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猫の揺りかご Blog

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「ピアノソナタ『月光』殺人事件」で考える起承転結③

thread
②の続き。

どうやら、
この「ピアノソナタ『月光』殺人事件」。

原作では6話に渡って描かれた物語を、

アニメ化にあたり、
1時間にぎゅっと凝縮して放送したのが、

25年前のアニメ初版だったようです。

そして今回のリブートにあたっては、
前後編に分割しての放送なので、

OPやED、次回予告等に割く時間が
2倍になり、

本編に割ける時間が
さらに短くなってしまったのだと思う。

だからこそリブート版は、

随所でセリフやシーンが
カットされていると思うのですが。

そのような状況にも関わらず、
あえて追加されたシーン。

それが、第二の事件発生直後に、

コナンが壁に向かって、
犯人への怒りをぶつけるシーンです。

>>>許さねぇっ!!
>>>殺人を予告してそれを平然と実行するヤツなんて、
>>>絶対に許さねぇっ!!!

このセリフ、ここだけ見ても胸熱だし、
今後の展開を踏まえれば、
別の意味で胸熱なんだけど。

だけど、ただでさえ時間足りない中で、
あれこれ削りながらも、

原作にはあって、
アニメ初版にはなかった、

このセリフを
あえてぶっこむからには、

もっとこのセリフを
生かしてほしかった。

カセットテープという、

今ではもう時代遅れなツールを
トリックに使う以上、

そこを変えられない以上、

どうしてもカセットテープの仕組みを
丁寧に説明する必要が出てくる。

だから、そこでも時間が
取られてしまう。

にも関わらず、

初版にはなかったこのシーンを
入れる意味。

単なるファンサービスという
意味合いであったなら、

あえてここを再現することで、
原作ファンを喜ばせたいだけだったなら、

個人的には、

そんな中途半端なことは
しないでほしかった。

入れるからには、もっと時間枠取って、
全体をもっと丁寧に描いてほしかった。

拡大スペシャルが無理なら、
前編、中編、後編の三部作でもいい。

しっかり時間を取って、

冒頭とラストをもっと
丁寧に描いてほしかった。

その上で、初版ではカットされたあのシーンを
入れてほしかった。

そしたら、あのシーンが、あのセリフが、
もっとずっと生きてくる。

とてつもなく意味のあるものになる。

今後におけるコナンの
行動原理につながる、

とてつもなく重要なセリフになる。
シーンになる。

だけど、OPに合わせての駆け足な冒頭と、

EDにブツ切りされた上に、
時間も余韻も足りないラストを見せられると、

本当にあのシーンを復活させる意味は
あったのだろうかと思ってしまう。

冒頭とラストあっての、
あのシーンだと思うから、

冒頭とラストが削られているにも関わらず、
あのシーンだけしっかり追加されても、

本末転倒な気がするのです。

④につづく。

#アニメ #レビュー

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「ピアノソナタ『月光』殺人事件」で考える起承転結②

thread
①の続き。
というか、ここからが本題。

リブート版、やけにあっさりしているな、と思ったら、

そもそものこと、
冒頭部分が違うのですね……。

違うというか、小五郎さんが捜査依頼を受けて、
みんなで月影島にやって来るシーンを、

初版ではしっかり描いているのに対し、

リブート版では、
そのままOPに組み込んじゃってる……。

時間短縮になるし、
冒頭はこれで行けると思ったんだろうけど、

OPと同化してしまって、印象が薄い。

正直、1回目見たときは、
OPは聞き流していたから、

全く気付かなかった。

2回目で気づいたけど、

おっちゃん、
軽快なOPに合わせて口パクしてるから、

いったいどういう経緯で、
一行が月影島にやって来たのかがわかりづらい。

ぼやや~んとしかイメージできず、
印象に残らない。

本筋には影響を与えない、
冒頭部分だから、ってことでこういう手法を取ったと思うけど、

実はこの冒頭、すごく大事だと思うんだよね。

だって、あの犯人が、
脅し文句と一緒に送って寄こした捜査依頼なんだよ?

それも、手紙だけじゃなくて、電話までして、
料金前払い(それも50万円)で、依頼してきたんだよ?

