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- 今年の読書(47)『歪 捜査一課・澤村慶司』堂場瞬一(角川文庫)
長浦市の大学4年生の<日向毅郎>は、振り込め詐欺グループのリーダーとして、次なる事業の展開を図るべく動いていましたが、銀行のATMから金を引き出す役の<氏原>は警察に目を付けられたことにより殺害してしまいます。
逃走資金として、振り込め詐欺で儲けた現金を、東北の雪深い実家に隠していたのを取りに戻った時に、偶然高校の同級生<井沢真菜>と駅で出会い、<真菜>も長浦市に住んでいるとのことで、同乗して帰ることになりまが、<真菜>も2歳の娘を凍死させ交際中の男を刺殺していました。
無関係に思われた殺人事件ですが、県警捜査一課の<澤村>は、刑事の感で二人の実家のある東北へと足を向けていきます。
前作 『逸脱』 から引き続いて登場する上司の<谷口>一課長、情報統計官<橋詰真之>、初々しい女性刑事<永沢初美>等の脇役がいい存在感でもって描かれています。
虚無的な殺人者の性格と、それを追う刑事たちの推理が交差しながら物語は展開、残りのページが少なくなるにつれてどのような結末で終わるのかと、楽しめた一冊でした。
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