今年の読書(123)『大絵画展』望月諒子(光文社文庫)
Oct
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ゴッホの『医師ガーシュの肖像』という小さな作品を巡る、美術ミステリーとしてまた、小気味良いコンゲーム小説として120%楽しめました。
多分こうなるだろうなぁ~の予測通り話しは進んでいくのですが、それがまた覆されるというスリリングな展開が繰り広げられます。
読み始めには、タイトルの『大絵画展』とどう結び付くのかと疑問に感じる導入部でしたが、この部分までが計算された布石で、読後「なるほど」とおもわせてくれます。
美術業界の現状も良く表現されており、一枚の絵に掛ける美術収集家の執念を逆手に取った構成は、十分に新人賞受賞の価値がある一冊です。