それが、どれほどの意味を持つか。

まさに、冒頭でさりげなく見せておいての、
後からものすごく重要な意味を持つシーンじゃないですか。

「夢幻伝説タカマガハラ」で言うところの、
「いただきます」じゃないですか。

「おまえを煮て食ってやる」じゃないですか。

だから、このシーンはもっと、
さりげなく、かつ丁寧に描いてほしかったな。

③につづく。

#アニメ #レビュー

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「ピアノソナタ『月光』殺人事件」で考える起承転結①

thread
その後、アニメ名探偵コナン
「ピアノソナタ『月光』殺人事件」について、

いろいろ調べてみたら、

リブート回、初回放送時にはカットされてた
原作のシーンが追加されてたり、

初回放送時には、
キャラの配置が原作と異っていたシーンを、

原作通りに再現したりと、
細部にこだわった作りになっているようです。

一方で、麻薬のシーンについては、
原作通りに表現する=「舐めさせる」のは辞めてほしいと、
原作者からリクエストを受けていたようで、

初回放送時でも、
匂いを嗅ぐだけで舐めてはいなかったんだけど、

さらにマイルドな表現(見るだけ)になっていました。

随所で細かい気配りをされた作品だったんだなと、
「手抜き」発言をしたことを反省しております……。

個人的にこの事件は、

昔、事あるごとに何回も
初回アニメを見返してたけど、

原作は、「読んだことあったっけ?あったかも?」程度なので、

今回のリブート回を視聴した際には、
その辺のこだわりには気づけませんでした。

ごめんなさいm(_ _)m

ただ、それを知った上で、
あえて言わせてほしいのです。

そこまでの気配りをされているのであれば余計に、
冒頭とラストを端折っちゃダメだよ、と。

冒頭とラストを丁寧に描いてこそ、

初版ではカットされていたシーンを
復活させる意味が出てくる。

むしろそれをしないと、
復活させたところで、

「コナン君、カッコいいっ!!」、
「めっちゃ熱血っ!!」で終わってしまう。

この事件の展開と、
この事件が今後のコナンに与えた影響を
知っている身からすれば、

+@で感じるものもあるにはあるけど、

でも、もう少し、この作品の中で
きちんと伝えてほしかったな、というのが

個人的な感想です。

長くなったので、次回に続きます。

#アニメ #レビュー

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「ピアノソナタ『月光』殺人事件」リブートvsオリジナル

thread
録画していたアニメ名探偵コナンの 
「ピアノソナタ月光殺人事件」リブート版をようやく見た。

ようやく見たけど、
正直、拍子抜けしたというか、なんというか。

物足りない、と言えば良いのか。
なんだかいろんなところが端折られている気がして。

あれ?確かこういうシーンがあったはず、
確かこういう設定だったはず。

あれ?なかったっけ?違ったっけ??
私の記憶違いだったかな……?

そう思って、Youtubeに公開されている、
オリジナル版を見てみたら。

ものすごく、感動した。
ラストで泣きそうになった。

リブート版、あまりにも微妙で、
あれぇ???と思って、

見終わった直後に、
2回目の視聴を試みたんだけど。

その途中で、やっぱりこれは明らかに、
いろんなことが端折られているなぁと思い、

リブート版2回目の試聴を辞めて、
オリジナル版を見てみた。

やっぱり、オリジナル版の方がずっといい。

リブート版、セリフもそうだけど、
作画もちょこちょこ省略されている。

オリジナル版は1時間スペシャルだったから、

それを前後編に分割して放送すること前提で
リメイクするとなると、

どうしてもOPやED、次回予告に割く時間を
2倍として見なきゃいけないから、

端折らざるを得ない部分も
あったんだろうけれど。

でも、オリジナル版では、
セリフと映像できちんと見せてくれたところが、

リブート版ではセリフだけでの説明になってたり、

オリジナル版とほぼ同じセリフを
使っているにも関わらず、

セリフの途中でいきなりブツっと切るから、
前後の脈絡がわかりづらくなっている。

全体を通じて、
ひたすらオリジナルをなぞりながらも、

ところどころ端折るものだから、

そりゃ、物足りなさも感じますよね、っていう……。

リブート版の放送前には散々
「あの伝説の回を現代風にアレンジ」ってPRしてたから、

トリックはどうするんだろう、

あれは、当時だからこそ
成り立つトリックだと思うけど、

それをどう現代風に
アレンジするんだろう、って思ってたら、

そのまんまなんだもんな(笑)

