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- 今年の読書(7)『オーパーツ 死を招く至宝』蒼井碧(宝島社)
本書『オーパーツ 死を招く至宝』は、第16回「このミステリーがすごい!」大賞の大賞受賞作です。タイトルの「オーパーツ」とは「Out Of Place ARTifactS」、つまり「場違いな工芸品」のことです。当時の技術や知識では制作不可能なはずの古代の工芸品などを意味し、ナスカの地上絵、イースター島の人面石像などがその例です。
貧乏大学生<鳳水月>の前に、瓜二つな男<古城深夜>が現れます。同級生の<古城>は「オーパーツ鑑定士」だと自称する。水晶の髑髏に囲まれた考古学者の遺体、夫婦の死体と密室から消えた黄金のシャトル......二人のコンビはさまざまな事件現場に立ち会う。さてうまく解決できるのか。
4つの事件から構成されていますが、いずれも物理トリックが用いられている。瓜二つな二人のやりとりは掛け合い漫才のようで、テンポよくストーリーは展開します。<古城>のオーパーツに関するうんちくが楽しめます。
4つの事件の舞台となるオーパーツに関連はなく、独立したお話かと思っていたら、最後に壮大なオチが待っています。二人の主人公が瓜二つと設定されたのは、必然性がありました。 シリーズ化が期待できそうな二人のコンビです。
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