26日午前の東京外国為替市場で、円相場は大きく上昇でした。12時時点は「1ドル=143円92〜94銭」と前週末17時時点と比べて1円89銭の円高・ドル安でした。10時すぎには一時「1ドル=143円45銭」近辺と5日以来3週ぶりの高値をつけています。米連邦準備理事会(FRB)による9月の利下げ転換が確実視されるなか、日米で金融政策の方向性が違うことに着目した円買い・ドル売りが活発となりました。
23日、<パウエル(FRB)議長>は米カンザスシティー連銀主催の国際経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演し「政策を調整すべき時が来た」と述べ、9月の利下げを事実上予告しました。雇用情勢の悪化に配慮する姿勢を示したことで経済データ次第では通常の(0.25%)を超える幅での利下げもあり得ると受け止められ、円やユーロなど主要通貨に対するドル売りが膨らんでいます。
23日には日銀の<植田和男総裁>が衆参両院の閉会中審査で、想定している経済・物価見通しが実現していけば利上げを続ける考えを改めて示しました。
前週末にかけて日米の株価が半値戻しを試すなど金融・資本市場の混乱が収束しつつあるのも、利上げを後押しするとみられています。26日午前の東京市場では輸出企業など国内実需筋による円買い・ドル売り観測も相場を押し上げています。