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詩は元気です ☆ 齋藤純二

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どうか

thread
どうか
僕を生かしてください
詩を書いていたいのです

どうか
この傷ついた頚椎
これ以上に神経を刺激しないで

今日も手が痺れては
いつまで指が使えるのだろう
なんて考えてしまう

手が使いものにならなくなったら
足を使えばいいじゃないか

しかし
最近は足の痺れも増している
足も使いものにならなくなったら
口を使えばいいじゃないか

もし口も使いものにならなくなったら

その時は心に書けばいいじゃないか

どうか
私に詩を書かせてください

どうか
私を生かしてください

どうか

どうか………

#詩

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感動なき詩

thread
感動を与えない詩ばかり
書き続けて三十六年
特にひとに読まれることもなく
吐き出さずにいられなかった言葉たち

詩の掲示板をきっかけにして
読者を気に掛けての詩作

詩を読んで感動したこともないのだから
私が詩を書いて感動を与えられるわけもない

感動を与えることができないのは
私の人間としての中核が歪んでいるため

この問題は終わらない
私の今までの生き方や考え方を
全て否定できないと答えは出やしないから

もうそんなことはできないし
自分をそこまで否定したくない
それならまた私だけの詩でよいと思う

だが、まだ未練がある

今までの人生で私は詩を書くことで
折り合いをつけながら
なんとかここまで生きてこれたのだから
この有り難い詩の元気だけは伝えたい
なんとか伝えたい

今、君の詩に足りないのは
「感動」と言われ
スタートラインからも下がった状態

だけど私には揺るがない意地がある
そのまま後ろ向きで走り続けよう
なにも見えずに転んでしまっても

それが私のスタイルなんだろうし
そんな生き方しかできない

だから、感動なんてクソ食らえだ
私はそんなもののために詩は書いていない

#詩

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止まらぬ雨

thread
太陽を見たのはまだ子どもの頃
あの頃は温暖化の過程を終え
超温暖化へ進み
冬でも三十度を超える暑さだった

インターネットで年配の方が書き込む
季節感があった昔の話を
実体験のない私は知らない

冬に雪が降り
雪だるまをつくったとか

秋には紅葉が綺麗だったとか

春には桜が咲いて華やかだったとか

私が画像でしか見たことのない景色を
幸せそうに語っている

唸るような暑さで毎日のように
道端でひとが倒れては死んでしまう
室内もほとんどエアコンが効かない暑さで
カラダを溶かしてしまうような日常は避けられない
夜に外へ出られるくらいだった

そして
私が十ニ歳の時だった

首都圏を中心にゲリラ豪雨が降り出した
何時もと違っていたのは
激しい雨が緩やかになっても止まなかったこと
降り続く雨は水かさ増し
今では「東京沈没」と言われるようになった

もう十五年も雨が降り続けている

この雨で首都圏の気温は下がり続け
超温暖化以前の気温になり
あの唸るような暑さからは逃れた

しかし
人びとは雨に埋もれた街から
陸のある地方へ移住の地を求めた

それからも私は水との戦いであった
来る日も来る日も雨音を聞き
降り続く雨を観察してはデータをとる

孤独な勤務を言い渡され
高層ビルの五十階にひとり住んでいる
月に一度はヘリコプターで食物が運ばれるが
無人島に暮らしているようなものだ

私は来年度もこの勤務の継続をすることになった
自ら望み契約を更新

家族も雨の被害で失っていた
私の生きる意味はこの雨の正体を知ること
もうそこでしか生きる気がしない

雨具を装着し屋上に上がり
気温を測り
風の向きを調べ
水かさを測り
雨のサンプルを採取

この得体の知れない現象に
私は取り憑かれているのだろうか
答えぬ答えだけを求めながらも
私は今日も生きている

#詩

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学窓の一枚

thread
校庭の羅針が迷走
体育着に吸収する襷
時間を掘るシューズ

鳴き続ける蒸発の言葉
新奇さもないポエム
黒板の穿孔した辛苦

エッジのずれた折り紙
偏向する脱出の準備

凸凹の机上を乱舞
汚れた指で螺旋と鋭角
黒光りのコサイン
鋭いほど嬉々なる興奮

生命線から教師の粉
包囲するニヒルな微笑

無地を想起する四角形
シュールな嘆願書
握られた折り目の哀訴
教室の死角に挿入

裏庭で衆望の焼却
黒煙が変化した紙飛行機
無垢への希求
カラスが咥える行方

#詩

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背後占い『字念屋』 「 子」「風」「観」(連載もの8)

