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詩は元気です ☆ 齋藤純二

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“ # ” のついたタイトルはツイッター詩(140文字以内)

肉じゃが

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玉ねぎ、人参を切る

胡麻油で炒めてみた
入れすぎたのか
部屋中に胡麻油の匂いが

牛肉が白くなり
砂糖、酒、醤油、みりん
味がよくわからない
砂糖と醤油を足す

お湯を入れ
ジャガイモを入れ強火、蓋

でも怖い
焦げないだろうか

気になって蓋を開け
混ぜてみる

やはり僕には度胸がない
味を何度も確認したり
蓋を開けてしまう

なんだかんだで
しらたきを入れ忘れ
仕上がる直前に入れる

そして出来上がった肉じゃがを
器に移して食卓へだす

あれっ
このしらたきずいぶん長いよ

そう言われ気づく
洗ってから切るのを忘れていた

ご愛嬌、ご愛嬌

料理も経験とセンスなのかなあ
美味しい肉じゃが
このハードルはなかなか高い

いつしか納得いく
肉じゃが出来たのなら
泣いてしまうかもしれない

肉じゃが
こりゃ奥深いぞ
僕の夢がひとつふえた

美味しい肉じゃがを完成させ
涙して食べるという
そんな夢もいいじゃないか

#詩

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透けた吹き出しに

thread
透けた吹き出しに
壁を見るガイコツ
透けた目で青を感じている

君はモノと人間の
少し人間よりにいて
喋り出しても不思議はない
その模る冷たさに移入し
僕はもしかすると
言葉を待っているのかも

不思議を取っ払い
世界が変わる時には
口をポカンと開けるだろう

感動の真逆を旅するまえに
君は僕に
何を話してくれるのだろう

さあ
なんでも言ってみてくれ
もう準備は出来ているのだから

#詩

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火曜日に詩を書く

thread
火曜日は不思議
月曜日より気持ちがどんよりして
詩を書かない頻度が高い

自分が書かないのなら
掲示板に投稿されている
誰かの詩を読もう
そう思って覗いても
新しい作品はなかったりする

今日は火曜日ということで
もう詩という気分でなかったが
敢えてそこに仕掛けたくなるのは
私の性分なのだろうか
一丁やってみますか
それでこの詩を書いているが……

火曜日というのはやはり
想像力を吸いとってしまうのか
カピカピの発想しか出てこない
姑息に姑息をのせ
継ぎ接ぎだらけの詩になりそうだ

やる気のない魔物がいて
そいつと戦ってへなへなになって

燃えるような火ではなく
明日に水で消される
現実に面食らってのことか

火曜日は無気力に働いても
詩を書く者としては
この二十四時間が
修練の時かもしれない

火曜日という雰囲気に
負けてはいけない
いつでもどんな時でも
詩を書き続けよう

この詩もぼちぼち仕上がるぞ
火曜日になんか負けていられないぜ

#詩

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君の詩は

thread
どんなきれいな言葉を連ねても
澱んでしまうのは
きれいな詩を書こう
なんて思ってしまうから

そこにひとはもう飽き飽きしている
君の千作品を読んでも
同じ詩にしか思えないのは
頑張って詩を書いているからさ

頑張らない努力を知らないから
そうなってしまうんだよ
君はどこかで自分の詩に酔いしれて
恥ずかしの園にいるのさ

詩を書いて充実を得ようなんて
甘すぎるんだよ
そんな次元で言葉は生まれないし
心が詩にあっては駄目なんだ

息を吸って吐くように
自然に言葉を出し入れして
詩を書く感覚すらなくすことから
始めなくてはならない

君はまだ詩を書いていないんだ
やめた方がいいよ
詩を書いている振りなんて

#詩

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ひと山

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今朝は底冷えのない
新しきを知るような香り
まだまだ油断はできないが
少しずつ春へ向かっている

冬という山
今年も越えてひとつ
おおきくなっていく精神
縮んでいく身体
心身は歳相当のながれに
任せてながら変化を知る

重ねる日々に
昨日と違う今日の自分
その気づきが年々よく見えてくる

歳をとるのも悪くはない
見えなかったものが
見えてくるのだから

だから見逃せない
自分の仕上げを考えたりする

もう少し寒さに耐え
年輪の波状を変化させ
心身の順応で
乗り切っていこうじゃないか

#詩

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カントリー

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砂ぼこり
切ないカントリーが流れ
僕はギターを背負って
目指すところがあるんだ

