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- 今年の読書(63)『眺めのいい部屋売ります』ジル・ジメント(小学館文庫)
ニューヨークのイースト・ヴィレッジに立つ築106年のアパートには、エレベーターがありません。画家の<アレックス>78歳と元国語教師の妻<ルース>77歳は、45年間、5階の眺めのいい部屋に住んでいました。
子供が無く、ミニチュア・ダックスフントの愛犬<ドロシー>12歳と穏やかな日々を送っていましたが、足腰が弱ってきた彼らは、エレベーター付きのアパートに変わる計画を立て、自宅を売却することに決心します。
明日がオープンハウスというとき、<ドロシー>に椎間板の異常が見つかり急きょ入院手術、またテロリストと思われる人物が、アパートに近いミッドタウン・トンネルでタンクローリー事故を起こし逃亡するという事件が発生します。
物語は終末の金曜日に始まり、<ドロシー>の病気を気にしながらも。自分たちの新しいアパートも探さなければならず、月曜日までの三日間の出来事が描かれています。
老夫婦の洒脱な会話を中心に、合わせて<ドロシー>の目線で語られ、人と動物の織りなすゆるぎない信頼関係に、犬好きとしてはほっと心安らぐ一冊でした。
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