神戸：ファルコンの散歩メモ

昨年、ワンセグ放送を受信できる携帯電話を持っていたら、ＮＨＫと受信契約を結ぶ義務があるのか。この点が争われた裁判の控訴審判決が２０１８年３月２６日、東京高裁でありました。＜深見敏正＞裁判長は「義務がある」と判断し、「なし」とした一審・さいたま地裁判決を取り消していました。

裁判では、ワンセグ携帯を所有することが、放送法で受信契約を義務づけるとした「受信設備の設置」に当たるかが焦点になっていました。＜深見＞裁判長は「設置には受信機を一定の場所に設置する場合だけでなく、携帯型受信機を携行する場合も含まれる」と指摘。ワンセグ携帯を所有することも受信設備の設置に該当すると判断し、義務があると結論付けていました。

テレビを視聴できるワンセグ機能付きの携帯電話を持つと、ＮＨＫ受信料　の契約義務が生じるかどうかが争われた２件の訴訟の上告審決定で、最高裁第３小法廷＜山崎敏充＞裁判長は３月１３日までに、義務はないと主張する原告の上告をいずれも退けています。契約義務を認め、ＮＨＫ勝訴とした二審東京高裁判決が確定しました。

放送法６４条は、ＮＨＫの放送を受信できる設備を設置した者は契約義務があると規定。ワンセグのみで視聴した場合もこの規定に当たるかが争点でした。

ＮＨＫの受信料契約は１世帯１契約。訴訟では自宅にテレビがない場合が問題でした。すでに契約済みの世帯が、ワンセグ携帯やワンセグ機能付きのカーナビなどを複数持っていても追加契約などは不要。受信料を巡る実務への影響はほとんどないといいます。