このどこが、現代風にアレンジ?っていう。

単に、リバース再生の仕方をほんの少しだけ、
丁寧に図示しただけじゃないの。

あとは、おっちゃんがやたらと
宇宙飛行士の毛利さんと間違われるシーンをカットしただけ。

あ、もしかしたら、コナンくんが麻薬を
くんくんするシーンも削られていたかもしれない。

あれは、昨今のコンプライアンスを意識してなのかな。

犯人の性別に関する部分が
やけにさらっとしていたのも、

LGBTQに配慮して、
ということだったんだろうか。

でも、だったらそれって、
単に人気の高い「月光殺人事件」を再放送したいけど、

そのままだと、現代のコンプライアンス上、
難しいから、だから、リブートしました、ってこと???

でも、Youtubeでは公式さんがオリジナル版を
公開してくれているわけだし、

あえてリブート版を作る必要性、
あった……???

リブート版における随所での省略は、

現代におけるコンプライアンス上の制約+
現場の省エネ(悪く言うと手抜き)に思えてしまう。

コンプライアンス上の制約は仕方ないけど、

でも、もっとちゃんと作り込んでほしかったな……。

殊に、ピアノの音色が印象的なあの回だけは、
コナンが唯一、犯人を見殺しにしてしまったあの回だけは、

もっとちゃんと作り込んでほしかった……。

それができないのなら、
あえてリブートする必要はなかったと思う。

もっとも、リブート決定に合わせて、

オリジナル版を公式Youtubeで
公開していただけたことについては、

ものすごく感謝しています。


#アニメ #レビュー

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レンアイ漫画家~違和感の正体~

thread
レンアイ漫画家、
ドラマにおける設定改変を批判する声の中で、

「原作のアイコはお金で動く人じゃない」
みたいなのを目にした気がするけど。

一方で、ドラマ化が決まる前に
書かれた原作レビューの中には、

「ヒロインがどうしてそこまでするのかわからない」
という声も多いんだよな……。

他人の子どものために、
偏屈な漫画家のムチャクチャな要求に、

どうしてそこまでして
応えるのかがわからない。

ヒロインに全く感情移入ができない。
そんな声が多い。

ドラマではその理屈付けとして、

アイコに「職無し」、「家無し」という設定を
追加したんだと思うのですよ。

だから、そこの改変に憤っている人って、
原作の違和感には気づかなかったんだろうな、と……。

「女性はたとえ他人の子であろうと、
子どもをほっとけない」っていう、

母性神話の持ち主なのかなぁと。

女性を都合よく捉えがちなのかなぁと。

ぶっちゃけ、
本当に子どものことを考えるなら、

原作のようなクズ男、
苅部清美の元に預けるよりも、

施設に預けた方が
よっぼどマシなんじゃないの???

……って思ってしまう。


#ドラマ #レビュー #漫画

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レンアイ漫画家〜好き、嫌い〜

thread
レンアイ漫画家、
原作をチラ見したけど、

嫌悪感しかない。

原作がモーニング掲載と知って、
なんか嫌な予感したものの、

試しに無料で読めるとこまで
読んでみた。

……読んだことを後悔した。
なんかすごく気持ち悪い。

ドラマを原作の改悪だと
憤慨している原作ファンの方、

男性なのかなって思ってしまう。

原作者も男性と思いきや女性で、
びっくりする。

冒頭でのレイプまがいシーン、
いりますか?

苅部さんもそうだけど、
向後さんがめちゃめちゃ気持ち悪い。

そしてそんなことされても、

逃げも通報も警戒もしない
ヒロインが理解できない。

ドラマのピュアな魅力が
汚された感じがして、

がっかりした。

ドラマ化に当たっての改変は
改悪ではなく、改良だと思う。

変えないとドラマ化なんてできないし、
あえて大きく変えるからこそ、

原作者の了解のもと、
キャラクター名も変えたんだと思う。

ドラマは大好きですが、
原作は無理だなぁ。

#レビュー #漫画

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「犬夜叉」と「半妖の夜叉姫」に思うこと⑤~「魅力的なキャラ」とは何なのか~

thread
④の続き。
たぶんこれが、最後かな?

