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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(39)『モルフェウスの領域』海堂尊(角川文庫)

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今年の読書(39)『モルフェウ...
本書は、デビュー作の『チーム・バチスタの栄光』以来、海堂ファンにはお馴染みの登場人物たちが脇を固めていて、面白く読めました。
また同じ著者の前回に紹介した 『マドンナ・ブェルデ』 に出てくる<曽根崎伸一郎>や、娘の代理出産をした母親<山咲みどり>が産んだ<薫>が登場するなど、ニヤリとさせられる場面が盛り込まれています。

物語は、桜宮市(海堂の架空の都市)に新設された未来医学探究センターを舞台として、網膜芽腫という病気で右目を摘出された9歳の<佐々木アツシ>は左目も同じ病気に侵され、世界初の「コールドスリープ」の技術でもって、特効薬の開発を期待して5年間の「凍眠」に入っています。

「凍眠八則」の法律に基づき、<アツシ>のお世話を毎日している<日比野涼子>は、少年が目覚める際に重大な問題が起こることに気付き、ひとり対策を練っていきます。

コンピューターで制御される「凍眠」を通して、人を守るべきはずの法律や制度が、逆に人を縛るとういうときにどう立ち向かうのか、人間の尊厳と倫理を考えさせられる医療ミステリーでした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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