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どうぞお座りください

はい
さっそくあなたの背後から見えてきました
「子」の文字ですね
子といっても子供の子ではありません
子は「一」と「了」からできています
すなわち「始め」と「終わり」
人生の尺を表しています

そして
あなたの中核になっている文字が

「風」ですね

とても強く見えてますよ
あなたの一生は風の如しとでも言いましょうか

風は軽いため容易く表情を変えることができます
変化しやすいことが特徴

あなたは感情の起伏が激しく
吹かなければ存在を消すほどですが
そよ風の時もあれば
台風の時もあるわけです

その性質上
ひとに影響を与えやすい字です
なかなか扱いの難しい字ですね

けれど「風」を操ることができれば
百人力なのです

それには「観」の文字が必要となるでしょう

ただ見るのではなく
感覚を働かせて自分を観なければなりません
自分を観ることによって
状況に応じた対応が上手にでき
もともと持っている「風」の表現力で
周りのひとを魅了することができます

しかし
あなたにはまだ「観」の文字は見えませんね

素敵な武器を持っていても
活かされていないう感じです

「観」の文字を念ずること
お勧めします

あなたは周りのひとにとって
心地よい風になれることは間違いありません

自分の風で相手を包み
それを喜ぶことがあなたにはできるのです

おや
「観」の文字薄っすらと出てきましたよ

あらまあ
「謝」のしゃするという文字も見えてます

私を包む風が吹いていますね
とても心地よいですよ
お察しくださいましてありがとうございます

本日は『字念屋』にお越しくださり
誠にありがとうございました

#背後占い字念屋の詩

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猫のハナが「V」サイン?!

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「ハナです」 「ハナです」

こんなことがあるのだろうか。パソコンの画面には「v」の文字がひとつ。

朝からを三十編の詩を推敲、校正していた。データもとりあえず、ディスクトップへ保存し、上書きをまめにしながら作業。さあ、印刷をしようと思ったが、ひと息つこうとコーヒーを淹れに台所へ降りた。そして、コーヒーの匂いに癒されながら部屋へ戻る。すると、猫のハナが液晶画面(タブレット型PCにキーボードを付け)を歩いていた。「おい、ダメだぞ!」抱え込んで床に降ろす。

さて印刷、印刷。プリンターのUSBのコードをパソコンにつなげる。そして、画面を見る。

おーい
詩がなくなっているぞ
どこ行った

慌てながらもコントロールとZキーの同時押し

あれっ
戻らない
いったいどうしたんだ
猫が歩いただけで普通は消えないよな

頭を抱え込み
もう泣いてしまいたいくらいショックだった

そして、冷静になってパソコンの画面を見ると


V


の文字がひとつ………


ビクトリーなのかーい!?


部屋を出て行くハナの足どりが軽く跳ね上がっていて、勝ち誇って見えるのはいったい………

とほほっ


この事象を分析する。今後のために

ハナがパソコンを歩き出す→
コントロールを踏みつつAボタン→
バックスペース→
上書き(フロッピーマーク)
→V

これは可能だろうか?
ほぼ、ありえない気がする。ああ、わからない!!

………もう考えるのはやめよう。最初からやり直しだ!
データが消える話はよくあるが、このパターンはないだろう
もう悲し過ぎて僕


泣いちゃう!