うん、たぶん。
また書きたくなったら書くかもしれんけど(笑)

今回は、キャラの気持ちを信じる生きたキャラのお話。にも
ものすごく通じるお話。

まずはここで、「半妖の夜叉姫」スタッフのインタビュー記事をご紹介。

半妖の夜叉姫:「犬夜叉」ファンを裏切りたくない 新たな物語を作る覚悟 高橋留美子に学んだ「説得力」
https://news.yahoo.co.jp/articles/3c1e882d8df6ba7378200a2a960da991be0950c3

えっとっ……。

タイトルだけ読むと、
散々、ファンの気持ちを踏みにじった方のセリフとは思えない(笑)

でも、中身を読み解いていくと、

なんとなく、視聴者の認識との乖離が
見えてくる気がする。

>>>『犬夜叉』のキャラクターが愛されるのは、
>>>留美子先生が年月をかけて愛して、
>>>作り上げてきたからだと思います。

う~ん。。。あのですね。

犬夜叉のキャラクターを
愛して作り上げなければいけないのは、

夜叉姫制作陣も同じなんですよ。

むしろ、夜叉姫制作陣は、
留美子先生以上に、

愛して作り上げなければいけないかもしれない。

それが、犬夜叉の世界観を、キャラクターを、
使わせていただくということです。

けれど、それが感じられないから、
ファンは怒りや悲しみに震えているのです。

>>>犬夜叉ファンの方々の期待を裏切りたくないので、
>>>どういう形で登場させればファンの人たちが
>>>納得して見てくれるか、違和感なく入ってくれるか、
>>>どんな落としどころにすればいいかというのは
>>>すごく気を使っています。

>>>ある程度期待感を膨らませて、
>>>少しじらそうかという。

>>>じらされすぎると離れてしまうし、
>>>かといって情報を出しすぎてもいけないので、
>>>そこの駆け引きを大事にしています。

個人的に、ファンの視線を意識しすぎて、
失敗したな、という印象が強い。

どうすればファンが食いついてくれるのか、
どうすれば離脱せずについて来るのか、

そればっかりにご執心で、
肝心なことが置き去りにされている気がする。

結果、どんどんファンが
離れていきましたっていうね(笑)

>>>今回の3姫はスタッフがちゃんと愛情を注がないと、
>>>みんなが好きになってくれないんだろうなと、
>>>かなり覚悟してやっている部分ですね

物語のキャラクターは、
読者や視聴者に愛されるために生まれてきたわけじゃありません。

物語の中で生きるために生まれてくるんです。

彼らは彼らなりに、
自分の人生を、必死で生きているんです。

だからこそ、「物語」が生まれるんです。
「ドラマ」が生まれるんです。

そして、読者や視聴者は、
そんなキャラクターに「共感」するんです。

「愛着」を持つんです。
「嫌悪」するんです。

「泣く」んです。「笑う」んです。
「怒る」んです。

そうやって、「感動」が生まれるんです。

そこを、履き違えている気がする。

もっとも、キャラの全部が全部、
必死に生きていたら、

見ている方も疲れるので(笑)

場を和ませるための
マスコット的な位置づけとして、

登場するキャラももちろんいると思います。

でも、全部が全部、
そうじゃないでしょう?(笑)

「このキャラを好きになってもらうために、
この話を入れよう!」とか、

「親世代を見たがっているだろうから、
見せてあげよう」、

「でもあまり見せすぎるといけないから、
 ちらっとねvv」とか、

なんか本末転倒な気がするんだよなぁ。

物語の構成として、
それが本当に必要であれば、

チラ見せも焦らしも、掘り下げも、
全然問題ないんだけど。

むしろどんどんやってほしいところだけど。

夜叉姫の場合、

「とにかく視聴者を惹きつけること」が
至上命題になってしまって、

物語が物語である所以が
置き去りにされている気がする。

もちろん、一般に公開されている作品である以上、
視聴者がいてこそ成り立つものである以上、

視聴者の視点を意識することは大事です。

けれど、夜叉姫制作陣はそれをしていない。

「視線」ばかり気にして、
「視点」を大事にしていないんです。

それはキャラに対しても同じ。

キャラに向けられる「視線」ばかりを気にして、
「キャラの視点」を大事にしていないんです。

>>>例えば、とわは男装をしているキャラクターですが、
>>>なぜ男装をするのかという理由付けとして
>>>『昔、女の子の格好をして嫌なことがあったから』
>>>『スカートを切られてしまった』という話も出たのですが、

