Nov
11,
2012
長城の遭難に思うこと
情報はマスコミ&NETからであることを事前にお断りしたい。
今回の事故でお亡くなりになった山歩きの同志として、ご家族にはお悔やみを
申し上げます。
ただ、彼らの死を無駄にしないために、死者にはやや辛辣と思われるような
表現をする事をお許しいただきたい、これが彼らが残してくれたメッセージ
であることを信じているので。
遭難の原因:
一番は天候の急変であることは論を待たないが、山での天候の急変は
想定内で行動すべき。
今回の緯度と高度はこの時期雪があっても不思議ではない場所、それが
ツエルト(簡易テント)を個々が持参しないのは明らかに装備不足。
メンバーが高齢であるのも要注意、ツアーであるためメンバーが選べない
との意見もあるが、高齢者の要注意点を以下に述べるので、その問題を
ご理解いただきたい。
いわゆるリタイア組は、山に出かける頻度が高く、時間も自由になるので
山行きで心肺機能は、運動不足の若者より高い場合が多い。
ところがこれを「体力」と勘違いする老人が実に多い。
急勾配や長距離をこなし「どうだ!まだ若いものには負けん!」などと
思い込んでいる方々である。
ところが彼らとても体温調整機能、皮膚の感覚、故障の回復は確実に若者
のそれとは退化しているのである。
特に感覚の鈍さは致命的で、体調の不良を感じてからダウンまでの時間
がかなり短い。
近年の遭難の多くは、この老人たちが引き起こしたり、最悪は彼らに巻き込まれて
集団遭難となるケースなどが散見される。
低温対策はウェアでの対応が最も有効だが、おしなべてこれは高額で、リタイア組は
この先何時までもやるわけではないので・・・・ などの理由でこの装備に対する
投資を躊躇うケースが実に多い。
お金で贖える安全は「買う」のが山行きの鉄則だが、これを心底理解している方が
この方々でどれほどおられるのだろうか。
一番危ないケースはリタイヤ後に山行きを始めた方で、いわゆる基礎訓練と知識が
欠落している。
低山を歩いているだけなら良いが、段々危険な山に行くようになり、装備がそれに
付いていかず、天候の急変に対応出来ない場合では、先述のツエルトも設営経験が無ければ役には立たないし、着衣のタイミングも早め早めで行わないと間に合わない。
今ひとつ、ツアーに頼りすぎる危険、今回のツアー会社は2009年のトムラウシ
で安易なプランを指摘された会社である。
この会社のツアーは割高であることで名高い、しかしガイドの数が多かったり
テントその他をガイドが運ぶ「間違ったサービス」でも有名である。
ツアーでは「不適格」と思われる人も自己申告であるため参加が出来てしまう。
今回も「ツアー」だから、以前に問題があっても、もう安全と思い込んではいなかったか?
山での事故は、分母を考えれれば実に確率は低い、昔の事故率と比較すれば
雲泥の差であり、大騒ぎする必要の無い数値ではある。
私が言いたいのは、あまりに安易に取り組み参加する姿勢である、趣味道楽は
当然自己責任であり、これらを「お上」の監督下に置く必要などさらさら無い。
この安易さが、政治への無関心、平和ボケにつながってはいないかと危惧する。
現在のリタイア組は高度成長期、何もしなくても会社に行きさえすれば、それなり
の収入が保証された「良き時代」をお過ごしになった方々である、真面目にやれば
どうにかなるを生活信条とされた方でもあるが、もうその時代では無く、今一度あらゆる取り組みを「昔の経験」を忘れて見なおしていただきたいと切に思う。
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