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今年の読書(58)『職業としてのAV女優』中村淳彦(幻冬舎新書)

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今年の読書(58)『職業として...
本書『職業としてのAV女優』は、アダルトビデオの現場で起きていることはすべて、需要と供給の市場原理で説明できることを教えてくれています。

21世紀に入ってからのAV業界の大きな変化は、供給の爆発的な増加です。かってAV女優になるのは、家庭などに複雑な事情のある女性たちでした。今では、インターネットに「モデル募集」の広告を出すだけで、AV女優志願者がいくらでも集まるそうです。

自分の性を晒すことに抵抗がなくなったこともあるでしょうが、著者は、一番の理由はデフレ不況だといいます。最近のAV女優の典型は、地方から東京に出てきて、働きながら看護士などの資格を取ろうとする真面目な女の子たちです。
時給900円のアルバイトでは家賃を払うと生活が成り立たない。かといってバイトの時間を増やすと学業と両立できない。こんな悩みを抱えた女の子が、短時間でできる仕事をネットで検索してAVに辿りつくとか。また、ごく普通の主婦にも広がっているとか。これもデフレ不況の影響で、夫の収入が減る一方で子どもの教育費がかさみ、生活費の不足から消費者金融でつい借金をしてしまう。その返済に困った主婦も、子育てと両立できる仕事を探していて、ネットで「モデル募集」の広告を見つけると続々と応募があるようです。

AV女優の供給過多の一方で、需要側の変化は市場の縮小とユーザーの高齢化だ。どんな作品でも売れた時代もありましたが、今はネットに無料の動画が溢れていて、若者はAVにお金を払おうとはしない。高齢化した消費者が若い女性を好まないことで、需要と供給のミスマッチはさらに拡大する。こうしてAV女優の「品質」が上がると同時に価格(出演料)が大きく下がっていきます。

デフレ不況のAV業界では、若くてかわいいだけでは相手にされない。時間や契約を守り、礼儀と常識をわきまえ、プロフェッショナルな仕事ができなければ生き残れない世界になりつつある現状が、よく理解できました。
#ブログ #新書 #読書

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