物〝冬の花蕨〟  ❖泉の森❖  》
花のように見えるのは胞子葉と呼ばれる胞子を包んだ袋をつけた穂。
まるで子持ちワカメのような姿。
秋に葉を出し枯れずに冬を過ごして春に枯れる。
同じ形態にオオハナワラビ、アカハナワラビ、アカフユノハナワラビがある。
『研究者ノート(松本定・筑波大) 』
栄養葉と胞子葉は地表近くで合着して共通柄は短い。
栄養葉の羽片の頂片は鈍頭、裂片は鈍鋸歯縁である。胞子は秋から冬に熟する。
東北地方以南の暖地に見られ、山麓や原野の向陽地に多い。
9月に葉を出し、同時に花のような胞子葉を伸ばす冬緑型の多年生シダ植物。
落葉により空から林床へ光が届くこれからの時期にのびのびと生活をします。
しかしホオノキなどの大きな落葉に体を覆われると生存できず、生活域が左右されます。
また、本属の植物は胞子が土中へもぐり、そこで前葉体が作られます。』


「令和陸年(皇紀2684年)10月20日」


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