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「ガマズミ(鎌酸実、莢迷、アラゲガマズミ)」
落葉低木で樹高2-3m程度、高さ約5mにもなる樹もあるとか。
若枝にはかたい開出毛がみられ、その毛には束生毛と星状毛が混じることがある。
若い樹皮は灰緑色だが、古くなると灰褐色(灰黒色)になる。
葉は対生、葉身は倒卵形や卵形から円形。ふちには浅い鋸歯がある。
表面には羽状の葉脈がわずかに出っ張り、凹凸がある。
表面は脈上にだけ毛があるが、裏面では腺点や星状毛などが多い。
5~6月頃に枝先に散房花序をだし、白い小さい花を多数つける。
晩夏から秋にかけて3-5mm程度の果実(核果)をつけ食用となるらしい。
赤く熟し、晩秋の頃に表面に白っぽい粉をふきこの時期がもっとも美味しいとか。
近年では絞り汁が「ジョミ」の商品名で飲料として出回っている。
果実は、やや平べったい感じの卵形で表面はツヤがある。
漬け物の着色や衣料の染色に利用されていた由。
それ故、一説には「蒲染め」が訛ったもので染料に由来する。
冬芽は、長さ3~5mmの卵形。芽鱗は2対あり、外側の1対は小さい。
房状の果実を観賞用として庭木にしたり、庭に来る鳥の食にも供した。
枝は柔軟性があり折れにくく民具の柄や薪類を束ねるのに使われていた。
雪国では、枝をねじり輪状にし「かんじき(雪の上を歩くための道具)」にも使われている。
魔除けとして杖にする地方もある。
近縁のコバノガマズミやミヤマガマズミの葉は細長く先端が尖った楕円形で、区別できる。
「ガマズミ実虫コブ⇒「ガマズミミケフシ」
以前、ブログルでも記載したことがあった。
タマバエの一種による虫こぶ。
色は淡緑色から淡紅色を帯び、表面には白色の短毛が密生する。
画像のガマズミの赤い実の中に少し大きめで毛の生えた実がたくさん見える。
これは、健全な姿ではなく、ガマズミミケフシという虫こぶ。
ガマズミミケフシタマバエというハエの幼虫が実に寄生してこのような形に。
晩秋に虫こぶは地上に落ち、ハエの幼虫はその中で越冬する。
翌年の春に蛹化、初夏に成虫が羽化するのだそうだ。
「ガマズミミケフシ」漢字で書くと「鎌酸実実毛五倍子」となる。
「五倍子」(フシ)とは、虫こぶのことに由。
この虫こぶを作らせる犯人はハエの1種で「ガマズミミケフシタマバエ」。
「鎌酸実実毛五倍子玉蠅」現代人には、面倒な漢字表現だが覚えておきたい。
鎌酸実 (ガマズミ) の実 (ミ) に毛 (ケ) が生えている五倍子 (フシ) 虫こぶ。
ガマズミミケフシタマバエ Pseudasphondylia rokuharaensis(タマバエ科)
玉蠅 (タマバエ)という名の蠅が共生している。何とも不思議な光景である。
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「大和市・泉の森、2016/9/10」