そういうことが出る時点で、
キャラの視点に立っていない気がするし、

ストーリーテラーとして、
物語を俯瞰する視点も欠けている気がする。

いや、その設定が本当に必要であれば、
別にそれはそれでいいんだけど。

「半妖の夜叉姫」という作品の中で、
それは本当に必要か?っていう視点と、

とわ自身の視点の、
両方が欠けている気がするんだよね。

>>>留美子先生は『そういうところで理由付けするより、
>>>ただけんかしやすいからでいいんじゃない』
>>>『そこを深掘りするよりも、とわというキャラクターの
>>>軸をしっかり作ってあげたほうがいいんじゃない?』と。

>>>その子が持っている根底のもの、
>>>それに見合った言動がリンクしないと、
>>>先生は納得してくれないんですよね。

>>>ロジカルな考え方をされるので、
>>>こちらは納得せざるを得ないんです。

>>>キャラクターとして説得力があるということを
>>>すごく大事にされている

すごく重要なことを教わっているはずなのに、
結局は留美子先生の視線を気にしているだけなんだろうなぁと。

「どう見られるか」ばっかり気にしてるから、
キャラが生きてこない。

「物語の装置」としても機能しない。

結果、不自然な言動ばっかりで、
ブレまくりのキャラが出来上がってしまったり、

行動原理が摩訶不思議で共感できないキャラが
出来上がってしまうのです。

上辺だけで中身のないキャラが
出来上がってしまうのです。

これでは、「多くの人にキャラを好きになってもらう」ことはできません。

順番が逆なんです。
愛情の注ぎ方が違うんです。

「みんなに愛されるために、
自分たちが愛さなきゃ」とか、

「こういう風に描けば、
こういう風に見てもらえる」じゃなくて、

「このキャラの視点に立てば、
こういう風に動くだろう」って視点と、

「物語の展開上、このキャラが
こう動くことは必要だろう」って視点。

そして、「読者や視聴者からすれば、
こう見えるだろう」って視点。

それら全てをうまく組み合わせて初めて、

魅力的なストーリーや
魅力的なキャラが生まれるんです。

私はそう思います。

#レビュー #小説執筆

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「犬夜叉」と「半妖の夜叉姫」に思うこと④~物語の根幹~

thread
③の続き。

そんなこんなで、「アニメ犬夜叉」も、
細部を見れば、気になるところはいろいろあったけど。

それでも、原作で打ち立てられた大筋は
貫いてくれたから。

「四魂の欠片を集めて、奈落を倒し、
四魂の玉の因果を断ち切る」という大筋は、

ぶれなかったから。
ぶれようがなかったから。

キャラの描き方についても、

原作ほど、丁寧で繊細な心理描写は
なかったかもしれないけど、

その分、アニオリで
補足してくれた部分だってあるし。

桔梗みたいに、どこかしら性格が
変わっちゃっているキャラも、

中にはいるけれど。

それでも、許容範囲、という表現が
適切かはわからないけど、

原作とアニメ、どっちが好き?っていう、

あくまでも視聴者ないしは読者の
好みの問題でしかなかったっていうか。

せいぜい、殺りんを許せるかどうか、
殺りんを好きになれるかどうか、程度の違いというか。

だけど、夜叉姫の場合は、
大筋がへなちょこすぎるから、

大問題なんだ。

虹色真珠をどうして集めたいのか、
集めてはいけないのかがわからない。

どうして麒麟丸と夜叉姫たちが
戦っているのかがわからない。

そもそも、「夜叉姫」が何なのかもわからない。

どうして夢の胡蝶を探さなければいけないのかも
わからない。

わからないこと尽くしで、
登場人物全員、何をしたいのかがわからない。

これって、物語として、
ものすごく致命的だと思うんですけど(笑)

