ファルコン昆虫記(948)【ヤンバルトサカヤスデ】
Sep
10
「ヤスデ」は倒木や落ち葉を食べ、分解する益虫です。しかし、一部の種類を除き「大量発生する」「刺激を与えると不快臭を伴った体液を放つ」「家屋に侵入する」といった性質を持つことや、見た目に嫌悪感を抱く人も多いことから、不快害虫とされています。また、体液には毒性があるため、素手で触るとヒリヒリとした痛みを感じるといったこともあります。
日本のいくつかの地域で増えつつあるのが、台湾原産の外来生物である【ヤンバルトサカヤスデ】です。体長は25~30ミリ程度で、他の「ヤスデ」より大きめ。体色は褐色で、淡褐色と濃褐色の縞模様があるのが特徴です。人や農作物に害は与えませんが、大量発生し、不快感を与えることがあります。
【ヤンバルトサカヤスデ】の寿命は1年ほどで、交尾期は10〜12月ごろです。交尾をしてから約1カ月後、一度に数百個もの卵を産みます。卵は8日ほどで孵化し、幼虫、亜成体から成虫に成長します。
【ヤンバルトサカヤスデ】は他の「ヤスデ」と同じく落ち葉や朽木など、腐った植物質を好みます。日中は日当たりが悪く湿度の高い草地、落ち葉の下、側溝などに潜み、夜間に動きが活発になります。湿度が高い夜には、集団で大移動することもあるようです。