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詩は元気です ☆ 齋藤純二

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歪な向上

thread
十四歳の白髪に
神経は脱色している
自由を奪われるほど
カラダが死んでいく時間に
穴は空き赤が黒となって
ぶら下げた点滴

学校では自分を突き刺し
何処かのルールと戦う
オリジナルの道徳はアナーキー

創れる世界は
壊われる自分がいる限り
俺を殺し続ける青春

#詩

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サーブ

thread
世界の微笑みを守るため
被災地へ届けと思いがあれば
チリンと祈りを込めて

血液が足らぬのなら
どうぞ僕の血液を使ってくれ
400mlでも成分献血でも
チクリの針はちょっと太いけど

大事なのはどこかの誰かが
微笑むことなのだから

冴えない僕だって役に立つ
できることを見つけたよ

奉仕は無条件に健全だ
難しく考える必要なんてない

苦しむひとがいる
少しの余裕が自分にあれば
微笑みを与えることができる
さらに僕も微笑んでしまう

世界の微笑みを守るため
さあ今日は遠くまで
ボランティアに行くのさ

#詩

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秋の栞

thread
秋の栞
秋の終わりに
#詩

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俺は透明人間か

thread
ラーメン屋に入って
いらっしゃいませもなく
水もこないのだから

たいして客がいないのに
注文が後から来た客に抜かされる
やはり俺は透明人間なのか

まあ、わざとこちらから声を掛けないと
どうなるのか、試しているわけだが

カウンターの真ん中で俺は透明人間

もう7、8分過ぎただろうか
こんな詩を書いている場合ではないな
なんだか腹が立ってきた
ふつう、気がついて注文を
取りにくるだろっ

水ください

派手に手をあげ
ちょっとデカめの声で
通り過ぎようとする店員に声をかける

んっ、完全スルーだな

あんたの視界に俺はいるだろっ
おいおいそこまで存在なしかよ
ああ、もう出よう

ドアをガンッと閉めて出たけど
やはりラーメンが食べたい
そんなわけで違うラーメン屋へ

なんだかドキドキしている
また俺はラーメン屋で透明人間に
なってしまうのではないかと

いらっしゃいませ
カウンターでよろしいですか

おう、俺の存在があった
ラーメンが食えるぞ
水もきたし注文もできた

それにしてもさっきの店は
どんだけ俺を嫌っているんだよ
わけわかんないことが
起きるんだよな、たまに

#詩

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曇天

thread
曇天
今朝も耐えています空が……
#詩

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夜空 / 俺

thread
Dear 夜空


月に照らされる
雲などはなくて

皮肉な空の下に
上手くいかない
俺が立っていて

どうしてお前は
俺の黒さと違い
澄んだ黒なんだ

嵐を消し去った
余裕に噛みつく



From 俺

#詩

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チャンピオン

thread
勇気をもらえる世間があり
努力しているひとがいて
目標を追えば世界が見える

プレッシャーがなければ
自由にもなれませんし

勝者の言葉に驚いた
自分を逃がしていたのなら
自由にはなれないと

ファイターでなければ
開放できない自分がいて
可能性を追うことに
自由を見出しているのか

世間で何かひとつ
闘うことの意味を教わり
自分にプレッシャーをかける

#詩

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用を足す夢の誘い

thread
何処の海だろう
私は浮き輪に乗り寝ていたようだ
水平線の上には街が見えて
人気のない淀みがあった

両手で漕ぎはじめ
危険な海から上がらなければ
海は昔から怖いイメージがある
地に足が着かない処は苦手だ
もちろん空も怖い
自分が飛行機に乗れば堕ちる
必ず、間違いなくそうなって……

街を彷徨った
木造の古びた学校があって
私はトイレを借りることにした

驚くことにひとがいた
金髪の男たちが用をすませていた
しかし、床は汚く其処には辿り着かない
履き物を探すために
長い廊下を歩いてみたが
上履きもスリッパも見当たらない
あきらめ学校を出た

そして、少し時間の記憶が消えていた
何故か私は高層ビルに囲まれた湖で
また浮き輪にのり浮かぶ

ああ、もうここで
用を足すことにしよう
誰かに迷惑を掛ける訳でない
さあ、スキッとして
夢の続きを見なくては

えっ、夢の……

此処でしてはいけない
現実の海に浮かぶことになって……

#詩

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有限の促し

thread
余計なことを言ってしまい
自分の言葉に言い訳を探し出し
大丈夫、大丈夫、と
誑かすいやらしさ
道徳心の欠片は見逃さない

人と自分
その存在の意味を追うように
社会は問題を提議し続け
種の保存に哲学で人間をさせ
善、悪、善、悪、善、悪と
螺旋の道を迷いながらも
DNAに組み込まれた理想へ
逆らわず進んで行く手中


余計な言葉を発した反省をしても
余計な思いは断てないのか
それならば……

さあ、此処からが
突然変異を楽しむ残り路
時間はそう長くない予感がして
少し急がなければ

#詩

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冬という序

thread
魂はこもり
薄い防御で
オノノイテ
鈍い血流に
冷えてゆく


待っている
朝の姑息に
キタイシテ
それでいい
妥協の知恵


バスの暖房
この匂いの
ハズレナイ
冬の予感に
身がまえて

#詩

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