⚪︎二時間前の実話⚪︎
#雑記

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誤字脱字……

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普段はiPadでPagesのアプリを使い詩の入力しています。打ち込んだ字も綺麗だし、使いやすくお気に入りのアプリ。しかし、使いたい機能がなかったりします。自動文章校正機能や縦手書きがなかったり。日本語で詩を書くならやはり縦書きとは思いますが、横書きに慣れてしまうとこれもありかなあ、そう思うこの頃です。

自動文章校正機能があれば誤字脱字をけっこう見つけてくれますが、Pagesにその機能はありません。まあ、私は詩作後に何度も読み直し校正し、ブログへ投稿後もチェックはしているから大丈夫。なんて、思っていたのですが。先日、詩を紙に起こすことが必要になり、その作業を……

詩作ファイルをメールで送り、その文字入力をパソコン上でワードへコピペ。自分のパソコンがないので、家族に借りるのですが進化したワード機能を使いこなせず、いやあ参った、参った。
話は逸れますが、昔(25年前ぐらい)に98ノートというノート型パソコンを使っていました。文字入力には、一太郎と東海リクエストというソフトを使い文章を書いていました。一太郎に限っては、フロッピーを5枚入れ換え起動させていたのでたいへんです。まだ、ハードディスクがなかったのですから、今では考えられないですね。その頃は、ワープロが主流でした。文豪ミニなんて言うのが流行っていたのでは。

すみません、話を戻します。ワードに入力した詩を見ると、何やら赤線が文字の横に罫線として引かれていました。誤字脱字です。いや〜、それがけっこうあるんです。びっくり。というか、思い込みというのは怖いもので、声を出して詩を読んでもスルーしてしまうのですね、誤字脱字。自分の能力がないと言えばそれまでなのですが。散文詩などで多いのは、やはり二重主語ですかね。句読点内の文に主語が二つ。そう言われれば、違和感ある文になっていますね。

誤字脱字があると詩はとても景色を濁してしまうことになります。あってはいけないと言うのは、一般的な常識でしょう。しかし、これはあくまでも個人的な私の考えなのですが、他の方の作品を読んで誤字脱字を発見すると、安心するのです。完璧に近い詩より、誤字脱字がある詩の隙から自分の感情が入りやすいのです。上手く説明できないのですが、誤字脱字が人間らしく感じて作者が身近な存在になるからでしょう。だからと言って、読み手のことを考えると推敲を怠ってはいけないのですが、やはり誤字脱字は完全撲滅は無理でしょう。校正のプロでもスルーしてしまうのですから。なので、私個人ではある程度の誤字脱字があっても仕方ないかな、と思っています。まあ、私の詩は誤字脱字が多すぎですので、もっと注意して行かなければなりませんが。

なので、使用しているPagesの編集機能に縦書きと文章校正機能を追加して欲しいと思っているこの頃です。
#雑記

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秋の朝

thread
皮膚に少しの緊張
秋がやってきた

溶けてしまいそうな暑さは
もう思い出の風になり
肩、肘、膝あたりから
入ってくる心地よいひんやり

さら、さら、さらりん

落ち着くでしょう
そんな秋の声が聴こえる

葉っぱの鈴がしんみり
我にかえる声になり
駅への道のりさえ
さすらいの旅になって

日々のひたむきに寄り添って

さら、さら、さらりん

秋はがんばりましょう
と、囁きます

さら、さら、さらりん

もちろんがんばりますよ
と、答えます

#詩

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忘れないで

thread
小さな風をおこし
君は走りぬけてゆく
その無邪気な微笑みと
まっすぐな瞳を忘れないで

自由な翼が折れて飛べなくなっても
君の澄んだ想像力さえあれば
目的地にたどり着くからだいじょうぶ

君は素晴らしい
微笑みの持ち主だから

君はやさしい
こころの持ち主だから

どうか
その瞳の輝きを忘れないで

#詩

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悲しきゴジラ

thread
我々の豊かな暮らしへ
原子の力は明るく応えてくれた

目に見えないその存在に
愛着がわく具現物が欲しかった

だがお前の力は
我々を脅かす存在になった

ゴジラよ
今まで我々の味方だったはず

なぜ
共存を拒むのだ

なぜ
暴れるのだ

破壊し続けながら進化を遂げる
その生き方は悲しみへと進む産物であった

愛情なく生まれた怒り

そして今
被害を食い止めるため
冷却により自らの手でその動きを止めた

ゴジラよ
お前をつくり上げたことすら
間違っていたのだろうか

ゴジラよ
冷たくなったお前を見ると
虚しき中を愚かさだけが暴れ出す


#詩

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