というか、物語として、
成り立っていない気がする。

こんなんだったら、最初っから、
末法末世だの、剛臆の試しだの、

そんな難しいこと言わずに、

愛矢姫の回みたいな、
くっだらないお子ちゃま向けストーリーに
特化した方がずっとマシだった。

その方がずっと楽しかった。

……もっとも、それで往年の犬夜叉ファンが
納得するかどうかは、また別だけども。

とにかく「謎」を散かしておけば、
適当に人参ぶら下げておけば、

ファンは食いついてくるはず、という、
理解不能な自信に基づいて、

作られてしまった駄作に思える。

「いやいや、自分たちは、
アニメ界に革新を起こしたかったんだ」、

「従来のやり方ではなく、自分たちのやり方で、
どこまで通用するか、やってみたかったんだ」、

「これは果敢な挑戦なんだ」ってことであれば。

「犬夜叉」の名前を借りる必要性、
ないよね……?

どうぞ、ご自由に、ご勝手に、
一からその「革新的な何か」とやらを作ってください。

そう言いたくなってしまう。

ファンの中には、

「カッコいい殺生丸様を見れるだけで幸せ!」、
「可愛いりんちゃんを見れるだけで幸せ!」
「ふたりの可愛らしい娘たちを見れるだけで幸せ!」って人も

いるかもしれないけど。

でも、それにしては、
作画に対する評判が、よろしくない気がする……。

私自身は、作画については、
よくわからんけど。

でも、アニメ作品として、
それもすごく重要な要素だよね。

ストーリーもダメ、
作画もダメじゃあ、

何が良いのか、マジでわからんじゃん。

#レビュー

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「犬夜叉」と「半妖の夜叉姫」に思うこと③~順番と緩急と繰り返し~

thread
②で書いた、「アニメ犬夜叉」無印の、
桔梗復活シーン。

詳しく紹介してくださっているブログがあったので、
ご紹介。

アニメ「犬夜叉」レビュー ~15話 悲運の巫女 桔梗復活~
http://anchanging09.blog.fc2.com/blog-entry-20.html

