ロードトリップの旅の後半の目玉、 シオン国立公園へ。 「シオン」とはエルサレムの別名であり 20世紀初頭のヨーロッパ系移住者たちが理想郷建設を夢見ながら名付けた。 観光名所となっている3つの岩山が連なる場所は、 The Court of Patriarch (族長たちの広場)と呼ばれている。 旧約聖書に登場するユダヤ民族の父祖となった アブラハム、イサク、ヤコブの名がそれぞれの巨峰に名付けられた。 メソジストの伝道者によって1907年に命名されたとの説明書きがあった。 初期の開拓者たちはどんな想いを抱きながら この人里離れた荒涼とした谷間にやってきたのだろう? 谷間には年中、清涼の水が流れており 灌漑作物を育て自給自足の生活が可能だった。 ところが、時折起こる突発的な鉄砲水に農地や住居までがさらわれることもあって 開拓村はやがて廃れていったようだ。 このシオン国立公園は、 とにかく美しい。 谷間の両側に聳えている岩山を朝、昼、夕、 どの時間帯に眺めてみても 太陽光線が異なる角度から照らす岩肌の峻厳さは絵となり、 息を飲む想いである。 高度は7000フィート(2300メートル)前後で 空気は乾燥して澄み切っている。 そんな環境で私たちが選んだ活動は 昨年に引き続いて岩山下り。 インストラクターにファミリーに適したコースを案内してもらいながら丸一日、 弁当持参でキャニオンを巡るというもの。 アンティロープ・キャニオンで見たような光の模様が織り成す岩肌を 手足で支えながら下ったり、ロープで降下したり、、、、 朝7時半に集合場所に集結してから夕刻まで、 一日を終えて見れば体のあちこちの節々が痛かった。