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本来なら春先から夏に向けて開花する【ラベンダー】ですが、植え込みの中で、かわいらしい紺青色の小さな花を咲かせていました。
寒いこの季節、なんだか葉が白っぽく、寂しげな色合いでしたが花穂はシソ科の特徴通り、順次下から花を咲かせているようです。
草の葉のように見えますが、背丈の低い常緑低木で、ポルトガルの国花です。
【ラベンダー】の由来は、ラテン語の「ラブァンド」(洗う)にちなみ、古代ローマにおいて入浴時に広く使用されたことによります。
本来は芳香性があり「香りに女王」と呼ばれていますが、さすがにこの時期では香りが弱く、お楽しみは春先までおあづけです。
一見ブルーベリーかと間違えそうな藍黒色の実の【シャリンバイ(車輪梅)】です。
表面に白い粉をかぶっている状態も、特徴的だと思います。
5~6月ごろ、5弁の淡紅色の花をつけますが、バラ科だけあって小さくてもかわいい花が咲き出します。
枝が一ヶ所から四方に放射線状に伸ばす形が車輪の骨組に似ており、また花の形が梅に似ているので、この名前が付けられました。
写真の葉は長めでノコギリ歯状のビザギザがありますが、丸い葉の形をしたのは「マルシャリンバイ」と呼ばれています。
奄美大島の大島紬には、この【シャリンバイ】の樹皮をはがし、伝統的な「泥染染色」の材料として使われ、渋い黒色を出すために使用されています。
小鳥たちがついばみに来ないかと、前を通るたびに眺めていますが、いまだ遭遇する機会に恵まれておりません。
生花店の店先で見かけました【フェリーポン】です。
以前にも生花店で見かけたスプレーマム(洋風の菊)として、丸い 「ピンポンギク」 を紹介しました。
こちらの【フェリーポン】は、頂部が淡い緑色の花弁で、いい表情を与えています。
ピンポン玉大の丸くかわいい花ですが、「ピンポンギク」と同様、とてもキク科の花とは思えません。
生け花に用いれば、面白いアクセントになりそうです。
この時期ですのであまり花が咲き誇ってはいませんが、一面に花が広がる【アリッサム】を見つけました。
原産地は地中海沿岸で、アブラナ科の花ですので、花径1センチにもなりませんが、かわいい4弁の花びらが見て取れます。
花色は多彩で、白を代表として赤・紫・桃色等が楽しめ、少し甘い芳香性があります。
和名では「ニワナズナ(庭薺)」として、知られています。
このまま咲き続け、時期になれば一面が花の絨毯で覆われる日を、楽しみに待ちたいと思います。
小さな十字形の花が、くす玉状に咲き、赤色・桃色・橙色・白色等、種類の多いアカネ科ブヴァルディア属の花です。
花冠は4裂、ほのかな良い香りがあり、花弁の管が長いのが特徴です。
和名では管の長いことより、「カンチョウジ(管丁字)」と呼ばれています。
原産地はメキシコ・中南米地域で、常緑低木種です。
ルイ13世の王室庭園長でもあり、植物学者であった<シャルル・ブーバル>にちなんで名称がつけられており、多数の園芸品種が出回っています。
ちなみに写真の【ブヴァルディア】は「ロイヤルダフネP]という品種です。
「葉」を観賞する植物も多いですが、このメギ科の【お多福南天】もその類です。
赤色の実のなる「南天」や白色の実の「白実南天」の木と違い、草丈の伸びない矮性ですので、30~50センチ程度の高さにしかなりません。
「葉」の形がふっくらと膨らんでいますので、<お多福>の名称が付けられ、江戸時代に品種改良されています。
別名「阿亀(オカメ)南天」とも呼ばれています。
この寒い時期には深紅色の「葉」として美しい紅葉を見せてくれていますが、春先になってきますと緑色に戻る面白い「葉」です。
原産地はチリの常緑性低木の【ゴーテリア・ムクロナタ(真珠の木)】ですが、商品の流通過程で「真珠の木」と名付けられました。
ツツジ科ゴーテリア属に分類されていますが、以前は「ペルネッティア属」でしたので、旧属名の「ペルネッティア」としても、園芸店では流通しています。
流通名称としての「真珠の木」は、まさに白い実のひとつひとつが、真珠の粒にそっくりです。
つぼ型の白い花を下向きに咲かせ、白色の実だけでなく赤色・桃色・暗紫色等の実をつけるのもありますが、真珠の木としては白い実がお似合いだと思います。
ゴーテリア属といえば、赤色の 「チェッカーベリー」 と「アカモノ(イワハゼ)」の3種類しかなく、どれも丸い実が印象的です。
この<アネモネ>も、一重咲きから八重咲、花弁(蕚片)の色も多色で、また草丈の高さも茎の長い高性から矮性まで他品種に渡ります。
<アネモネ>という名前の由来は、種子に長い毛があり「風」に運ばれるところから、ギリシャ語の「風(=アネモス)」に由来します。
原産地は、ギリシャ語の命名ということもありますが、地中海沿岸です。
ギリシャ神話に、美少年アドニスが流した血からこの花が生まれたという伝説があり、「アドニス」とも呼ばれています。
和名では「ぼたんいちげ(牡丹一華)」と呼ばれている、キンポウゲ科の花です。
アドニスは愛の女神アフィロディーテに愛された少年でもあり、アドニスの短い命を悲しみ、風に飛んでゆく花の行方を追いながら涙ぐんでいました。その涙もまた花となり、こちらは「バラ」になったようです。
真紅の色合いの花を見ておりますと、若き美少年の血から生まれたというのも、まんざら嘘ではなさそうな感じがしてきます。
端正な白い花の 【シュウメイギク(秋明菊)】 が花も散り、子孫を残すべく綿毛と共に種子が出来ていました。
「ヤナギトウワタ(柳唐綿)」 のような大きな種子ではなく、胡麻粒大の大きさですが、いかにも風に乗り遠くまで飛んで行けそうな形です。
種子の付き方が面白く、「フッ」と吹きたくなりますが、自然の風に身をゆだねる方が楽しいだろうとおもい、そっと眺めておりました。
秋から冬にかけて、黄色い花を咲かせる 【ツワブキ(石蕗)】 ですが、冠毛の種子が出来ていました。
一輪咲きだした花の写真を取りました、同じ【ツワブキ】の散房花序です。
【ツワブキ】は、キク科ツワブキ属で、「タンポポ」はキク科タンポポ属と、属は違いますが、同じキク科として「タンポポ」の種子と間違えそうな形状をしています。
花だけの観察ではなく、このように種子まで見ておりますと、うまく系統立てて植物を分類しているものだと、改めて先人の研究に頭が下がります。
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