今年の読書(93)『越後・会津殺人ルート』西村京太郎(光文社文庫)
Nov
21
東京・井之頭公園でクラブホステス「原田みゆき」が刺殺死体で発見されます。彼女のバッグの中には「十津川警部」の名刺と明日からの東北へ向かう切符があり、何かの罠ではと訝りながら、「十津川」は会津若松へ向かう「スペーシア号」に乗り込みます。車中呼び出し電話を受ける「十津川警部」でした。被害者である「原田みゆき」と「十津川」には面識がなく、彼女の捜査を始めた途端に謎の電話がかかってきたことから、「十津川」はこの殺人事件そのものが自分をおびき出す為に仕組まれた罠であったことを確信します。
その日は東山温泉に一泊し、翌日に喜多方のとあるラーメン店で食事をしていたところ、女性カメラマンを名乗る「渡辺ひろみ」という女性が接近してきます。
「渡辺ひろみ」は、「十津川」と同じ岩室温泉に宿泊するのですが、その夜なんと岩室温泉で「渡辺ひろみ」が殺害されてしまい、その容疑者として「十津川」自身が身柄を拘束されてしまいます。
しかも、十津川の荷物の中から見覚えのないフィルムが発見され、それを現像してみたところ「十津川」が東山温泉付近の神社で「小坂井めぐみ」を絞殺する場面が撮影されており、福島県警が、「渡辺ひろみ」が殺害された当夜に連絡を取っていた友人に確認してみたところ、なんと友人宅の留守電に「東山温泉で殺人を犯した男と再会した。男の正体は警視庁の「十津川」という刑事で・・・」というメッセージが残されていたことが判明します。
こうして、「東山温泉で女性殺しを撮影された十津川が、口封じの為に目撃者をはるばる新潟まで追いかけてきて殺害した」ことになり、身柄を拘束されてしまいますが、亀井刑事たちの捜査で、「小坂井めぐみ」の背後関係から、「十津川」と因縁のある「人物」の存在が浮かび上がってきます。