今年の読書(30)『衣更月家の一族』深木章子(講談社文庫)
Mar
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夫から逃げ出した妻<宮坂晴菜>は、姉<廣田優子>の家に逃げ込みましたが、夫<宮坂弘毅>は訪れた際、応対に出た<優子>を撲殺したことで逃亡したのですが、観念して自首してきます。
<弘毅>の話から、<優子>は愛人宅で生活している夫<聖一>を殺害しようと考えていた節があり、<弘毅>は<聖一>と間違われて殺されそうになったと正当防衛を主張、事件は傷害致死で一件落着しますが、この事件がそのものが、複雑な家族関係とお金に対する強欲な世界の幕開けでした。
著者は東京大学法学部卒の元弁護士であるだけに、犯罪者の心理と状況の分析が素晴らしく、秀逸な犯罪ミステリーでした。