31日の米株式市場でダウ工業株30種平株価は一進一退で始まりました、朝発表の米雇用関連指標が労働需給の緩和を示す内容で、米連邦準備理事会(FRB)の利下げを後押しする内容と受け止められました。買いが一巡した後、ダウ平均株価は上げ幅を縮め、下落に転じる場面が出ています。ハイテク株の下落が投資家心理の重荷になりました。
朝発表の1月の全米雇用リポートでは非農業部門の雇用者数が前月比10万7000人増と、市場予想(15万人増)を下回りました。2023年10〜12月期の雇用コスト指数は前の四半期に比べ(0.9%上昇)し、市場予想(1.0%上昇)に届きませんでした。労働市場の過熱感が薄れているとの見方から、米債券市場では長期金利が前日終値(4.03%)を下回る(3.9%台半ば)で推移しています。
午後に入り、米連邦準備理事会(FRB)が31日の
米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明で早期の利下げに慎重な姿勢を示したことが相場の重荷となりました。一方、(FOMC)後の<パウエルFRB議長>の記者会見が行われるなかで売り買いが交錯し、ダウ平均は上昇に転じる場面がありました。
(FOMC)声明では追加利上げに含みを持たす文言を削除した代わりに、「インフレ率が持続的に(政策目標の)2%に向かっているとのより大きな確信を持つまで、政策金利の引き下げが適切になるとは考えていない」との文言を加えています。声明を受けて米金利先物市場では3月の利下げ予想確率が(FOMC)開催前の水準から低下しています。
終値は、前日比317ドル01セント(0.82%)安の3万8150ドル30セントで終えています。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は、前日比345.88ポイント(2.23%)安の1万5164.01でした。
S&P500種は、前日比79.32ポイント (1.61%)安の4845.65でした。