今年の読書(22)『モールハンター』初瀬礼(双葉文庫)
Mar
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新聞広告を見て、女性捜査官「水野乃亜」が主人公だということで手にしてみましたが、すでに第1巻として『警察庁特命捜査官水野乃亜 ホークアイ』(2019年6月)が刊行されているようで、本文中に第1巻の流れをくんだであろう表現の箇所が多く出てきていました。やはり、シリーズ物は最初から続けて読むのがいいようです。
コロナ禍後、外国人労働者の受け入れ拡大に伴い外国人犯罪も増加傾向にあり、上海マフィア「七合会」を中心とし、日本の半グレ集団との抗争が絶えません。
そんな中、国は隠密に通訳を兼ねて外国人警察官の採用を検討、各国の現役警察官を通訳だとして、組織に採用、法案改正の実績を作ろうと、警察庁キャリアの「水野乃亜」に管理官として着任させますが、留置していた事件の関係者が毒殺されるという事件が発生。
警察上層部は、組織内部に「モール=内通者」がいるということで「水野乃亜」に殺人事件捜査と合わせて、「モール」のあぶり出しを任せます。
現場のノンキャリア刑事たちと、通訳という隠れ蓑の刑事たち、キャリアの「水野乃亜」という三すくみの中での捜査が進みます。事件解決後は、やはり「ホークアイ」で取り逃がした「遠藤美沙」の名が登場、第3巻へと続く伏線が感じ取れました。