想い出は想い出のまま
何も変わりやしないのさ
古巣ではいつでも
バンジョーとギターが弾けて
僕の弱さを包んでくれる

何処にいても
音楽が耳からは離れやしないさ

都会ではどう響くだろう
僕の世界の向こう
伝える喜びに微笑みながら
声を高らかに歌うのさ

飛ぶことを忘れようとする
鳥にはなりたくなくて
今は振り返らずに
僕に流れるカントリーともに
旅立つのだから
何も恐れることはないさ

ただこの切ないカントリーに
涙を流したことだけは忘れないよう
歌っていこうと思うんだ

#詩

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新しい詩

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ほぼ毎週のように図書館へ来ては、本を読まずに詩や小説を書いている。しかし、今日は島崎藤村の本が無性に読みたくなる。どうしたらあのように綺麗かつ透き通った描写ができるのだろうか、と。

『作家の随想』という本を手にとってみた。やはり、そうであったか。藤村は松尾芭蕉に影響を受けていて、ふたりの重なる匂いを感じていた直感は当たっていた。「芭蕉の散文には何とも言って見やうもない美しいリズムが流れて居る」の藤村の言葉であるように、憧れとどのようにしたらあのような美しい言葉が綴れるのかという疑問を持っていたことが記されている。藤村が芭蕉へ感じていることを、私は藤村にも感じている。言葉の世界は孤独な世界より二つ、三つと広げていく謙虚が芸術表現を豊かにするのであろう。

「言葉の術」という見出しのところ。
「詩を新しくすることは、私にとっては言葉を新しくすることと同じ意味であつた」、「旧い言葉を壊そうとするのは無駄な骨折だ。ほんたうに自分等の言葉を新しくすることができれば、旧い言葉は既に壊れてゐ。この考へが私を導いた」と藤村は語っている。そして、言葉は活きかえって来ることの深い喜びを知ったという。

「新しい言葉」。それは、言葉の感じの鋭さであり、言葉というものに重きを置くほど言葉の力なさ、不自由さを感じることになる、とも藤村は語っている。
私はこう考察する。「新しい言葉」が「新しい詩」、「美しい詩」に成り得るためには、自分の中にもともとある感受への気付きと、その空間世界への弛まぬ求めが必要なのだろう、と。旧きを壊すことではなく、自分の旧きを引き出すことが新しい自分、新しい詩というこになると確信した。

そんな今日の読書、有意義に過ごしては、暮れてゆく窓辺。




参考図書『作家の随想4/島崎藤村/藪 禎子 編』日本図書センター

#雑記

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幸せな猫話し

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あれっ、夢と花がデカくなっている。

ある日、突然にウチで飼っている猫が巨大化しているのだから、もうびっくりだ。でも、これが現実なんだから普段のように暮らさなければならない。ああ、猫ちゃんのトイレを片付けなければ。「がちょーん、ウンコ、デカっ」いったいなんだよ、このデカさは。俺の大きさの三倍ってところだな。しかも臭いし。どうすればいいんだよ。トイレでは流れそうにないし。とりあえずビニールを二重にして縛った。オシッコは……。「ああ、ダメだ。風呂場で処理だな」。こんなこんなで、いつもこんなに大変だったかな、と思うが「これ、リアル日常だよな」とあきらめる。


「ビヤーン!」、「ガビョーン」と夢と花が俺に近づいてくる。なんだろう、いつもヤバイなんて思ったことないのに、これっ、ヤバイ。ジャレてくる二匹。おっと背中を引っかいている。多分、キズが深そうだ。でも、あまり痛くない。顔面もやられた。ヤバイ、ヤクザみたいになってしまう。二匹が俺を猫パンチで倒し、のっかる。ああ、重たくて息ができない。あれっ、首あたりを齧られている。俺はメスじゃないぞ、夢。おいおい、おいーい。俺を食べるなよ。餌がないからって、頼む、食べないでくれ。ちょっと待てよ。全然、痛くないし、食べられていること自体がそんなに嫌なことでもない。俺は夢と花に食べられている。意外とこれは幸せな終わり方なのかもしれない。幸せな。そう幸せななんだ。

「なあ、夢、花。俺は癒されているぞ!」
#詩 #雑記

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オアシスを聴きながら

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頑張れのかわりに
手拍子が聴こえてきました
イヤホンから流れるライブ演奏は
感情に合わせて入ってきます

オアシスには随筆感があり
大人のちょっと手前
僕らにあるジレンマと
これからを考えています

小さな歴史の彷徨い
投げやりのファッション
口には出さないが
笑い声に重ねた叫び声は
冷たい風に隠しながら
進んで行くのです

それが僕らの飾らない
パッションなのです

#詩

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床の掛物

thread
床の掛物
『無乃是詩人』
#雑記

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