このブログを読みながら、
改めて記憶を辿ってみたけど。

やっぱりこのシーンは私、
断然、原作派だな。

物語の構成、という観点で見ても。

主人公である犬夜叉サイドで過去を語った上で、
桔梗サイドでもう一度「過去」が語られた方が、

犬夜叉の「オレはそんなことしてねぇぞ!?」、
「なんでこんなことになったんだっ!?」っていう、

驚きや戸惑いが伝わってくる気がする。

アニメでは、犬夜叉の回想シーンに尺を取るために、
あえて順番を入れ替えたんだと思うけど。

でも、そのせいで、楓婆ちゃんの反応が
どうもちぐはぐになってしまっている……。

だって、先に犬夜叉から過去を聞いたからこそ、
「おかしい……。そんなはずは……」って思うわけでしょ。

犬夜叉が語ったことが、真実には思えなくて、
でも、彼が嘘をついているようにも思えなくて。

戸惑いながらも、裏陶の元へ向かうわけでしょ。
そんで、そこで姉である桔梗に再会するわけですよ。

強固な結界に守られていたはずのかごめの魂が、
犬夜叉に「前世」の名前を呼ばれた途端に弾け飛び、

まがいものの体に入る。
そして、桔梗が現世に蘇る。

目覚めるつもりなどなかったのに、
無理やり起こされて、
不機嫌なまま、裏陶を滅して、

そんで、切なげな顔で犬夜叉の顔を見つめて、
彼の名を呼んで。

そんでまた、切なげな顔で近づいて、
「本当に、犬夜叉なのか……?」って呟いて。

……からの、「――なぜ裏切ったっ!?」

もう、この流れが最高なんだよね。

アニメだと、桔梗の態度が終始、
怒、怒、怒、だったと思うんだけど。

原作だと、違うんだよ。
絶えず、愛憎の狭間で揺れ動いているんだよね。

楓婆ちゃんだって、もはや仲間同然の犬夜叉と
敬愛する実の姉の間に挟まれて、

難しい立ち位置なわけで。

そんな中で、怒りに打ち震える姉が、
犬夜叉を攻撃するのを必死に止めようとする。

それがすごくいいのにさ。

アニメじゃ、いきなり桔梗が血まみれになって、
驚く犬夜叉に対して楓婆ちゃん、

「おまえがやったのだろう」って。
そりゃ、ないぜ。

そのくせ、「お姉さま、犬夜叉は敵ではありません」って、
矛盾しとるがな……。

アニメで丸々カットされた、
「黙れっ!!」のあのシーンだってさ。

あれだけで、犬夜叉と桔梗のふたりが
好き合ってるのが伝わってくるじゃん。

身に覚えのない濡れ衣着せられて、
理不尽に攻撃してくる相手をぎゅっと抱きしめて、

「おまえも辛かったんだな……」って、
「オレよりも、ずっとずっと辛かったんだな……」って、

ぐっと来るじゃん。
ほだされそうになるじゃん。

そんで、そこで一度、鎮まるからこそ、
次に来る憎悪の激しさが際立つんじゃん。

原作だと、この緩急が見事なんだよね。

犬夜叉に抱きしめられて、
鎮まりかけたように見えた桔梗が、

再び憎悪を燃やして、
犬夜叉に襲い掛かる。

もはや太刀打ちする術無し、
といったところで、

ついにかごめが意識を取り戻す。

物語の基本は「繰り返し」
そのものじゃないの。

桔梗と犬夜叉の過去の描写だって、
まさにそうだし。

1巻冒頭で描いてからの、
5巻中盤で犬夜叉の夢として再描写して、

5巻終盤&6巻序盤で、
犬夜叉と桔梗、それぞれの目線で「真実」を語らせる。

本当に、見事だと思う。

それを、順番入れ替えてまとめて尺取って、
犬夜叉が桔梗のストーカーっぽいことしてるのとか、

生前は、巫女として自分を律しているはずの桔梗が、
ふらついて犬夜叉に抱きしめられて恥じらうとか、

そういうのを回想シーンに入れるのは、
なんかイメージ狂うんだよなぁ。。。

アニメから見た人にとっては、
あれがスタンダードになっちゃうんだろうけども。

桔梗の一方的な激しい憎悪を見せられてから、
犬夜叉の淡い恋心を見せられても、

犬夜叉、あんた、厄介な相手を好きになっちゃったねぇ、
としか思えないような……。

実際、ついさっき、
改めて動画サイトで該当シーンを見直してみたけど、

そう思っちゃった(苦笑)



#レビュー

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「犬夜叉」と「半妖の夜叉姫」に思うこと②~期待と距離感~

thread
①からの続き。

そんなこんなで、
原作コミックスを手放したものの、

犬夜叉そのものを嫌いになったというわけではなくて。

なんなら原作については、

手放した十数年後に、
お気に入りの巻だけ買いなおしたりしたし。

アニメも、無印はもちろん、
完結編も見ました。

「長いなぁ」という印象はあるけれど、
それでも嫌いになるということはなかった。

ただ、原作をアニメ化するにあたり、
「どうしてそうなった……」と怒りや失望を感じ得ないシーンが、

実は無印初期の時点であったんだ……。

それは、すごくすごく楽しみにしてた、
桔梗復活のシーン。

え……?ちょっと待って。
なんで楓婆ちゃん、

「おぬし……、あの時、桔梗お姉さまと何があった……?」って聞かないの?

え……?なんでいきなり、
桔梗が血まみれになるの……?

