日本各地の生活や民族を記録する作品を数多く手がけた記録映画作家・映像民俗学者の<姫田忠義>率いる民族文化映像研究所が、新潟県の最奥で自然に寄り添う暮らしを続けてきた山村・奥三面(おくみおもて)の最後の姿をとらえたドキュメンタリー『越後奥三面 山に生かされた日々』は、1984年9月21日より公開されていますが、この度、2024年4月27日よりデジタルリマスター版でリバイバル公開されます。
新潟県北部の朝日連峰に位置する奥三面では、山の恵みを隅々まで利用する生活が昭和の終わりまで奇跡のように保たれてきました。冬の深い雪に覆われた山では、ウサギなどの小動物や熊を狩り、春には山菜採りや、慶長2年の記録が残る古い田での田植え。夏の川では仕掛けやヤスでサケ・マス・イワナを捕らえ、秋になると木の実やキノコ採り、仕掛けや鉄砲による熊狩りが行われます。
ダム建設による閉村を前に、映画スタッフは1軒の家と畑を借り、1980年から4年間にわたって村の暮らしを撮影。村人たちが連綿と続けてきた山の生活を、四季を通じて丹念に映し出しています。