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- 今年の読書(77)『エコイック・メモリ』結城充孝(光文社文庫)
前作 『プラ・バロック』 で日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した作品に次ぐ2作目で、機動捜査隊所属の女性刑事<黒葉祐(クロハユウ)>が主人公です。
今回は動画投稿サイトに「回線状の死」とのタイトルで、4人の男女がそれぞれ残酷な方法で殺される場面が映し出され、本物かいたずらかを調べるために<クロハ>は、3日という期限での捜査を命じられます。
序盤から犯人との追撃戦が繰り広げられる中、並行して相棒の刑事との確執、亡くなった姉の子供の親権を義兄と争う心の逃走などの伏線が絡み合い、<クロハ>の心境を読者は感じ取りながら物語が進んでいきます。
心の癒しとしてのネットの「バーチャルゲーム」の存在も、<クロハ>にとっては前作と同様に重要な位置を占め、現代性を持たせた意味合いが大きな存在として絡んでいます。
(前作と同様に表紙に「アゲハ」が飛んでいますが、<クロハ>のハンドルネームです)
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