第161回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が17日、東京・築地の「新喜楽」で開かれ、芥川賞に<今村夏子>さん(39)の『むらさきのスカートの女』(小説トリッパー春号)、直木賞に<大島真寿美>さん(56)の『渦 妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん) 魂(たま)結び』(文芸春秋)が選ばれています。
<今村>さんは(1980年2月20日)うまれで広島市安佐南区出身。2010年に『あたらしい娘』で太宰治賞を受賞してデビュー。同作は『こちらあみ子』に改題して三島由紀夫賞も受賞しています。芥川賞は3回目の候補で受賞が決まっています。
受賞した『むらさきのスカートの女』は、近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方のない〈わたし〉が、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導するという物語です。
<大島>さんは(1962年9月19日)生まで愛知県名古屋市出身。1992年『春の手品師』で第74回文學界新人賞受賞。同年すばる文学賞最終候補となった『宙の家』が刊行されています。2012年『ピエタ』で第9回本屋大賞第3位。2014年『あなたの本当の人生は』で第152回直木三十五賞候補となり、本作が2回目の候補入りで受賞しています。
受賞作は浄瑠璃作者「近松半二」の生涯を描いており、著者の長年のテーマ「物語はどこから生まれてくるのか」が、義太夫の如き「語り」にのって、見事に結晶した長編小説です。
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