驚く犬夜叉に対して、楓婆ちゃんまでが、
桔梗と一緒に、「何を今更」と言わんばかりに、

「おまえがやったのではないか」とか言い出すし。

おまけに、犬夜叉が「黙れっ!!」って言いながら
桔梗を抱きしめるシーンがなくなっていたし。

あのシーン、大好きだったのに。

もう、改悪が酷すぎて、
子どもながらに、笑うしかなかったんですけどwww

そのくせ、アニオリで丁寧に、
桔梗と犬夜叉の馴れ初め話を描かれても、

興覚めしちゃったんだよなぁ……。

アニメのあのシーンが大好きな人には、
申し訳ない……。

もう、私の中では、あの時点ですでに、
アニメに対する期待が一度壊れたので、

それ以降は、そこまで大きな期待をしなくなったんだよなぁ……。

だから、原作の桔梗ファンが、
アニメでの桔梗の描き方にイチャモンつけてる時も、

「あ~、まあ、そうかも?」程度にしか思っていなかったような……。

たぶん、今思うに、
私が桔梗復活のシーンに感じた思いは、

原作が好きすぎるからこそ、
期待が大きかったからこそ、

感じた違和感や嫌悪感で、

いったん原作と離れて、アニメ単体で見れば、
期待をせずに見れば、

あの展開は、そこまでおかしいものでは
なかったのかなぁと。

アニメだけ見てた人には、
案外、すんなり受け入れられるシーンだったのかなぁと。

今回の「夜叉姫」に対する巷の反応についても、
「期待」が大きく影響しているのかなぁと。

私自身、「夜叉姫」の放送を
楽しみにしていなかったと言ったら噓になるけど。

でも、放送前の時点で、
高橋留美子先生はキャラデザにしか関わっておらず、

原作のない、完全アニオリ作品だってことは知ってたし。

もっとも、「アニメ犬夜叉」無印のアニオリ回の中には、
クオリティの高さを評価されて人気の話もあって、

「夜叉姫」は当時のスタッフによる制作だから、
「期待したい」というファンの声も耳にしていた。

私はその声に同調しつつも、

「でも、桔梗復活のシーンを改悪した人たちだからな……」って
気持ちも心のどっかにあって、

そこまで大きな期待はしてなかったんだよね。

だから、いざ夜叉姫が始まってみたら、
「意外とおもしろいじゃんっ!?」ってのが率直な感想だった。

うん、面白かったよ、途中までは。

視聴者の中で、「あの回はいらない」と声高に言われている、
愛矢姫の回も、私は好きでした。

あのくだらないバカバカしさが微笑ましくて(笑)

物語の大筋と何ら関係ない、
けど楽しめるあの回はすごく好きだった。

ただ、なぁ……。
肝心の「大筋」がハチャメチャなのよ、夜叉姫は。

私自身は、「夜叉姫」が
親世代の話とは全くの別物と思ってはいるから、

犬夜叉やかごめが出てこないなら出てこないで、
それはそれでいいんだけど。

変にチラ見させといて、
その後なしのつぶてって、どうなの!?っていう。

犬夜叉ファンに期待だけさせといて、
詐欺まがいに視聴率や金を巻き上げようとしている。

そんな風にしか見えなくて。

何の技術も努力も無しに、
安易にファンを釣ろうとしているようにしか、思えなくて。

こんなのが「プロ」による商業作品かと思うと、
情けなくて、腹立たしくて。

未だに小説家になる夢を抱きながら、
趣味で二次小説を書いている身からすると。

実際に書いている二次小説は、
犬夜叉とは別作品だけど、

犬夜叉の影響を大いに受けた作品を
書いている身からすると。

もう、噴飯ものだし、怒り心頭だしで、
言いたいことがありすぎるのですよ、夜叉姫には。

構造的に、おかしすぎるのだもの。

「2期に期待」なんて、私は到底言えない。

だって、無理だもの。

脚本が破綻しているもの。
そのことに気づかずに、どんどん破滅していく人たちだもの。

にも関わらず、「2期制作決定っ!!!!」なんて
やっちゃう人たちだもの。

「伏線」の何たるかをわからずに、
適当に「謎」を散らかしまくって、

何ら拾おうとしない人たちだもの。

あんなの、「伏線」じゃなくて、
単なる「ゴミ」です。「爆弾」です。

「線」になんて、全くなっていないもの。

期待を捨てきれないファンには申し訳ないけれど、
私は2期に期待なんてできない。

どなたかが呟いておられた気がするけれど。

もし仮に、2期が傑作になったとしたら、
それはそれで、「1期は何だったんだ」って話なんですよ。

「2期でそれができるなら、1期でもできたでしょ」って話なんですよ。

あれだけ素晴らしい素材がそろっていたのに、
おもしろくなる要素はいっぱいあったはずなのに、

それを全て無駄にした制作陣に、
私はもはや、何の期待もできないし、

「とりあえず、期待せずに見てみよう」という気にもなれないわ。
それはもはや、1期で済ませたことだから。

その結果が今だから。

ああ、本当に、
腹立たしいったらありゃしない。



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